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CASE6 新人類開発施設

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「お話はこれくらいにして早く寝なよ?」


そう言ったアゲハは隣からいなくなろうとはしないから、、、

やっぱり一人は、怖いんでしょ?


「アゲハも寝るなら私も寝る。ちゃんと毛布被って目を閉じたら眠れるよ」

「分かったよ。空もゆっくり脳を休ませた方がいいから寝てもらわないと困るしね」


一応、私も休んだ方がいいのか…。

確かにまだ、頭痛いんだよね。



隣でちゃんとアゲハが布団の中に入ったのを確認してから目を閉じた。


「………本当はさ、結構不安なんだ、、、今の自分。本当に俺なのかって、、、花将軍にまだ操られたままじゃないかって思うから……今日みたいにテレパシーで会話すると不安が倍増する」


小さい声で言ったのは、アゲハの泣き言

ゼロさんたちが荒れるって言った理由

その理由はこの話に繋がるのかもしれない。


「大丈夫だよ。アゲハは変わらないよ。小さい頃から知ってる私が言うんだから間違いない」


でもね、、、

本当はね。


元気なのも上に立つ存在になった姿も

全部、知らない姿だから、、、


だから、アゲハは変わったよ。


でも、根底にある優しさは変わらないから。

だから、変わらないって、言い続けるよ。



「空に言われると安心するね。やっぱりこの世界でも空におんぶにだっこな状態だね」

「そう?この世界じゃ私は非力だよ」

「………非力じゃないでしょ。新人類開発施設を壊したのは空だよ」

「え?」


私、最後はスーの一撃K.O.だったじゃん。

私がそんなヤバイことした??


「明日全部説明するよ………本当に眠くなってきたかも」

ちょっと声が眠そうになったから、本当に寝てくれる気がした。

私は逆に、今の話で目が覚めそうだけどね。


布団の中で手を伸ばしてアゲハと手を繋いだ。

「じゃあ、おやすみ」

「うん、おやすみ空」



しばらくしてから隣から寝息が聞こえてきたけど、私は寝れる気がしなくて。


眠れたのは、たぶん朝が近づいた頃。





**********





うるさくって起きたらなんか大変な状況になっていた。


めっちゃキレ気味な二人組と「すみません」って謝りまくるアゲハ。


二人組はここの住人のシュンさんとルーダさんで、アゲハをめちゃめちゃ嫌ってる人。


「あ、おはよう。起こした?」

「いや……まぁ、、、最悪な目覚めって感じ」


だって、空気悪すぎだもん。


シュンさんとルーダさんはアゲハを怖がって一定の距離を保ちながら話すから絵的に変な感じだし。



「あー………この状況?」

「うん、、、あ!一緒に寝てただろ?的な??」


シュンさんの方を向いたら思いっきり頷かれた。

まぁー………良くないよね。普通は。



「アレだよ。アレ!私たちがいた世界では兄弟分が一緒に寝るのは普通なの。私たちって兄弟分って感じだからさ。私がこっちの世界に慣れないですみません、、、」

さらっと言った私の嘘。

アレコレ言い訳を言うよりも話作る方が早いかなってね。



「えっ!?異界では普通!?」

「異界ってそんな世界なのか!?」


「うん、そう。兄弟分だからね!」



「マジか…」って呟くシュンさんたちに罪悪感。

適当な嘘ついてごめんね?


アゲハには厳しい目で見られたけど、追求はされなかった。



「………俺、スーの様子見てからギルに連絡入れて、、、また、花将軍の城まで行くけど空も行く?」

「また!?何で!?」

「色々とね。ゼロとジェスも行くけど空は?」

「うん、行く」


そこは、即答。

何やるのかとか気になるし。



私の反応が面白かったのか分からないけど、アゲハは声をあげて笑った。

シュンさんたちはそんな姿に後ずさりしていたけど、アゲハは気にしていなかった。


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