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CASE5 武器と魔法

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「こらこら。ゼロもアゲハも喧嘩しないの。ソラが困ってるだろ?」

エドガーさんはそう言いながらアゲハに近づいて頭をポンと撫でた。


「アゲハの気持ちも分かるけどね。レオンは怪我をさせそうな勢いだったし、スーのせいでアゲハが怪我したしね」

「手は擦り傷程度だから平気だけど……上、さすがに心配だから見てくるよ」

見上げると分厚い土の壁。

天井には元から土の壁なんてなかった。


私が魔法を使ったから出したの?


「いい。俺が行く。お前はあいつをどーにかしろ」

ぶっきらぼうに言ったゼロさん。

あいつって、私だよね?


顔をあげるとエドガーさんとアゲハが私を見ていて

アゲハは私の前に来てしゃがんで、

視線を合わせてくれた。



「空は、さっき何を思ったの?強い想いが、力になったように見えた」


あのとき、強く想った。

強く、強く

あの想いは、感情は……。


「ごめん。よく、分からない…」

「そうか、、、まぁ急にあぁなったからビックリしただろうしね」

アゲハは手を軽く上にあげたら土の壁が消えた。

やっぱりアゲハが出したもので、入り口まで塞いでいた土の壁がなくなって、ゼロさんは上に戻った。


ごめんね、アゲハ。

私、嘘ついた。

強く想った内容を、知られたくなくて………。



「空はね、“闇の魔法使い”だよ。ゼロも俺もそうだと思っていたけど確証はなかった。だけどさっきので確定。扱いが難しい魔法だから、少しずつやっていこう。とりあえず、今日は終わり」


「や……み?待って。じゃあアゲハを傷つけた魔法と同じ?」


破壊者の皇帝と同じ魔法を使うなんて

それがアゲハを傷つけた魔法だなんて

嫌に決まってる。


それに闇って。

そんな悪っぽい魔法が私なの?


「同じだけど、、、闇の魔法使いだから悪いとかそういう訳はないよ。珍しい魔法ではあるけど……ほら、ゼロは光の魔法使いだけど聖人じゃないでしょ?だから魔法の属性は気にすることない」


そんなものなの?

だって闇って、どんな物語でも悪のポジションだよ、、、


「私があの日にアゲハの核を触れたのって……」

「同じ属性の魔法だから問題なかったんだよ」


それを先に知ってたら、もっとできた事もあったかもしれないね。


「私が近くにいたら悪影響ってないの?アゲハの身体にはまだ皇帝の魔法が残っているでしょ?」

「術者が違うから問題ないよ。心配しすぎ!闇の魔法は使いこなせたらめちゃめちゃ強いから……ちょっと羨ましいな」


そう言ったアゲハは、少し寂しそうだった。

自分の魔法が嫌なのかな?

私はすでに嫌なんだけど……。



「おーい!!いい加減俺をどーにかしろっ!!!」


私たちから少し離れた先にいたレオンは、よく見たら足元が土に埋もれた状態。

アゲハが足止めしたんだなって分かるけど……そのままにしてたのね。


「ごめーん!忘れてた!」

笑いながらそう言ったアゲハはすぐに解除して、レオンがアゲハに向かって文句を言いながら走ってきていた。

アゲハとレオンがじゃれている姿を見ながら立ち上がったら、隣にエドガーさんが来て、私を見てから頭をポンと撫でた。

アゲハにしたのと同じように。


「私も手伝うから少しずつやっていこう」

「エドガーさん……ありがとう、、ございます」

「固いなぁ。さんも付けなくていいよ。ソラは一番化ける可能性があるから私は期待してるよ」


エドガーは楽しそうにそう言った。


私は身体は怠いし魔法がもう怖いし…。


期待されても応えれる自信は……ない。


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