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CASE6 新人類開発施設
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「ニャン様。先日ご連絡した通り、お世話になります」
アゲハが深々と頭を下げた隣でゼロさんが「これが噂のばーさん…」とか言うからスーに横腹を殴られていた。
ミレイもニャンさんやみんなに挨拶して、それからすぐに戻っていった。
「ジェスは来てますか?」
「いや、まだ来ておらぬ……して、お主らの部屋だが………」
急に気まずそうな様子のニャンさん。
と、ピリッとした空気のみんな。
「俺は前と同じでいいです。ゼロたちも全員同じ部屋でいいですよ。部屋数にも限りがあると思いますから」
「部屋の数は男女分けるくらい可能だが……すまない、アゲハには不便をかける」
「当然の措置です。ニャン様が気に病む必要はないです」
ニャンさんとアゲハの会話の意味は最初誰も分からなかったけど、荷物を置くために移動したらすぐに分かった。
男女隣り合った部屋、その隣の最奥の部屋がアゲハに用意された部屋だったけど、、、
部屋じゃなくて牢獄。
前、再会した時もここだったの?
あの時気まずくて訪ねにも行けなかったけど、こんなお世辞にも綺麗じゃないし、寒そうな場所にいたなんて、、、
「なんでアゲくんがここ?ゼロくんと一緒でいいじゃん!」
スーが不満を思いっきり顔に出して言ってるからアゲハは困り顔。
「仕方ないの。俺がここにいるだけでここに住む人は不安なんだから……」
「は?よく意味わかんねーよ」
ゼロさんも機嫌悪そうだからなのか、アゲハはため息を吐いてから説明をしてくれた。
「前に俺はここに住む人を襲った。そして、死者も出た。ここに住む人たちは町で住めない理由がある人ばかりで……ルーラのように俺が家族を殺した人もいるかもしれない……ここの人から見たら俺は決して歓迎される存在じゃないんだよ」
…それって!
アゲハの意思じゃない行動で、ニャンさんは罪はないって言ってくれたじゃん!
「でもさぁ!」
私が声をあげたら、アゲハに止められた。
「俺はもし、仲間を殺した人が操られていたんだって言っても許せる自信はない。だから、ここの人の気持ちは分かる。それに、世話になる側の身だからね?レジスタンスに協力してくれるだけでも充分ありがたい話なんだから、文句言わないの!」
この話は終わりって様子で締め括られたからこれ以上何も言えなかった。
スーは全力で不満を顔に表していたけど、アゲハは見て見ぬフリしていた。
**********
結局、ジェスさんが来ないと何も話さないってアゲハとゼロさんに言われたからアゲハの部屋(と、呼ぶべき?)に行って、地面に布を敷いてゴロンと横になった。
ちなみに、アゲハはまだいない。
ゼロさんと一緒にニャンさんに話があるとかないとか……。
暇だし、どうしようかな?
ちょっと考えてからムクッと起き上がって、とりあえずシンクロのイメージトレーニング。
別にね、前に練習で使った場所に行ってもいいんだけどさ……
アゲハが戻ってきてこんな寂しい場所に一人でいる姿を想像するだけで無理。
だから、待っていたいなって思ったから行かない。
だから、ここでイメトレ。
たぶん私は、今回の作戦では全く役に立てないと思う。
体力は自信あるけど、それ以外は付け焼き刃って感じだもん。
せめて……みんなの邪魔はしたくないから、少しでも、役に立てたら……。
「凄いね、、、今日のシンクロの精度は今までで一番だよ」
急に声を掛けられて慌てて声のした方を向いたら、柵越しにアゲハが私を見ていた。
いつの間に?
全然、気づかなかった……。
「どうして俺が使う部屋に布敷いて居るんだよ」
「え?快適な空間にしたいけど、本人の許可を得てからかなぁって」
「なにそれ?そこまで長期滞在はしないよ?」
クスクス笑いながら柵の扉に手をかけてあけたけど、、、
「まずね!この柵!壁じゃないのヤだ!だからせめて目隠ししようよ!」
は?って顔をしたってアゲハを無視して、作業に取りかかった。
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