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CASE11 心の中
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翌朝、私が起きると隣ではアゲハとエドガーがまだ寝ていた。
寝てる姿が親子って感じで、朝からクスッと笑えた。
二人を起こさないようにそっとベッドから抜け出して一階に行ったけど……レオンも起きていない。
だから一人で朝食作りをダラダラ始めたんだけど…
私、あれから起きなかったけど、、、
アゲハはちゃんと寝たのかな?
エドガーってどのタイミングで寝たのかな?
って、、そんな事を考えながら目玉焼き焼いたら失敗した。
「おはよー、悪いな。一人でやらせて」
「おはよう、レオン。いつもレオンに任せてばかりだから気にしないでよ。まぁ………たまご失敗したけどね」
まだ眠そうにあくびをしながら現れたレオン。
ちょっと焼きすぎた目玉焼きを見て、「普通じゃない?」って言ってくれた。
「二人はまだ寝てるのか?」
「んー、たぶん。起きてきてないからね」
私の隣でサラダを用意しはじめたレオンはまだ眠そう。
「全く……おっさんの方は絶対に朝は起きねーよ。かなり飲んだからなぁ、アイツは」
「つまり……晩酌に付き合わされた?」
「そういうこと。だから俺も眠いんだよ」
あくびをしながらレオンが用意したサラダは三人分。
そして、しばらくして降りてきたのは、、、
「おはよう。エドガー起きそうにないから放置してきた」
やっぱり、アゲハ一人だけだった。
レオンが言った通り、エドガーが起きたのは昼前で、、ひたすら「頭が痛い」って連呼していた。
見兼ねたアゲハが二日酔いに効く薬を煎じて用意してて……昨日が嘘みたいにエドガーは二日酔いだけどいつも通りだった。
「ソラとアゲハはね、酒に飲まれたら駄目だからね?」
エドガーが言うと妙に説得力があって……私はお酒は飲まないにしようってエドガーを見て学んだよ。
「さて……アゲハと話そうって言った件だけど、、レオンとソラと四人で話そう」
エドガーはちゃんと覚えていたし、私もその話に呼ばれた……。
レオンは午後も開ける予定だったお店を急遽お休みしてくれて
アゲハと私
エドガーとレオン
の、並びでリビングのソファに座った。
「レオンは聞いたかな?アゲハの心に入るって話を」
「あぁ。一応……悪い点も、全部聞いた」
レオンを見ていたエドガーは視線をレオンからアゲハに移した。
アゲハを見るエドガーの表情はすごく悲しそう。
「………私は、アゲハが良いならアゲハの記憶を、、見てみたい」
「……………えっ?」
昨日まで明らかに大反対だった人が急に意見を真逆にした。
さすがに私も身を乗り出してエドガーの話を待った。
「アゲハの気持ちを……考えたらね……ただ、私のツテで時の魔法使いから人の心を見るという事がどのような副作用がおきるのかを聞いてみた……」
そこでエドガーは一区切りつけて、真面目な顔でアゲハを見た。
「結論から言えば、アゲハのリスクばかりが高い。だから、私は望まないが……アゲハはきっとそれを知った上で私たちに自分の記憶を見せるって話をギルバートにしたんだよね?」
エドガーに聞かれたアゲハは、真剣な表情でエドガーを見つめたまま頷いていた。
「そんなアゲハの想いを……私が止めるのはできないね。アゲハにはもう少し時間をかけて考えて……それでも気持ちが変わらないようなら、、私にアゲハの記憶を見せてくれ」
エドガーも分かっているのかもね。
アゲハの、言い出したら折れない性格。
エドガーが乗り気じゃないのはよく分かったから、、
アゲハは謝りながらも「気持ちは変わらない」って言い切った。
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