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CASE5 武器と魔法

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「うん……じゃあ次は涼、いいかな?」


涼くんに声がかかるまでしばらく間があった。

レオンとエドガーさんと桃華が開けた穴について話していたみたいだけど、距離が離れてて聞こえなかった。

何を話していたのかな?

ちょっと気になった。



涼くんは雷使い。

すでに涼くんの周りがパチパチしてたから近づけなくて、、、雰囲気的にイライラしてるみたい。


「お前に向かって雷落とせばいいのか?」

「こわっ!だけどいいよ。実力見たいからね」


そう言ったアゲハはレオンたちから離れた場所に一人立っていた。

アゲハの視線は涼くんをじっと見てて、一挙一動を見逃さないようにしていた。

桃華の時と雰囲気が違うから、、、注意する必要があるって事かな?


なんとなく、私がドキドキしながら二人を見ていたら

涼くんが手を上にあげた。


その瞬間、

アゲハが少し手を動かした。

地面が動いて土がアゲハを飲み込んだ。


その直後、アゲハのいた場所に落雷が落ちて土が割れて、中からアゲハが出てきた。


「無傷……だと?」

涼くんの声が練習場に響いた。


無傷で土で汚れてもいなかったから、土に飲み込まれたってより、土で自分が入る空間を作ったのかな?


「さすがに、、、ちょっと焦ったけどね」


そう言ったけど、涼しい顔をしているように見えるんだけど……。


「魔法の一発の威力だけならスーくらいだけど、、、一発で息があがるくらい消耗してるから……シンクロの安定と継続を目標って所かな?」


アゲハがそう言うとレオンがうんうん頷いてたから、的を得た発言らしい。

だけど、涼くんは手のひらから出した小さな雷を地面に一撃落とした。

顔が、めっちゃキレていたから……めちゃめちゃ怒ってるじゃん。

「いいよなぁ!常にシンクロが継続状態のヤツは苦労がなくて!!」


それは、アゲハに対しての発言だろうけど、、、

アゲハだって好きでそういう体質というか、状態でないんだから言っちゃいけない言葉なような、、、


「継続はできても安定は自分次第だよ。俺もシンクロが安定しなくて魔法の精度が悪いときあるし。それに体力面はみんなより圧倒的に劣ってるから、、、苦労ばっかりだよ」

核で身体の弱さをカバーできても体力が向上するわけでもないんだね。

最近は安静にって事で動かなかったから、余計に体力面では苦労しているよね。

涼くんは納得いかない様子だったけど、、、てか、涼くんはアゲハを嫌いなのかな?

仲良く話してる姿、一度も見てないよ。


「さて…空は……うん、やっぱりシンクロは自然とできてるね」

「は……え?」

「だから、今できてるの」


と、言われましても……。

自覚、ないんですけど……。


「ソラは状況を見て自然とシンクロ状態になれるんだな」

「良くもあり悪くもあり…だね」

ギルバートさんとエドガーさんが納得してるけど……

なんで納得してるの!?


「空のシンクロについて考えてみたんだけど、たぶんね、、、空は想いが強い力になっているんだと思う。俺を止めた時、止めなきゃって思ったんでしょ?」

「うん……思った……でも……」


でも……そうなのかな?

まぁあの時は確かにできる気がしたんだよね。

アゲハを助けなきゃって、、、


確かに……

強く、願った



「試してみようか」


その言葉に、頷いた。


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