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CASE6 新人類開発施設

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「えっと、、聞いてもいい?」


「…………………なんだ?」


返事してくれるまでまぁまぁ間があったのが気になるけど黙っておこう。



「買い物……町は近いんですか?」


「すぐそこ。俺たちの拠点にしてる家は、栄えた場所からちょっと離れただけだ」


やっぱりレジスタンスだから身を隠してる的なヤツかな?


チラッとゼロさんが私を見て立ち止まった。



「お前さぁ、耳はあるか?」

耳?

付け耳かな?


「あっ!付けなきゃマズイか!」


町に出て変に目立つのはマズイね。


この世界の人の耳は見慣れたけど、付け耳を使った場面がないから使う習慣がなくて


慌てて耳を付けたけど、なんか違和感。



「アイツもだけど…異界人って自覚は少々持てよ。アイツも今付け耳してないから元奴隷達が変な顔して見てるっていうのに、、、」


ゼロさんはなんだかんだ言っても優しいよね。

結局それって、私とアゲハを心配してくれてるんだもんね。



「ゼロさんっていい人だね」


「は!?…いきなりなんだ?頭、平気か??」


言葉は相変わらず、悪いけどね。




ゼロさんが言う通り、少し歩いたら町に出た。

人は多いし活気がある。


はじめて見た。こんなに栄えた町を。


「凄いね!人多い!!」


「当たり前だろ?町なんだから………お前、田舎者?」


「違うよ!この世界に来てからこんな町ははじめてなの!」


周りを見渡すとお店がズラーッと並んでた。

私たちの世界と違うのは、地面がコンクリートじゃないことと、ビルがないこと。

お店は商店街っぽくってショッピングセンターらしい建物はない。


ちょっと昔の日本みたいな?

現代の日本っぽさはなかったけど、栄えた町はテンション上がる。



「行く店はもう決まってる。こっちだ」


感動してる私を無視して、ゼロさんがスタスタ歩き出すから慌てて後を追いかけた。


ゼロさんが最初に向かった先は靴屋さん。



「アラ!久しぶり!今日は見慣れない人と一緒なのね?」


店員のお姉さんと顔見知りっぽいゼロさん。


「ドモ。こいつも仲間。適当に靴欲しいんだけど。まとめて大量に」


「分かったわ。でも適当にって……ちょっとは選んでよね」


お姉さんは文句を言いながらも店内の靴をいくつか選んでいた。


「この店はレジスタンス派だから心配すんな。俺とギルバートはここでしか靴は買わねぇ」


「え?派閥ってかそういうのあるんだ……」


ニャンさんたちみたいな協力者は色んな場所にいるんだね。



「たぶんアイツはそういうのを教えたかったんだろうよ。協力者は知ってた方がいいからな」


アゲハって色々考えているんだなって感心した。


確かに、買い物も反レジスタンスの店じゃバレた時に気まずいよね。




「ゼロさん、知ってる?最近蟲でも獣でもない生物が現れたらしい噂」


お姉さんが靴の箱を積み上げながら話した内容

蟲でも獣でもない………って?



「新人類の失敗作のひとつなのか?」


「分かんない。鳥みたいな形だけどかなり大きいみたい」


「人ベースだからでかいのか?……どちらにしても物騒だな」



ゼロさん見てて分かったけど、こうやって外部からの情報を得るんだね。


ちゃちゃっと会計をして荷物は魔法でパッと送り届けてた。


ゼロさんいると荷物運びが楽でいいね。



いくつかお店を回ったけど、ゼロさんは『なんでもいい』と『適当に』ばかりだから、さすがに少しは私も選んだりした。


「さて、帰るか」


そう言ってすぐに魔法で元の場所に戻れるから


「ゼロさんマジ便利だねっ!!」



私の言葉に、目の前にいたジェスさんは笑っていた。


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