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CASE7 急転
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「今すぐ脱出する!ミレイ!ゼロ!!」
レオンが声をあげた時
空から“何か”が降ってきた。
“それ”は武器じゃないし、雨とか空から降る自然のものじゃない。
「………屍兵だ」
涼くんは見たことあるから知ってるんだ。
……なんて、冷静に考えている余裕はなくて。
私が結界を張る余裕もないくらい一気に振ってきたのをかわすのが精一杯。
普通は高いところから落ちたらグチャってなって終わりでしょ?
なのに!屍兵はグチャってなっても生きてて!
身体が全体的にヤバイ感じになっているのに動いてる!
入り口から入ってきたのも同じ屍兵なんだって分かったけど、顔色悪い変な動きの人ってだけじゃないの!?
グチャってなっても動けるなんてホラーだよ!!
一斉に襲いかかってくる屍兵
その攻撃をかわしながらゼロさんかミレイが全員を移動させるのは、無理。
屍兵の数が多すぎて、ギルバートさんがどうなっているかまで気にしている余裕は私にない。
その時
足元の影が大きくなってきたのに気がついて顔をあげた。
ゆっくり降りてくる黒い塊……
それは、大きな鳥……っていうか……
「三つ目の……恐竜?」
蟲と同じで三つ目の生き物。
羽みたいなのをバタバタさせて飛んでいるけど羽って感じじゃなくて。
飛竜っていうの?モンスターをハントするゲームに出てくる空飛ぶ竜にそっくり!
その生き物の背中に人が一人いるのが見えた。
ってかよく見ると鳥?は一羽だけじゃなくてたくさん上空を飛んでいる。
たぶん、アレが屍兵を運んできた……?
「………嘘でしょ?イヴちゃん?」
私の近くで戦っていたスーが上を見上げて呟いた。
イヴちゃんって??
「ボーッとしてんなっ!」
ゼロさんが慌ててスーに駆け寄ったけど、スーは上空を指差して「イヴちゃんがいる」って言った。
スーが指差す先は一番地上に近づいている鳥?の背にいた人。
「……イヴに似てるが……アイツじゃねーよ!」
「絶対にイヴちゃん!あたしが見間違えるワケないっ!!」
スーが叫んだ瞬間
屍兵の動きが止まった。
まるで電池が切れたかのように
剣を振り上げたまま止まった屍もいた。
「今のうちにっ!にげ……」
誰かが言いかけて止まったのは
鳥?が運んできた人があと二人、いたから。
フードを被って顔が見えない長身の人と
隣にはエドガー。
そして、
スーとゼロさんが“イヴ”と呼んだ人は、雪将軍と変わらない…小さな女の子だった。
私たちを見下ろす形で三人がいて
エドガーは、無表情で私たちを見下ろしていた。
逃げようと思えば今でもできるはず。
なのに、全員が動けなかった。
それは、エドガー以外の二人から感じる威圧感のせい。
この二人は……きっと、将軍。
雪将軍とは比べものにならないくらい………存在が、怖い。
きっと、
状況を打破するにはアゲハに来てもらうしかないって思った。
貰ったネックレスのトップをグッと握った。
テレパシーを使ってもアゲハは応えてくれなかったから
きっと、誰かから話は聞いているって信じてる。
「……間違い、ないか?」
エドガーの隣にいた長身の人が声を発した。
低い声だから……男の人。
「あぁ、間違いない。ゼロとステファニー。このイヴを可愛がってくれた……どちらも強い人間だ」
口調が妙に偉そうな、不思議な女の子。
だけど……どっちも、威圧感が半端ない。
「久しいな、ゼロ・ステファニー。元気そうで何よりだ」
話し掛けられた二人は互いに顔を見合わせてから手に武器を持った。
「イヴちゃんも……って言いたいところだけど、、、あんたは誰だっ!!」
「イヴと最後に会ったのは10年以上前……。なのにあの頃と姿形が変わらないなんてありえねーだろっ!!」
………10年以上前から変わってない!?
