上 下
105 / 342
CASE6 新人類開発施設

15

しおりを挟む

**********




風を感じて、寒さも感じた。


目を開けると薄暗い空、、、



「頭と首、いたい、、、」



ここは花将軍の城じゃなくて砂漠。


首が痛いのはスーに気絶させられたからだっていうのはすぐに分かった。



私、ずいぶん長く気絶してたんじゃない?



「起きたか……ようやく」


声の主は見なくても分かる。

ゼロさんだ。



「頭と首が痛いんですけど……」


そう言いながら起き上がると少し先に花将軍の城が見えた。


なんか……変。


高さ、低くなってない?



「お前が頭いてーのはシンクロの使いすぎ。首はスーが気絶させるためにやったからだ」


「シンクロって使いすぎると頭痛とか……今までなかったのに、、、」


「当然だろ?シンクロの練習程度で具合悪くされちゃ困るから加減してた」


あぁ、一応、、考えてくれてたのね。

今まで頭痛はなかったけど、クタクタにはされてたけどね。


「で?状況は?」


そう言ってようやく顔をあげたらゼロさん頭に包帯巻いてるし腕も傷だらけだし……ボロボロじゃん。


「んな可哀相って目で見んな!!別にそんな重傷じゃねぇ!!」


「…………確かに。喋れる元気はあるみたいだもんね」



なんとなく納得したら、舌打ちされた。

可哀相な目で見たら怒られて、元気はあるみたいって言ったら舌打ちされて、、、

まぁまぁ理不尽な気がする。



「それより今はあっちのが重要だ」


そう言って見ているのは私の背後。

振り向くとアゲハとスーがたくさんの人に囲まれていた。


ってかあの人たち、スーが助けた(?)奴隷だよね?



泣いて喜んでいる人とスーを急かしている人。

それから、スーとアゲハは光る紐みたいなので手首をお互い繋げていた。



「スーが奴隷を助けるって言ってもスーのシンクロは早々に限界になった。だから今は元奴隷のアイツのシンクロを利用しながら鍵作って開けてるんだとさ」


「誰かの力を借りるってできるの?」


「俺が二人を繋げばな。あの光の紐が切れるのは元奴隷の限界が来た時だ」


魔法の種類だとは思うけど……この世界はなんでもありだね。

人の力を借りるって、、、新人類から力を借りれたら結構無限にシンクロが使える感じなんじゃないの?


「それができるなら、アゲハとレジスタンスNo.1のギルバートさんを繋ぎっぱなしにしたら最強じゃない?」

「バーカ。繋いでるのは俺がいてこその話。俺の消耗も激しいんだよ」

「じゃあ光の魔法使いが新人類になればできるの?」

「………理論上はな。ただし、新人類になれる保証はないし、光の魔法使いは希少。希少だからこそ、新人類になれるか分からないのに実験的に使うことは早々しないだろう………たぶん」


………最後に説得力が欠ける台詞を言ったな。


ゼロさんと話していたら、なんとなく調子良くなってきた気がした。


とりあえず、危機的な状況じゃないし、大丈夫そうだし。


邪魔したら悪いからこのままで待っていようって思って待機。



「ゼロくん、確認してきたよ。やはり5階は全壊。新人類開発施設内にあった未使用の核は全て破壊しておいた」


しばらくしてから現れたジェスさん。


いなかったの、、、忘れてた。


しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

社畜探索者〜紅蓮の王と異界迷宮と配信者〜

代永 並木
ファンタジー
井坂蓮二、23歳 日々サービス残業を繰り返し連続出勤更新し続け精神が疲弊しても働き続ける社畜 ふと残業帰りにダンジョンと呼ばれる物を見つけた ダンジョンとは10年ほど前に突如現れた謎の迷宮、魔物と呼ばれる存在が闊歩する危険なダンジョンの内部には科学では再現不可能とされるアイテムが眠っている ダンジョンが現れた影響で人々の中に異能と呼ばれる力を得た者が現れた 夢か金か、探索者と呼ばれる人々が日々ダンジョンに挑んでいる 社畜の蓮二には関係の無い話であったが疲れ果てた蓮二は何をとち狂ったのか市販の剣(10万)を持ってダンジョンに潜り己の異能を解放する それも3等級と呼ばれる探索者の最高峰が挑む高難易度のダンジョンに 偶然危機に瀕していた探索系配信者竜胆天音を助け社畜の傍ら配信の手伝いをする事に 配信者や異能者に出会いながら探索者として活躍していく 現2章

『Nightm@re』という異世界に召喚された学生達が学校間大戦とLevel上げで学校を発展させていく冒険譚。

なすか地上絵
ファンタジー
■概要 突然、『Nightm@re』という地球にそっくりな異世界に連れてこられた高校生たち。自分達の学校を自由に創り変えながら、生き残りをかけて戦う『学校間大戦』。友情あり恋愛ありのちょっぴり切ないダークファンタジー小説。※物語三章から一気にファンタジー要素が増えます。 *過去にエブリスタで書いた物語です。 *カテゴリーランキング最高3位 *HOT男性向け最高26位

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?

gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。 そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて 「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」 もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね? 3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。 4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。 1章が書籍になりました。

終焉の謳い手~破壊の騎士と旋律の戦姫~

柚月 ひなた
ファンタジー
理想郷≪アルカディア≫と名付けられた世界。 世界は紛争や魔獣の出現など、多くの問題を抱え混沌としていた。 そんな世界で、破壊の力を宿す騎士ルーカスは、旋律の戦姫イリアと出会う。 彼女は歌で魔術の奇跡を体現する詠唱士≪コラール≫。過去にルーカスを絶望から救った恩人だ。 だが、再会したイリアは記憶喪失でルーカスを覚えていなかった。 原因は呪詛。記憶がない不安と呪詛に苦しむ彼女にルーカスは「この名に懸けて誓おう。君を助け、君の力になると——」と、騎士の誓いを贈り奮い立つ。 かくして、ルーカスとイリアは仲間達と共に様々な問題と陰謀に立ち向かって行くが、やがて逃れ得ぬ宿命を知り、選択を迫られる。 何を救う為、何を犠牲にするのか——。 これは剣と魔法、歌と愛で紡ぐ、終焉と救済の物語。 ダークでスイートなバトルロマンスファンタジー、開幕。

娼館で元夫と再会しました

無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。 しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。 連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。 「シーク様…」 どうして貴方がここに? 元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!

呪う一族の娘は呪われ壊れた家の元住人と共に

焼魚圭
ファンタジー
唐津 那雪、高校生、恋愛経験は特に無し。 メガネをかけたいかにもな非モテ少女。 そんな彼女はあるところで壊れた家を見つけ、魔力を感じた事で危機を感じて急いで家に帰って行った。 家に閉じこもるもそんな那雪を襲撃する人物、そしてその男を倒しに来た男、前原 一真と共に始める戦いの日々が幕を開ける! ※本作品はノベルアップ+にて掲載している紅魚 圭の作品の中の「魔導」のタグの付いた作品の設定や人物の名前などをある程度共有していますが、作品群としては全くの別物であります。

お嬢様はお亡くなりになりました。

豆狸
恋愛
「お嬢様は……十日前にお亡くなりになりました」 「な……なにを言っている?」

処理中です...