195 / 342
CASE10 傷痕
24
しおりを挟む
アゲハが泣き止まなかったら「いつまでも泣いてるんじゃねーよ」って言ってまぁまぁ強めに頭を殴ったゼロさん。
それから座っていた椅子に改めて座り直して、アゲハの様子を伺っていた。
アゲハは「頭痛い…」って頭をさすりながら小声で言ってて、表情や態度からさっきよりだいぶ落ち着いたように見えた。
人が辛いときはずっとただ傍についているだけじゃ駄目なんだって、ゼロさんに教わったよ。
レオンが改めてお茶をいれてくれたんだけど
甘い温かい飲み物を用意してくれた。
「ゼロが叫びすぎたからノド労らなきゃだろ?」
ニヤニヤ笑いながらゼロさんにお茶を渡してて、ゼロさんは思いっきり睨んでいた。
「こう………なんて言うかな?悔しいな、ゼロがムカつく」
エドガーもお茶をもらって一口飲んで。
低めにそう口に出したから、ゼロさんの睨みはエドガーに移った。
「は?いきなり何?喧嘩売ってる?」
「いいとこ全部持っていってくれたよね?私が言いたい言葉、全部先に言ってしまうから………そんなにゼロがアゲハを好きだとは知らなかったよ」
エドガーも負けじと睨み返したら、とたんにゼロさんは目を逸らした。
それどころか……顔が赤くて……
「認めなよ、アゲハが大好きだって」
「ソラ!うるせぇな!!別にっ、好きって……恋愛感情は持ってねーよ!」
………いや?
私は人として好きについてを語ったつもりなんだけど?
「恋愛感情持たれたら……本気で無理」
ポツリとアゲハが拒否したから、レオンは爆笑していた。
「当たり前だろ!俺だって男と恋愛は無理だ!人としてアゲハが好きってだけでっ!………あ、」
勢いよく発言していたゼロさんが突然失速。
理由は、言うまでもなく………で、エドガーとレオンが悪い顔をしてニヤニヤ笑っていた。
二人のこういう顔、久しぶりに見たかもしれない。
「そうだよね、ゼロ。キミがアゲハを好きなのは、よく知ってる」
「どさくさ紛れでようやくアゲハを名前で呼べるようになったしなぁ!」
「俺は前から名前で呼んでた!」
二人にニヤニヤ笑いながら言われたゼロさんはキッと睨んで言い返していた。
………絶対に、嘘だけど。
「アゲハがね、自我がない状態でもゼロに名前呼ばれて反応しちゃったんだから……だから普段は名前で呼んでいなかった」
エドガーはさらりと言ったけど、エドガーもあの時アゲハが何に反応したのか気づいていたんだね。
名前を呼ばれたアゲハ自身はきょとんとしているから、やっぱり覚えていないんだね。
「えっ?いつの話だ?」
レオンはあの時のアゲハの様子、気づいていなかったんだ。
「アゲハと戦う前。花将軍のうんちくを聞かされてる間。ゼロさん花将軍に怒りながらアゲハの名前を呼んだ時。アゲハの表情が、ちょっと変わったよ」
私が代わりに答えたけど、アゲハも驚いた様子だった。
「やっぱり、覚えてない?」
「うん……空を斬った瞬間まで……この核になってからは、、ほとんど覚えてない」
アゲハはちょっと気まずそうにしているけどね、
だけどこれ、そんな気まずい話じゃないよ?
「だったら尚更すごいね。ゼロさんに名前を呼ばれたって事がそれほどアゲハにとって衝撃ってことなんだから」
「………ただし、自我を取り戻すほどの衝撃はなかった。ってオチを作ってくれるのがゼロらしいよな!」
私がいい事を言ったはずなのに!
レオンの言葉でかき消されたよね!?
「お前らなぁ……」
ゼロさんが何か言いかけた時
ふふふって楽しそうな笑い声が隣から聞こえてきて
全員、私の隣に注目した。
私の隣には、楽しそうに笑っている、アゲハがいた―――――
それから座っていた椅子に改めて座り直して、アゲハの様子を伺っていた。
アゲハは「頭痛い…」って頭をさすりながら小声で言ってて、表情や態度からさっきよりだいぶ落ち着いたように見えた。
人が辛いときはずっとただ傍についているだけじゃ駄目なんだって、ゼロさんに教わったよ。
レオンが改めてお茶をいれてくれたんだけど
甘い温かい飲み物を用意してくれた。
「ゼロが叫びすぎたからノド労らなきゃだろ?」
ニヤニヤ笑いながらゼロさんにお茶を渡してて、ゼロさんは思いっきり睨んでいた。
「こう………なんて言うかな?悔しいな、ゼロがムカつく」
エドガーもお茶をもらって一口飲んで。
低めにそう口に出したから、ゼロさんの睨みはエドガーに移った。
「は?いきなり何?喧嘩売ってる?」
「いいとこ全部持っていってくれたよね?私が言いたい言葉、全部先に言ってしまうから………そんなにゼロがアゲハを好きだとは知らなかったよ」
エドガーも負けじと睨み返したら、とたんにゼロさんは目を逸らした。
それどころか……顔が赤くて……
「認めなよ、アゲハが大好きだって」
「ソラ!うるせぇな!!別にっ、好きって……恋愛感情は持ってねーよ!」
………いや?
私は人として好きについてを語ったつもりなんだけど?
