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CASE7 急転
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アゲハのしている話をミドさんたちに聞かせているのは
アゲハなりの誠意なのかな?
レジスタンスに協力してくれている人には秘密にするつもりはない的な?
「と、いう訳だから俺は今日からここじゃなくて支援のために昨日行った町に行ったり、エナメで生活したり、ギルたちとの合流場所のサティの町にも行く。行きたくても俺一人じゃ無理だからゼロと一緒にね。そういう事で別行動増えるけどよろしくね?」
「よろしくって……私もできる事は手伝うよ?」
私の言葉を待っていたかのようにアゲハがニッコリと笑った。
………ちょっと、嫌な予感。
「空とジェスとスーで仲良く魔法を極めてよ。それが一番の助けになる」
やっぱり、そうなりますか……。
「俺はもうしばらくはここに戻らないけど、スーは全快するまでここにいてね?」
「りょうかーい!アゲくんサティの町で会おうねーっ!!」
「うん、会おうね。って言っても今はまだ行かないけどね?ニャン様にも話しなきゃだし」
スーが場を和ませてくれたからホッとした。
ミドさんとレオナさんは話が終わったのを察して部屋を出ていって
部屋を出ていくまで笑顔で見送ったアゲハは、部屋のドアが閉まった瞬間に両手で頭を抱えた。
「きっつい……なぁ………」
小さな声でそう呟いて、深いため息を吐いていた。
「大丈夫……大丈夫だよ、」
自然と、私の手はアゲハの頭を撫でていた。
「アゲハの気持ちは、分かっているよ」
「……うん」
「次は私も言い返そうか?」
「……いい。問題が大きくなる」
「なにそれ?喧嘩するとか思った訳?」
「俺が悪く言われるとすぐに喧嘩腰になる人が、これ以上増えたら困る」
そう言って笑ったから、大丈夫かな?
頭を思いっきりわしゃわしゃと撫でてからゼロさんを見た。
「ゼロさんってアゲハの事、大好きなんだって再確認しました」
「はぁ!?なんだよソレ!!俺がいつ、コイツを好きだと言った!!?」
ゼロさんはちょっとキレ気味に言ったけど、スーが「アゲくんとゼロくんの関係に妬けちゃうーっ!」って言うから怒りの矛先がスーに向いた。
二人が言い合っているのを、ジェスさんは呆れた様子で見守っていて、アゲハも楽しそうに見ていた。
「元気でた。ありがとう」
「いえいえ」
アゲハの手は、もう震えてはいなかった。
**********
それから、3日後
スーが全快したからサティの町へ移動した。
レジスタンスが使っている家はエドガーの家より小さくて、町中に普通にある家だった。
村じゃないだけあって、建物も人も多いけど、日本みたいなビルとかアスファルトの地面はなかった。
家の中は普通だったけど、ベッドがとにかく多くて、いかにも隠れ家ですって雰囲気。
そして、やっぱり地下に広がる空間があって、そこで日々鍛練しろって言われちゃった。
ここでの日々は穏やかに過ぎていって、楽しかった。
アゲハもよくここに帰ってきたけど、、、たまに酔って帰ってきては人のベッドに入り込んで寝ている事が多々あった。
私だけ?って最初は思ったけど、翌日にはゼロさんと一緒に寝ていたから誰でも良かったみたい。
「ちょっと酔ってただけだよ、ごめんって」
「いやいや、自分のベッドが分からなくなるなんて飲み過ぎでしょ?」
人のベッドで寝た翌日は必ず二日酔い。
二日酔いの薬は自分で作れるから平気だとか言うけど、、、それだけお酒を飲む理由は話してくれなかった。
「昨日ね、バーでマスターに聞いたんだけど……前にゼロが言ってた“鳥みたいな生き物”がエナメ近郊に出たって。近いからアイリーンさんにも気を付けるように伝えておいたけど、ここもエナメに近いと言えば近いから気を付けてね?」
二日酔いの薬を飲みながらアゲハがそう言った。
エナメとサティの町の距離感、全然分かんないや。
「エナメは近いの?」
「うーん、歩いてだと3日かな?」
「遠いよ、ソレ」
だけど、この世界では近い方なんだとか……。
車とか電車のない世界なのが、本当に不便だと実感した。
「鳥みたいなヤツ見た人がいたのか?」
「みたいだよ。人が足に捕まれてさらわれたって……蟲以下獣以上の大きさかな?予想だけど。で、確実に新人類の失敗作だね」
鳥の足に人が捕まれた!?
それ、鳥ってより飛べる恐竜とか……そっちのが近くない!?
冷静に会話をしているアゲハとゼロさんに、ついていけないよ。
「鳥……かな?呼び方は」
「鳥だよ鳥!」
アゲハとスーはすっかり呼び方の話になっているけどさ
そんな怪しい鳥なら、呼び方はこれでしょ?
「怪しい鳥、略して怪鳥」
私の命名で、勝手に見たこともない生き物の呼び方を決めた。
そんな感じで、日々を過ごして
サティの町に来て20日目
ギルバートさんたちがサティの町に到着した。
アゲハなりの誠意なのかな?
