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CASE6 新人類開発施設

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布はここに住む人からいらない布を貰って縫い合わせたし、結ぶための紐は持ってきた荷物にいい感じのがあった。

だから、簡単に目隠しを作って、それから私が使う部屋にあったスタンドタイプの照明を持ってきて設置した。

スーからも「持ってっちゃえ!」って後押しされたしね。


「これでちょっとはマシじゃない?」

「うん……あ、言っておくけど、俺の扱いに俺自身不満はないよ?仕方ないし、、それに、全員から嫌われてる訳じゃないし……」


そう言った直後、勢いよく扉を開ける音がして、振り向いたらゼロさん。

手には、布団?


「これ使え。お前まだ病人だから」


投げつけるようにアゲハに渡したけどさ、、、ゼロさんって素直じゃないね。


「病人じゃないよ?」

「本調子じゃない」

「まぁ、、否定はしない」


そう言ったアゲハも楽しそうだったから、たぶん私と同じことを思ったんだろうね。


「じゃ、俺は寝る」

「うん、おやすみ」


ゼロさんは何事もなかったかのように出ていったけど、そうか、もうそんな時間かぁ。。。


「空も、早く戻りなさーい」

「うーん………」


背中をグイグイ押されて追い出されたけど、釈然としない感じ。


そのままスーがいる部屋に戻ったらゼロさんがいたし。


「ソラちゃん!?アゲくん放ったらかし!?」


スーがビックリしてるけど、、、だよねー。

やっぱり、一人であんな場所に居させるの、良くないよね。


「ほらね!あたしが言った通り!絶対にアゲくん強がるって!」

「スーに言われるまでもねぇが……コイツ追い出したのはちょっと意外だった」


そう言ったゼロさんは立ち上がって部屋を出ていった。


「さぁ!ソラちゃん!支度支度~」

「えっ?えーっ!?」


訳が分からないまま手渡されたのは布団と毛布。

そのまま私とスーとゼロさんで再びアゲハのいる所に行った。


ベッドの上で膝を抱えて座っていたアゲハは私たちの登場にビックリしてた。


「今日はここで雑魚寝~!結構広いし余裕だね!」

スーはさっさと布団を敷き直してもう横になってるし、、、


「えーっと、いいよね?」

一応、アゲハに確認。

その間もゼロさんもさっさと布団を敷いて、私の布団まで敷くために奪われた。

部屋の主の許可はいいのか、この人たちは……。


「、、、いいよ。スーが絡むと止まんないもん。仕方ないね」


言葉とは裏腹に嬉しそうな様子だったから良かった。



それからすぐに、スーとゼロさんは寝たっぽいけど私は寝れなくて。

目を瞑って静かにしていたけど、全く眠れない。


「空、起きてる?」

小さい声でアゲハに呼ばれたから起き上がった。

「全然、寝れない」

「俺も一緒。ちょっと部屋から出ようか?」


夜だし、色々といいのかな?って思ったけど頷いてから起き上がった。

……暗闇の中、頷いたのって分かったのかな?


廊下に出ると暗いし静まり返っていたけど、アゲハのシルエットは分かる。

隣の部屋…私が使う用に言われた部屋を指差したから頷いたらドアを開けた。



「気を張りすぎたのか眠れないよ」

部屋の電気を付けたらすぐにそう言って頭を抱えたアゲハ。


「やっぱり、、、気まずい?」

「本当はね……かなり気まずい」


ははって力なく笑うから、、、

どうしたらいいんだろう、私。


「この部屋はドアはあるし大声をあげなきゃ外に声は漏れないから言うけど……」


アゲハはもっと小声で呟いた。


「あそこにいると、必ず誰か監視に来る。俺の存在が怖いか不安なんだろうけど……結構見張られるのは落ち着かない」

「ニャンさんにチクる?私言うよ?」

「駄目だよ。俺たちレジスタンスを匿ってくれる人たちでもあるんだから」


と、言われても、、、

なんか、複雑。


私がはじめて出会ったこの世界の人々。

みんな、すごく良くしてくれたし、私はみんなが好きなのに、、、


アゲハは、事情があったとしても敵対した人物だから、受け入れてもらえないなんて……。


「前回は絶不調だったから辺りを気にする余裕もなかった。今は余裕があるから気まずいって感じるんだと思うと、だいぶ自分は回復したって実感できるよ」

「めちゃめちゃ前向きな発言だけど……でも良かったよ。アゲハが元気になってきているなら、、、再会してから全然日数経ってないのに……もうかなり経った気分」

「分かる!俺もそうだよ!毎日が濃いんだもん」


そう言ってからようやく笑顔になった。


「向こうにいた時より、、、今のが充実してる感じ」

嬉しそうに言う言葉がドキッとした。


アゲハは、もしかしたら、、、



帰りたく……ないのかもしれないね。

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