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CASE6 新人類開発施設

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「こういう時、アゲくん可哀相。シンクロ切れないから一方的に話されまくりでしょ?」

「テレパシーを遮断できないほど力を消耗したって事?アゲハくん…何事にも全力で美しいな」

「……荒れるな。確実に」


三人は理解してるみたいな状況だし、ジェスさんの話からテレパシーは遮断できるという便利な話も知れた。



「奴隷は解放した。奴隷に戻りたいと願う人は許してあげたら?俺がそう言ってるんだから…」


アゲハを知っててアゲハが話したくない相手

しかもアゲハがお願い(?)をしたら聞いてくれそうな相手って………一人しかいないじゃん。


相手、花将軍でしょ?



「俺は奴隷には戻らない!もう話し掛けるな!鬱陶しい!!」


そう叫んだアゲハの真横から、土の山が空高くつき出してきた。

………相当、荒れてない?



「あーっ!うるさい、うるさい!!ゼロ!俺を思いっきり殴ってよ!耐えらんない!!」


「………任せろ。得意だ」


指をバキバキ鳴らしながらアゲハに近づくゼロさん。


次の瞬間、思いっきりみぞおちの辺りを殴って、アゲハの身体は地面に落ちそうになった。



「一発で決まったな、、さすが俺」


自画自賛してるゼロさんの腕の中で気を失っているアゲハ。



えーっと?

気を失えばテレパシーはできない。

新人類は常にシンクロ状態だから、テレパシーを切ることもできない。

だから、気を失うしか方法はない……と?



たぶんこのやり方、はじめてじゃないんだろうな、、、


って、アゲハとゼロさんのやり取りから感じた。





驚いたのは、すぐにアゲハが目を覚ました事。


「ありがとう…………。はぁー、終わった」


アゲハはしゃがんで頭を抱えていた。



「で?花将軍は何て言ってた?」



ゼロさんの言葉に、私たち以外はざわついていた。


自分たちの主?が、レジスタンスの一人と繋がってるとか信じられないよね。



「戻ってくる奴隷は迎え入れるってさ……………俺の願いなら何でも叶えるから戻って来いとも言われた」

「相変わらずのお前への執着がヤバイな」


ゼロさんが呆れていたけど、アゲハからしたら迷惑極まりない話だね。



「な、なんで、、アンタに、花将軍、様が?し、、しかも、、戻りたければ……受け入れる?」


一人の人がおずおずと尋ねてきた。

アゲハは奴隷だった人たちの前で人々の顔を見てから静かに口を開いた。


「俺は花将軍の元奴隷、、異界人の新人類。。。だから、あの女はいまだに俺に執着してる………俺が『許してあげたら?』って言ったらあっさりと『許す』って言った。あの女は今の俺とは対等に話すからね……………次期将軍候補だってさ、、俺が」


待って?

何言ってるの??



「いやいや、アゲハはレジスタンスでしょ?次期将軍候補とか意味わかんない」


「……ね。俺もそう思う。絶対に、死んでもなりたくないのに、、あの女はそう決めているらしい、、、次に会えば再調整かけられる予感しかないよ」


そう言ったアゲハは本当に疲れた様子だった。



「みんなは自由だ。好きに生きればいい。花将軍の下に戻るのも、元の生活に戻るのも、自分で決めたらいいよ。花将軍の下に戻らない人は俺に連絡をすれば力を貸す」


連絡……ってテレパシーだろうけど、、、


全くメカニズムが分からないよ。



「さぁ帰ろう」


アゲハの言葉の後すぐに

辺りが眩しく光った。





目を開けたら目の前にニャンさん。


あぁ、戻ってきた、、、



そう思ったら力が抜けてへたり込んだ。



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