その発言に驚いたのは私たちだけじゃなくて
エドガーも、目を見開いていた。
レオンが声をあげた時
空から“何か”が降ってきた。
“それ”は武器じゃないし、雨とか空から降る自然のものじゃない。
「………屍兵だ」
涼くんは見たことあるから知ってるんだ。
……なんて、冷静に考えている余裕はなくて。
私が結界を張る余裕もないくらい一気に振ってきたのをかわすのが精一杯。
普通は高いところから落ちたらグチャってなって終わりでしょ?
なのに!屍兵はグチャってなっても生きてて!
身体が全体的にヤバイ感じになっているのに動いてる!
入り口から入ってきたのも同じ屍兵なんだって分かったけど、顔色悪い変な動きの人ってだけじゃないの!?
グチャってなっても動けるなんてホラーだよ!!
一斉に襲いかかってくる屍兵
その攻撃をかわしながらゼロさんかミレイが全員を移動させるのは、無理。
屍兵の数が多すぎて、ギルバートさんがどうなっているかまで気にしている余裕は私にない。
その時
足元の影が大きくなってきたのに気がついて顔をあげた。
ゆっくり降りてくる黒い塊……
それは、大きな鳥……っていうか……
「三つ目の……恐竜?」
蟲と同じで三つ目の生き物。
羽みたいなのをバタバタさせて飛んでいるけど羽って感じじゃなくて。
飛竜っていうの?モンスターをハントするゲームに出てくる空飛ぶ竜にそっくり!
その生き物の背中に人が一人いるのが見えた。
ってかよく見ると鳥?は一羽だけじゃなくてたくさん上空を飛んでいる。
たぶん、アレが屍兵を運んできた……?
「………嘘でしょ?イヴちゃん?」
私の近くで戦っていたスーが上を見上げて呟いた。
イヴちゃんって??
「ボーッとしてんなっ!」
ゼロさんが慌ててスーに駆け寄ったけど、スーは上空を指差して「イヴちゃんがいる」って言った。
スーが指差す先は一番地上に近づいている鳥?の背にいた人。
「……イヴに似てるが……アイツじゃねーよ!」
「絶対にイヴちゃん!あたしが見間違えるワケないっ!!」
スーが叫んだ瞬間
屍兵の動きが止まった。
まるで電池が切れたかのように
剣を振り上げたまま止まった屍もいた。
「今のうちにっ!にげ……」
誰かが言いかけて止まったのは
鳥?が運んできた人があと二人、いたから。
フードを被って顔が見えない長身の人と
隣にはエドガー。
そして、
スーとゼロさんが“イヴ”と呼んだ人は、雪将軍と変わらない…小さな女の子だった。
私たちを見下ろす形で三人がいて
エドガーは、無表情で私たちを見下ろしていた。
逃げようと思えば今でもできるはず。
なのに、全員が動けなかった。
それは、エドガー以外の二人から感じる威圧感のせい。
この二人は……きっと、将軍。
雪将軍とは比べものにならないくらい………存在が、怖い。
きっと、
状況を打破するにはアゲハに来てもらうしかないって思った。
貰ったネックレスのトップをグッと握った。
テレパシーを使ってもアゲハは応えてくれなかったから
きっと、誰かから話は聞いているって信じてる。
「……間違い、ないか?」
エドガーの隣にいた長身の人が声を発した。
低い声だから……男の人。
「あぁ、間違いない。ゼロとステファニー。このイヴを可愛がってくれた……どちらも強い人間だ」
口調が妙に偉そうな、不思議な女の子。
だけど……どっちも、威圧感が半端ない。
「久しいな、ゼロ・ステファニー。元気そうで何よりだ」
話し掛けられた二人は互いに顔を見合わせてから手に武器を持った。
「イヴちゃんも……って言いたいところだけど、、、あんたは誰だっ!!」
「イヴと最後に会ったのは10年以上前……。なのにあの頃と姿形が変わらないなんてありえねーだろっ!!」
………10年以上前から変わってない!?
その発言に驚いたのは私たちだけじゃなくて
エドガーも、目を見開いていた。
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