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CASE7 急転

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「雪将軍の所へは、こことの繋がりを知る前からレジスタンスの仲間の一人が潜入していました。元花将軍の奴隷で雪将軍に譲り渡された奴隷だった男です。彼の人柄が気に入った雪将軍は、彼と対等な関係になるために奴隷から解放して友人の一人として接するようになりました」


その元奴隷がミオ。

そう言えば前にランさんに『レジスタンスには元奴隷が多い』ってアゲハが言ったけど……そういう事だったんだね。


アゲハ・ミレイ・ミオ・ジェスさん


15人くらいしかいないレジスタンスに4人も元奴隷がいたら確かに多い。



「しかし彼は奴隷だった時を許すことはできず、レジスタンスに入りました。雪将軍の友人のフリをしながら情報を流す存在です。そこで、レジスタンスは雪将軍がまだ子供である事を知った……。だから、殺す必要はない、考えを改めてもらえたら…と、考えて、彼を使って雪将軍を説得しようと試みました」


「…………でも、駄目だと判断したの、、ね?」


レオナさんの言葉にアゲハとゼロさんが頷いた。


「時間が経つにつれて酷くなる奴隷への行為の数々………俺が大怪我を負ってレオンにここに連れてこられた時、俺とレオンたちで雪将軍の奴隷解放をしていました。雪将軍の不在を狙っての施設の破壊。ミレイはそこにいた元奴隷。彼女がどんな扱いを受けてきていたか…レオナさんなら知ってますよね?」


私はミレイの奴隷時代の話は知らない。

だけどひとつだけ、ミレイの言葉の意味が分かった。


巡り巡って私がミレイを助けたって話


アゲハの自我を取り戻したのは私だから言った言葉なんだろうね。

花将軍の奴隷のままだったら、レジスタンスにアゲハはいないからね。



「知っている……ひどい話だとも、思う……」


レオナさんはそう言って額に手をあてた。



「ミレイは生きていたけど、あの施設には死んだ人間もたくさんいました。死体を埋葬もせず奴隷と同じ空間で生活をさせていました……奴隷を殺し合わせて楽しんだり凌辱したり惨殺したり…その為だけに存在するのが雪将軍の奴隷です。このまま、雪将軍を放っておけば苦しむ人が増えるばかり……それを分かっていて何もしない訳にはいきません」


そこまで話してから、アゲハが再び頭を下げた。


「破壊者でも救済者でもない立場として、双方のいない世界を求めて戦う事を選んだのがレジスタンスです。どうか、そこは理解してください」


ずっと頭を下げていたアゲハに

言葉を発したのはミドさんだった。



「………コユキはいい子だった。きっと洗脳されたんだ!洗脳した救済者が悪い!コユキは無罪だっ!!」


ミドさんは信じられないのかな?

雪将軍が変わってしまったこと。



その時

チッてゼロさんが舌打ちして、テーブルをドンと叩いた。


「俺たちはコユキという一人の人間よりそいつが持つ多数の奴隷にされた人間を選んだんだ!!洗脳されてたら無罪なら、コイツを責める権利はお前にはねーよ!!」


ゼロさんの言う通り……だね。



でも、雪将軍が洗脳されていたなら?


アゲハみたいに自我を取り戻す可能性は?


雪将軍が洗脳されていない可能性は、0じゃない。



「ゼロ、ありがとう。でも、俺のことはいいよ……。事実は事実としてあるんだから……。雪将軍は数えきれないくらいの人を奴隷にして殺した。罪は償うべきだ」


頭を上げたアゲハの表情はどこか寂しそうで、でも何か決意しているような表情だった。


「俺も含めて……レジスタンス全員が、人を殺めた罪は、、償わないといけないね」


そう言ってアゲハはスーもジェスさん、そして私の顔を順番に見た。


「当然でしょ?その覚悟はある」

「その前に死ぬ可能性もあるけどね」


スーもジェスさんは当然だという態度だったけど、私は何も言えなくて俯いてしまった。


私、確かに新人類を殺した。

新人類は人間なんだから……人殺し、しちゃってるんだよ、すでに


だから、私も…………


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