レジスタンスに協力してくれている人には秘密にするつもりはない的な?
「と、いう訳だから俺は今日からここじゃなくて支援のために昨日行った町に行ったり、エナメで生活したり、ギルたちとの合流場所のサティの町にも行く。行きたくても俺一人じゃ無理だからゼロと一緒にね。そういう事で別行動増えるけどよろしくね?」
「よろしくって……私もできる事は手伝うよ?」
私の言葉を待っていたかのようにアゲハがニッコリと笑った。
………ちょっと、嫌な予感。
「空とジェスとスーで仲良く魔法を極めてよ。それが一番の助けになる」
やっぱり、そうなりますか……。
「俺はもうしばらくはここに戻らないけど、スーは全快するまでここにいてね?」
「りょうかーい!アゲくんサティの町で会おうねーっ!!」
「うん、会おうね。って言っても今はまだ行かないけどね?ニャン様にも話しなきゃだし」
スーが場を和ませてくれたからホッとした。
ミドさんとレオナさんは話が終わったのを察して部屋を出ていって
部屋を出ていくまで笑顔で見送ったアゲハは、部屋のドアが閉まった瞬間に両手で頭を抱えた。
「きっつい……なぁ………」
小さな声でそう呟いて、深いため息を吐いていた。
「大丈夫……大丈夫だよ、」
自然と、私の手はアゲハの頭を撫でていた。
「アゲハの気持ちは、分かっているよ」
「……うん」
「次は私も言い返そうか?」
「……いい。問題が大きくなる」
「なにそれ?喧嘩するとか思った訳?」
「俺が悪く言われるとすぐに喧嘩腰になる人が、これ以上増えたら困る」
そう言って笑ったから、大丈夫かな?
頭を思いっきりわしゃわしゃと撫でてからゼロさんを見た。
「ゼロさんってアゲハの事、大好きなんだって再確認しました」
「はぁ!?なんだよソレ!!俺がいつ、コイツを好きだと言った!!?」
ゼロさんはちょっとキレ気味に言ったけど、スーが「アゲくんとゼロくんの関係に妬けちゃうーっ!」って言うから怒りの矛先がスーに向いた。
二人が言い合っているのを、ジェスさんは呆れた様子で見守っていて、アゲハも楽しそうに見ていた。
「元気でた。ありがとう」
「いえいえ」
アゲハの手は、もう震えてはいなかった。
**********
それから、3日後
スーが全快したからサティの町へ移動した。
レジスタンスが使っている家はエドガーの家より小さくて、町中に普通にある家だった。
村じゃないだけあって、建物も人も多いけど、日本みたいなビルとかアスファルトの地面はなかった。
家の中は普通だったけど、ベッドがとにかく多くて、いかにも隠れ家ですって雰囲気。
そして、やっぱり地下に広がる空間があって、そこで日々鍛練しろって言われちゃった。
ここでの日々は穏やかに過ぎていって、楽しかった。
アゲハもよくここに帰ってきたけど、、、たまに酔って帰ってきては人のベッドに入り込んで寝ている事が多々あった。
私だけ?って最初は思ったけど、翌日にはゼロさんと一緒に寝ていたから誰でも良かったみたい。
「ちょっと酔ってただけだよ、ごめんって」
「いやいや、自分のベッドが分からなくなるなんて飲み過ぎでしょ?」
人のベッドで寝た翌日は必ず二日酔い。
二日酔いの薬は自分で作れるから平気だとか言うけど、、、それだけお酒を飲む理由は話してくれなかった。
「昨日ね、バーでマスターに聞いたんだけど……前にゼロが言ってた“鳥みたいな生き物”がエナメ近郊に出たって。近いからアイリーンさんにも気を付けるように伝えておいたけど、ここもエナメに近いと言えば近いから気を付けてね?」
二日酔いの薬を飲みながらアゲハがそう言った。
エナメとサティの町の距離感、全然分かんないや。
「エナメは近いの?」
「うーん、歩いてだと3日かな?」
「遠いよ、ソレ」
だけど、この世界では近い方なんだとか……。
車とか電車のない世界なのが、本当に不便だと実感した。
「鳥みたいなヤツ見た人がいたのか?」
「みたいだよ。人が足に捕まれてさらわれたって……蟲以下獣以上の大きさかな?予想だけど。で、確実に新人類の失敗作だね」
鳥の足に人が捕まれた!?
それ、鳥ってより飛べる恐竜とか……そっちのが近くない!?
冷静に会話をしているアゲハとゼロさんに、ついていけないよ。
「鳥……かな?呼び方は」
「鳥だよ鳥!」
アゲハとスーはすっかり呼び方の話になっているけどさ
そんな怪しい鳥なら、呼び方はこれでしょ?
「怪しい鳥、略して怪鳥」
私の命名で、勝手に見たこともない生き物の呼び方を決めた。
そんな感じで、日々を過ごして
サティの町に来て20日目
ギルバートさんたちがサティの町に到着した。
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