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CASE9 救済者 vs レジスタンス

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「レオン、冗談はそれくらいにしろ」


ボスが口を開けば取り巻きが黙るから


やっぱ雑魚だなって目で見守った。


「まぁ、、真面目に答えてもアゲハは今は普通じゃない。が、アイツはレジスタンスの一員だ。責めは俺たちも負う。そちらの要求は?」


「水不足の解消……だな」


「それは前に俺らがやっただろ?それにアゲハに襲われたのと関係性がねぇだろうが」


「あぁ関係ない……が、以前お前たちが掘った井戸は砂に埋もれた」
 

ボスの話によると

元々あった地下水が枯れて、水不足になった。

その後、レオンたちレジスタンスが井戸を掘って水不足を解消したけど、井戸が砂で埋もれた。


……レジスタンスって人道支援してたの?

ってツッコミもあるけど、何より井戸が砂で埋もれたって何?

どんな管理していたんだよ……。



「つまり、水問題を解決すりゃあアゲハの件は不問にする。それでいいなら手を打つか?」


最終決定権はギルバートさん。


全員の視線が集まる中、ギルバートさんはOKした。


「じゃ、俺らがしばし滞在する手筈とかは頼むぜ?」


「……仕方ない。そこは面倒を見てやるか」


ボスが面倒を見るらしいけど

なんとなく、居心地は悪かった。




**********




翌日、枯れたという地下水を貯めていた貯水池と、砂で埋もれた井戸を見たけど

全く管理されていなかったって雰囲気だった。


貯水池に至ってはほぼ砂で埋もれていたから、枯れたんじゃなくてここも埋もれたんじゃない?



「これはまぁ…ひどいなぁ」

「管理の問題だろ」

「地下水が枯れてるって話も怪しいな」


「それよりも、意識低いこの町がヤバイって」


私の一言にみんなは同意見だったみたい。

ここにも、この世界あるあるの他力本願が現れている気がした。



「に、しても町の状況……派手にやったようで……そうでもないな」

ゼロさんは半壊した町を見てもそんな感想だった。


「アゲハの力じゃ全部更地にできそうだもんなぁ……」

レオンも同じ感想。


って、それよりもさぁ



「アゲハがここまで動ける事の方が、私はビビる」


操られている


それは分かるけど、、、


だけど、アゲハの核は、ほとんど機能していなかった。



「いくつか仮説はある。操られているからこそ、身体が動く。または、核を作ったのは花将軍だから、修復と言うかな?治すことができる。あとは、核を取り換えたか、治療薬が見つかったか……どちらにしても、アゲハが生きているだけでも私は嬉しい話だがな」


エドガーはそう言って、笑った。


エドガーは本心から嬉しいんだと思う。



だけど、慌てて口を押さえて周りを見渡したのは

ヒズィの町の住人に聞かれたらマズイからだろうね。


「言葉には気を付けろ。この町を襲ったのはアゲハなんだから」


「すまない、ギルバート。つい……」


たぶん全員、エドガーと同じ気持ちなんだと思うけどね。


そう思った瞬間


なにか、聞こえた気がした。



キョロキョロと辺りを見回す私だったけど

桃華やルーラは気にした様子もなく話をしている。


……私だけ?



「すまない、少し静かにしてくれないかな?」


そう言ったエドガーの表情は、真剣な顔をしていた。


エドガーだけじゃなくて幹部全員。



聞こえたのは、外からの音じゃなくて……テレパシー?




目を瞑って集中したら


………声が、聞こえた。






『俺は新しく建造された花将軍の居城にいる。将軍も皇帝も揃っている。あと三日待つから来て欲しい』



………それは、アゲハの声だった。
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