「恋愛感情持たれたら……本気で無理」
ポツリとアゲハが拒否したから、レオンは爆笑していた。
「当たり前だろ!俺だって男と恋愛は無理だ!人としてアゲハが好きってだけでっ!………あ、」
勢いよく発言していたゼロさんが突然失速。
理由は、言うまでもなく………で、エドガーとレオンが悪い顔をしてニヤニヤ笑っていた。
二人のこういう顔、久しぶりに見たかもしれない。
「そうだよね、ゼロ。キミがアゲハを好きなのは、よく知ってる」
「どさくさ紛れでようやくアゲハを名前で呼べるようになったしなぁ!」
「俺は前から名前で呼んでた!」
二人にニヤニヤ笑いながら言われたゼロさんはキッと睨んで言い返していた。
………絶対に、嘘だけど。
「アゲハがね、自我がない状態でもゼロに名前呼ばれて反応しちゃったんだから……だから普段は名前で呼んでいなかった」
エドガーはさらりと言ったけど、エドガーもあの時アゲハが何に反応したのか気づいていたんだね。
名前を呼ばれたアゲハ自身はきょとんとしているから、やっぱり覚えていないんだね。
「えっ?いつの話だ?」
レオンはあの時のアゲハの様子、気づいていなかったんだ。
「アゲハと戦う前。花将軍のうんちくを聞かされてる間。ゼロさん花将軍に怒りながらアゲハの名前を呼んだ時。アゲハの表情が、ちょっと変わったよ」
私が代わりに答えたけど、アゲハも驚いた様子だった。
「やっぱり、覚えてない?」
「うん……空を斬った瞬間まで……この核になってからは、、ほとんど覚えてない」
アゲハはちょっと気まずそうにしているけどね、
だけどこれ、そんな気まずい話じゃないよ?
「だったら尚更すごいね。ゼロさんに名前を呼ばれたって事がそれほどアゲハにとって衝撃ってことなんだから」
「………ただし、自我を取り戻すほどの衝撃はなかった。ってオチを作ってくれるのがゼロらしいよな!」
私がいい事を言ったはずなのに!
レオンの言葉でかき消されたよね!?
「お前らなぁ……」
ゼロさんが何か言いかけた時
ふふふって楽しそうな笑い声が隣から聞こえてきて
全員、私の隣に注目した。
私の隣には、楽しそうに笑っている、アゲハがいた―――――
0
お気に入りに追加
21
あなたにおすすめの小説
社畜探索者〜紅蓮の王と異界迷宮と配信者〜
代永 並木
ファンタジー
井坂蓮二、23歳 日々サービス残業を繰り返し連続出勤更新し続け精神が疲弊しても働き続ける社畜
ふと残業帰りにダンジョンと呼ばれる物を見つけた
ダンジョンとは10年ほど前に突如現れた謎の迷宮、魔物と呼ばれる存在が闊歩する危険なダンジョンの内部には科学では再現不可能とされるアイテムが眠っている
ダンジョンが現れた影響で人々の中に異能と呼ばれる力を得た者が現れた
夢か金か、探索者と呼ばれる人々が日々ダンジョンに挑んでいる
社畜の蓮二には関係の無い話であったが疲れ果てた蓮二は何をとち狂ったのか市販の剣(10万)を持ってダンジョンに潜り己の異能を解放する
それも3等級と呼ばれる探索者の最高峰が挑む高難易度のダンジョンに
偶然危機に瀕していた探索系配信者竜胆天音を助け社畜の傍ら配信の手伝いをする事に
配信者や異能者に出会いながら探索者として活躍していく
現2章
『Nightm@re』という異世界に召喚された学生達が学校間大戦とLevel上げで学校を発展させていく冒険譚。
なすか地上絵
ファンタジー
■概要
突然、『Nightm@re』という地球にそっくりな異世界に連れてこられた高校生たち。自分達の学校を自由に創り変えながら、生き残りをかけて戦う『学校間大戦』。友情あり恋愛ありのちょっぴり切ないダークファンタジー小説。※物語三章から一気にファンタジー要素が増えます。
*過去にエブリスタで書いた物語です。
*カテゴリーランキング最高3位
*HOT男性向け最高26位
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
終焉の謳い手~破壊の騎士と旋律の戦姫~
柚月 ひなた
ファンタジー
理想郷≪アルカディア≫と名付けられた世界。
世界は紛争や魔獣の出現など、多くの問題を抱え混沌としていた。
そんな世界で、破壊の力を宿す騎士ルーカスは、旋律の戦姫イリアと出会う。
彼女は歌で魔術の奇跡を体現する詠唱士≪コラール≫。過去にルーカスを絶望から救った恩人だ。
だが、再会したイリアは記憶喪失でルーカスを覚えていなかった。
原因は呪詛。記憶がない不安と呪詛に苦しむ彼女にルーカスは「この名に懸けて誓おう。君を助け、君の力になると——」と、騎士の誓いを贈り奮い立つ。
かくして、ルーカスとイリアは仲間達と共に様々な問題と陰謀に立ち向かって行くが、やがて逃れ得ぬ宿命を知り、選択を迫られる。
何を救う為、何を犠牲にするのか——。
これは剣と魔法、歌と愛で紡ぐ、終焉と救済の物語。
ダークでスイートなバトルロマンスファンタジー、開幕。
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
呪う一族の娘は呪われ壊れた家の元住人と共に
焼魚圭
ファンタジー
唐津 那雪、高校生、恋愛経験は特に無し。
メガネをかけたいかにもな非モテ少女。
そんな彼女はあるところで壊れた家を見つけ、魔力を感じた事で危機を感じて急いで家に帰って行った。
家に閉じこもるもそんな那雪を襲撃する人物、そしてその男を倒しに来た男、前原 一真と共に始める戦いの日々が幕を開ける!
※本作品はノベルアップ+にて掲載している紅魚 圭の作品の中の「魔導」のタグの付いた作品の設定や人物の名前などをある程度共有していますが、作品群としては全くの別物であります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる