124 / 342
CASE7 急転
7
しおりを挟む
「止めるか?」
「いや……アゲハが『何があっても止めるな』ってさ」
「そうか、、リョウは本気だろうがアゲハはまだテレパシー使えるほど余裕があるのか」
ギルバートさんとレオンの会話に、ゼロさんが舌打ちした。
「アイツの戦い方はスーと同じ。戦いをなめすぎだろ。……だからリョウが勝ってあの奴隷を幹部から引きずり落としてもらいたい」
「リョウが勝ってもアゲハの立場は変わらねぇよ?」
レオンの言葉に更に苛ついた様子のゼロさん。
幹部たちがそんな会話をしている中でも続く涼くんとアゲハの戦い。
打ち合いとか模擬戦とか、そんなレベルじゃない戦いを繰り広げていて
アゲハの表情から、次第に余裕の色は消えてきた。
そして、二人の攻防が激化するにつれて幹部たちは声を発しなくなったし
少し離れた場所にいる私たちのところにすら、魔法の余波が届いてきていた。
あまりに強い風や広範囲に放出された電撃の場合は私が結界を張った。
アゲハは魔法を使う時はだいたい武器を消す。
だけど、涼くんは武器を出したまま魔法を使う。
たぶん、涼くんの方が精神的に疲れると思う。
シンクロの精度も早くに落ちるだろうけど
だけど、いつ魔法を使うかが分からない。
そして、それは一瞬の出来事だった。
アゲハが斬りかかろうとした瞬間、電流がアゲハの左頬をかすめた。
電流を避けたアゲハが少し体勢を崩した瞬間、涼くんが剣を振り下ろした。
避けようとしたアゲハの左腕をザックリと斬って
その瞬間、アゲハの手から武器が消えた。
「ソラ!結界を解けっ!!」
レオンの大声で結界を解いたらすぐにギルバートさんとゼロさんとレオンが飛び出した。
私は行こうと思ったけど、何故か足が動かなくて
次の瞬間、涼くんの手がアゲハの左胸を触れて、眩しいくらいの電撃を見た。
人の、心臓に……
アゲハの心臓に………電気が流れた、、、
「あぁ゛ぁぁ゛あッ!!!!」
聞いたことがない、アゲハの叫び声と
周りを切り裂く風を出した。
咄嗟に出たような、力の加減を一切していないアゲハの魔法。
涼くんは飛び退いたけど傷だらけになって
ギルバートさんたちはレオンが自分達の前方に大量の樹木を出して防いでいた。
「……来るなッ!!まだっ、終わってないッ!!!」
アゲハが叫んで今までとは比べものにならない速度で涼くんに向かっていった。
風の魔法…風で背中を押したから動きが早いんだ。
アゲハの速度に涼くんは対応できなくて、アゲハと同じように左腕を斬られた。
そして、、投げた大鎌は涼くんの目の前に刺さった。
「終わり……俺の勝ちだね。………涼はもう、シンクロが使えない、、、」
「………そうだな。配分を間違えた」
涼くんが負けを認めた瞬間、アゲハが膝をついた。
………さっきの涼くんの攻撃。
さっき、心臓に、モロに食らった。
アゲハは新人類になって、身体の弱さはカバーできている。
だから、走ることも、戦うこともできる。
核はもうひとつの心臓。
だけど、元々の心臓が止まれば……核があったって死ぬ。
生きるためには心臓が動いているのが大前提なんだから。
でも、その心臓が、アゲハは生まれつき悪い。
アゲハの身体の中は、誰よりも、弱い。
涼くんはそれを理解して、、狙ったの?
どうしよう……どうしよう!!
私は、どうしたらいい?
みんなが慌ててアゲハたちがいる方に向かう中、私だけ動けなかった。
「いや……アゲハが『何があっても止めるな』ってさ」
「そうか、、リョウは本気だろうがアゲハはまだテレパシー使えるほど余裕があるのか」
ギルバートさんとレオンの会話に、ゼロさんが舌打ちした。
「アイツの戦い方はスーと同じ。戦いをなめすぎだろ。……だからリョウが勝ってあの奴隷を幹部から引きずり落としてもらいたい」
「リョウが勝ってもアゲハの立場は変わらねぇよ?」
レオンの言葉に更に苛ついた様子のゼロさん。
幹部たちがそんな会話をしている中でも続く涼くんとアゲハの戦い。
打ち合いとか模擬戦とか、そんなレベルじゃない戦いを繰り広げていて
アゲハの表情から、次第に余裕の色は消えてきた。
そして、二人の攻防が激化するにつれて幹部たちは声を発しなくなったし
少し離れた場所にいる私たちのところにすら、魔法の余波が届いてきていた。
あまりに強い風や広範囲に放出された電撃の場合は私が結界を張った。
アゲハは魔法を使う時はだいたい武器を消す。
だけど、涼くんは武器を出したまま魔法を使う。
たぶん、涼くんの方が精神的に疲れると思う。
シンクロの精度も早くに落ちるだろうけど
だけど、いつ魔法を使うかが分からない。
そして、それは一瞬の出来事だった。
アゲハが斬りかかろうとした瞬間、電流がアゲハの左頬をかすめた。
電流を避けたアゲハが少し体勢を崩した瞬間、涼くんが剣を振り下ろした。
避けようとしたアゲハの左腕をザックリと斬って
その瞬間、アゲハの手から武器が消えた。
「ソラ!結界を解けっ!!」
レオンの大声で結界を解いたらすぐにギルバートさんとゼロさんとレオンが飛び出した。
私は行こうと思ったけど、何故か足が動かなくて
次の瞬間、涼くんの手がアゲハの左胸を触れて、眩しいくらいの電撃を見た。
人の、心臓に……
アゲハの心臓に………電気が流れた、、、
「あぁ゛ぁぁ゛あッ!!!!」
聞いたことがない、アゲハの叫び声と
周りを切り裂く風を出した。
咄嗟に出たような、力の加減を一切していないアゲハの魔法。
涼くんは飛び退いたけど傷だらけになって
ギルバートさんたちはレオンが自分達の前方に大量の樹木を出して防いでいた。
「……来るなッ!!まだっ、終わってないッ!!!」
アゲハが叫んで今までとは比べものにならない速度で涼くんに向かっていった。
風の魔法…風で背中を押したから動きが早いんだ。
アゲハの速度に涼くんは対応できなくて、アゲハと同じように左腕を斬られた。
そして、、投げた大鎌は涼くんの目の前に刺さった。
「終わり……俺の勝ちだね。………涼はもう、シンクロが使えない、、、」
「………そうだな。配分を間違えた」
涼くんが負けを認めた瞬間、アゲハが膝をついた。
………さっきの涼くんの攻撃。
さっき、心臓に、モロに食らった。
アゲハは新人類になって、身体の弱さはカバーできている。
だから、走ることも、戦うこともできる。
核はもうひとつの心臓。
だけど、元々の心臓が止まれば……核があったって死ぬ。
生きるためには心臓が動いているのが大前提なんだから。
でも、その心臓が、アゲハは生まれつき悪い。
アゲハの身体の中は、誰よりも、弱い。
涼くんはそれを理解して、、狙ったの?
どうしよう……どうしよう!!
私は、どうしたらいい?
みんなが慌ててアゲハたちがいる方に向かう中、私だけ動けなかった。
0
お気に入りに追加
21
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
愚かな父にサヨナラと《完結》
アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」
父の言葉は最後の一線を越えてしまった。
その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・
悲劇の本当の始まりはもっと昔から。
言えることはただひとつ
私の幸せに貴方はいりません
✈他社にも同時公開
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめることにしました
結城芙由奈
恋愛
【余命半年―未練を残さず生きようと決めた。】
私には血の繋がらない父と母に妹、そして婚約者がいる。しかしあの人達は私の存在を無視し、空気の様に扱う。唯一の希望であるはずの婚約者も愛らしい妹と恋愛関係にあった。皆に気に入られる為に努力し続けたが、誰も私を気に掛けてはくれない。そんな時、突然下された余命宣告。全てを諦めた私は穏やかな死を迎える為に、家族と婚約者に執着するのをやめる事にした―。
2021年9月26日:小説部門、HOTランキング部門1位になりました。ありがとうございます
*「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
※2023年8月 書籍化
《勘違い》で婚約破棄された令嬢は失意のうちに自殺しました。
友坂 悠
ファンタジー
「婚約を考え直そう」
貴族院の卒業パーティーの会場で、婚約者フリードよりそう告げられたエルザ。
「それは、婚約を破棄されるとそういうことなのでしょうか?」
耳を疑いそう聞き返すも、
「君も、その方が良いのだろう?」
苦虫を噛み潰すように、そう吐き出すフリードに。
全てに絶望し、失意のうちに自死を選ぶエルザ。
絶景と評判の観光地でありながら、自殺の名所としても知られる断崖絶壁から飛び降りた彼女。
だったのですが。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる