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CASE10 傷痕
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エドガーが帰ってきたのは夜遅くだった。
来た瞬間、ちょっと険しい顔をしていたけど
アゲハを見た瞬間、めちゃめちゃ笑顔になった。
「今日は元気そうで良かった!顔色もずいぶんいいし、熱も……なさそうだな」
エドガーは帰宅してすぐにアゲハのおでこに手を当てて熱がある確認して安心した様子だった。
しかも、アゲハもアゲハでエドガーが帰ってきたらすごく嬉しそう。
「ありがとう。結構元気になったよ。ところで……何かあった?」
エドガーと一緒に来たゼロさんと、エドガーを交互に見ながらアゲハは聞いた。
エドガーはすまなそうな顔をして、椅子に座っているアゲハと目線を合わせた。
「アゲハの力を貸してほしい…話を聞いて、できるかどうか判断してほしい……―――――」
エドガーの話によると
ヒズィの水問題解決のために砂に埋もれた井戸から砂をどけたのに水が出てこなかった。
前に使っていた時以上に掘ってみたけど水が出ない。
アゲハは土使いだから地下に水脈があるかどうか探れないか……っていう相談だった。
「できる……と、思うけど、、俺がヒズィに行くのも問題だし………みんなが水問題を解決しようとするのは俺のためでもあるから……複雑だなぁ、、」
アゲハの気持ち的にはどうなの?って思ったけど
私が聞く前にアゲハは「でも行くよ」って言った。
「すまない、アゲハ。行くという選択しかない状況の上で君に聞いた」
「いいよ。大丈夫。だってみんな、傍にいてくれるでしょ?」
アゲハは笑ってそう言ったから、エドガーはちょっとホッとしたみたい。
ゼロさんは一切口を開かずにすぐに消えてしまった。
ゼロさん……機嫌悪そうだったなぁ、、、
「で?ゼロとエドガーは喧嘩したの?ゼロがずっとエドガーを睨んでいたよ?」
アゲハがエドガーに聞くと、エドガーは微妙な顔をしていた。
「ちょっと口論をね……アゲハにヒズィに呼ぶかどうか……ゼロがものすごーく反対していたんだよ。『バルバドールでアゲハに何があったか忘れたのか』って言ってね」
「あぁ…アゲハはあの町で殺されかけたもんな……」
こっ……殺されかけた!!?
エドガーとレオンはウンウンって頷いているけど!
アゲハは「懐かしいね」って軽いノリで言っているけど!
「過去の話とはいえちょっと耳を疑ったんだけど!」
「え……?過去だから気にしないでよ。今はつけ耳しないでも堂々と町中を歩けるくらいの仲になっているから」
アゲハはヘラヘラしているけど、、
絶対に、笑えないような話のはず。
こうやって笑い話に変えられたのは
みんながアゲハの心の傷を治してくれたからなんだろうね。
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