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CASE5 武器と魔法
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それからアゲハは一度だけ少しだけうなされたけど
背中を擦ったらしばらくしてまた眠りについた。
「寝たか?」
「うん、大丈夫そう」
眠たそうなギルバートさんの声が聞こえたから、またこの部屋にいるんだね。
「……ゆっくり休めよ」
うっすらと夜が明け始めた部屋だったからギルバートさんが近くにいて優しい表情でアゲハを見てるのが分かった。
そういえば、さっきより長い時間眠れた…よね?
良かったね、少しでもゆっくり眠れて……。
**********
ガッという音と振動で目が覚めた。
覚えがあるもん、この感じ。
「早く起きろ。ったく、なんでわざわざ俺が……」
すっごい嫌そうな声に起こされたのは私。
ゼロさん……だなぁ、この声。
「ゼロ、うるさい。まだ寝てるから寝かしてやれ」
「……は?なんでギルバートがここにいるんだよ?」
「俺がどこにいてもいいだろ。それに起こし方ってモンがあるだろ。君の行動は少々問題がある」
「は?……いや、、よく見りゃコイツ女連れ込んでるし!ギルバート、こっちのが問題じゃねーのか?」
「アゲハは繊細なんだ。お前とは違うんだよ」
「いやいや、答えになってねーよ!」
………なんなんだ、この状況。
二人の言い合いは何か変じゃない?
「うるさいなぁ……あさなの?おはよ、」
アゲハの声がして、それからアゲハの手が放れたのが分かった。
「おはよ、じゃねーよ!治療!来ねーからわざわざ来てやったんだよ!!」
「声がでかいから、空が起きちゃ……あ、起きてた?」
こっちを見たアゲハとバッチリ目が合った。
表情も声もいつも通りでホッとした。
「おはよ……ゼロさんベッド蹴るから起きたよ」
「ひっどい起こし方だねぇ」
アゲハが笑ってベッドから出ようとしたのをギルバートさんが止めた。
「ここでやればいい。そうしたら終わってすぐに寝れるだろ?」
「空の隣で上半身裸になれと?やめてよ、恥ずかしいじゃん」
女子か!?って言葉を真面目に言うからビックリした。
思わずガバッと起き上がって、三人の方を向いた。
「どうぞ!私は気にしないで!」
アゲハの裸にキャーキャーするほど女子じゃないし!
「だ、そうだ。さっさと服脱げ。」
ゼロさんに言われて渋々着ていたTシャツを脱いでポイって投げ捨てた!?
「コラ!ちゃんと畳みなさいよ!」
「え~?また着るしいいじゃん」
全然悪びれないアゲハの態度。
そのまま仰向けになってベッドに横たわった。
「まぁ気にするな。俺が畳むから」
ギルバートさんがなぜかTシャツ拾ってるし。
この人こんな甘い人だったの?
キャラ変わりすぎじゃない??
それからゼロさんがアゲハの核を触った瞬間、眩しくて目を強く瞑った。
その時突然、アゲハに左手を掴まれて手を握る状態に…。
いきなり、どうしたの?
「空に質問」
目が開けられない中、いつも通りのアゲハの声がした。
「太陽くんと、なんで付き合わなかったの?デートしたんでしょ?」
いきなりその話題!?
思わず握った手をぎゅうっと握ったら「痛い」って言われたし。
いや、だって、、
「コクられてない……言わせないようにしたから」
「え?でも太陽くんが空を好きなの分かってたでしょ?空も太陽くん好きって言ったじゃん」
言った!言ったけどさあ!
「何年前の話してんの!?タイヨウさん好きだったのは中学まで!今はただの幼馴染みのお兄さんだよ!」
「わぁ~……太陽くんが可哀想。太陽くん空の事ずっと好きだったのに」
ずっと好きとか知らない!
ってかいつから!?
ってかギルバートさんとゼロさんがいる場でこの会話!?
