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CASE9 救済者 vs レジスタンス

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あんなに淡々と、しかも居場所を突然伝えてくるなんておかしい。



『アゲハ!今、どうしているの?』


テレパシーで今繋がっているなら

返事してくれるよね?


『俺は新しく建造された花将軍の居城にいる。将軍も皇帝も揃っている。あと三日待つから来て欲しい』


なのに、定型文みたいに同じ言葉を言われて

すぐに、テレパシーが切れた。



プツンと、音が聞こえたから

切れたって分かったの。



「今の聞こえた奴は?」

ギルバートさんの問いに手をあげたのは幹部と私だけ。


「ずいぶん……一方的な情報だったな」

「だが、アゲハの声だった」


エドガーの発言に、聞こえなかった人たちが慌てた。


そりゃそうだよね。

私だって、ビックリはしている。


でも、違和感なんだよ。


感情のない言葉で、あんな風にアゲハは喋らない。


それに、一斉に数人にテレパシーって使えるものなの?


「ねぇ、テレパシーって………」


聞こうとした。

気になったから。




だけど、言葉が出てこなくなった。


だって

また頭に声がして、すぐに切れたんだもん。



ただ一言


『助けて』


って、アゲハの声。



本当に辛くて苦しそうな、そんな声だった。



「ん?ソラ、テレパシーがどうした?」


レオンは……聞こえなかったの?



「い、、今の、アゲハの声、、聞こえなかったの?」


私の言葉にレオンは目を見開いた。

レオンには、聞こえていないんだ。



私と同じで、聞こえた人は……

「どうやら、ソラと私が聞こえたようだね……」


エドガーだけだった。




**********




みんなへの説明はエドガーが全て行ってくれた。

エドガーも「助けて」って言ったアゲハの声は本当のアゲハの声だと感じたって。


「なんで俺じゃねぇんだよ……俺は相棒のハズだ。助けを求める相手は俺だろ、俺」

レオンは一人だけめちゃめちゃガッカリしていたから、スーが慰めていた。


「テレパシーって複数の人と使えるの?アゲハくんは最初は五人に、次は二人に話したんでしょ?」

私が聞こうとした疑問は、結局桃華が聞いてくれた。


「できるけど普通使わねーよ。例えば俺がテレパシーでギルバートとレオンに同時に繋がっても、俺対ギルバートの会話はできてもギルバート対レオンは会話ができねぇ」


「あ、つまりスマホ二台持ちして同時に通話してるって感じね。納得した」


桃華と同じような考えに至ったから私も理解できたけど

桃華の説明がゼロさんには分からなかったようで「その例えはヤメロ!」って怒られた。



「それで、どうするの?アゲハの言う通りに三日以内に行く?」

ルーラが話を戻してくれて、途端に緊張が走った。


「どう考えても罠。アゲハくんを利用してレジスタンスを呼んだにすぎない。汚いやり方だ。気に入らない」

ジェスはずいぶんご立腹。


「アゲハを見捨てるなんてありえないから」

ミレイは今すぐに行きそうな雰囲気。


「私は…アゲハさん、助けたい……」

シュナも自分の意見をハッキリと言った。



「間違いなく罠だろう……。が、アゲハをそのままにするつもりはない」

ギルバートさんの言葉に、エドガーがニヤリと笑った。


「私は一人でも迎えに行くつもりだったけど?」


「皆で行けばいい……迎えに行くぞ、仲間を」


アゲハはレジスタンスの仲間なんだから。



迎えに行く


ただ、それだけ。

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