「どーだっていいがうるせーよ!集中させろ!」
ゼロさんが怒るから、「ごめんね」ってアゲハが謝って会話をやめた。
治療が終わって目を開けられた頃には、空がだいぶ明るくなってきていた。
背中を擦ったらしばらくしてまた眠りについた。
「寝たか?」
「うん、大丈夫そう」
眠たそうなギルバートさんの声が聞こえたから、またこの部屋にいるんだね。
「……ゆっくり休めよ」
うっすらと夜が明け始めた部屋だったからギルバートさんが近くにいて優しい表情でアゲハを見てるのが分かった。
そういえば、さっきより長い時間眠れた…よね?
良かったね、少しでもゆっくり眠れて……。
**********
ガッという音と振動で目が覚めた。
覚えがあるもん、この感じ。
「早く起きろ。ったく、なんでわざわざ俺が……」
すっごい嫌そうな声に起こされたのは私。
ゼロさん……だなぁ、この声。
「ゼロ、うるさい。まだ寝てるから寝かしてやれ」
「……は?なんでギルバートがここにいるんだよ?」
「俺がどこにいてもいいだろ。それに起こし方ってモンがあるだろ。君の行動は少々問題がある」
「は?……いや、、よく見りゃコイツ女連れ込んでるし!ギルバート、こっちのが問題じゃねーのか?」
「アゲハは繊細なんだ。お前とは違うんだよ」
「いやいや、答えになってねーよ!」
………なんなんだ、この状況。
二人の言い合いは何か変じゃない?
「うるさいなぁ……あさなの?おはよ、」
アゲハの声がして、それからアゲハの手が放れたのが分かった。
「おはよ、じゃねーよ!治療!来ねーからわざわざ来てやったんだよ!!」
「声がでかいから、空が起きちゃ……あ、起きてた?」
こっちを見たアゲハとバッチリ目が合った。
表情も声もいつも通りでホッとした。
「おはよ……ゼロさんベッド蹴るから起きたよ」
「ひっどい起こし方だねぇ」
アゲハが笑ってベッドから出ようとしたのをギルバートさんが止めた。
「ここでやればいい。そうしたら終わってすぐに寝れるだろ?」
「空の隣で上半身裸になれと?やめてよ、恥ずかしいじゃん」
女子か!?って言葉を真面目に言うからビックリした。
思わずガバッと起き上がって、三人の方を向いた。
「どうぞ!私は気にしないで!」
アゲハの裸にキャーキャーするほど女子じゃないし!
「だ、そうだ。さっさと服脱げ。」
ゼロさんに言われて渋々着ていたTシャツを脱いでポイって投げ捨てた!?
「コラ!ちゃんと畳みなさいよ!」
「え~?また着るしいいじゃん」
全然悪びれないアゲハの態度。
そのまま仰向けになってベッドに横たわった。
「まぁ気にするな。俺が畳むから」
ギルバートさんがなぜかTシャツ拾ってるし。
この人こんな甘い人だったの?
キャラ変わりすぎじゃない??
それからゼロさんがアゲハの核を触った瞬間、眩しくて目を強く瞑った。
その時突然、アゲハに左手を掴まれて手を握る状態に…。
いきなり、どうしたの?
「空に質問」
目が開けられない中、いつも通りのアゲハの声がした。
「太陽くんと、なんで付き合わなかったの?デートしたんでしょ?」
いきなりその話題!?
思わず握った手をぎゅうっと握ったら「痛い」って言われたし。
いや、だって、、
「コクられてない……言わせないようにしたから」
「え?でも太陽くんが空を好きなの分かってたでしょ?空も太陽くん好きって言ったじゃん」
言った!言ったけどさあ!
「何年前の話してんの!?タイヨウさん好きだったのは中学まで!今はただの幼馴染みのお兄さんだよ!」
「わぁ~……太陽くんが可哀想。太陽くん空の事ずっと好きだったのに」
ずっと好きとか知らない!
ってかいつから!?
ってかギルバートさんとゼロさんがいる場でこの会話!?
「どーだっていいがうるせーよ!集中させろ!」
ゼロさんが怒るから、「ごめんね」ってアゲハが謝って会話をやめた。
治療が終わって目を開けられた頃には、空がだいぶ明るくなってきていた。
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