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CASE5 武器と魔法
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しおりを挟む「え?外し忘れ?」
「うん。これあればどこでもミレイがやってくる。だけど俺は魔法でその効力を抑えちゃってね。抑えられない時=シンクロが乱れた時だから、そうなったらミレイが察知してやってくる………って言うのを利用して空たちを探してた時に使ったんだ」
アゲハの左手の薬指にあった指輪。
それを聞いてみたら外し忘れって……。
しかもサイズがちょうど良かった指にはめただけって……。
「俺も光の魔法は移動くらい使えるようになりたいなって思うけどなかなかうまくいかないんだよね」
「普通一人ひとつの魔法じゃないの?」
「俺は特別だから。そういう特権は生かさなきゃ」
「前向きだねぇ」
あれから、色々と話してる。
さっきみたいに暗い感じにならない話題ばかり。
アゲハも顔をあげて私の方をチラチラ見ながら話してて
指輪はあっさり外して私に渡してきた。
夜はだいぶ更けてきたけど、話題ってなかなか尽きないね。
だけど、眠たくて、眠気には勝てなくて……。
「ほら、そろそろ部屋に戻りな?」
「うーん……ここで寝る」
そのままベッドに潜り込んだけど、止められはしなかった。
「アゲハも早く寝よーよ」
「全く……危機感ないね」
「うん、だってアゲハだもん」
アゲハもベッドに潜り込んだから、また手を繋いだ。
「おやすみ、アゲハ」
「おやすみ」
手は、振り払われなかった。
たぶん、私のが先に寝ちゃったからアゲハがちゃんと寝れたかどうか分からない。
分からないけど、起きたらアゲハがいなかった。
しばらくボーッとしていたらアゲハが戻ってきたけど私を見てパッと笑顔になった。
だから、ちゃんと眠れたのかな?
「ゼロのところ行ってきたよ。空が起こされたら可哀想だし」
……私は起こされるより見られる方が気まずいよ?
って言う前にアゲハがベッドに来て、私を押した。
「まだ眠い。まだ5時だよ?7時まで寝る」
「えっ!?押さないでよ!元いた場所に戻りなさいって」
だけどグイグイ押されて、結局場所が変わった。
ベッドに潜り込んだアゲハが横を向いたから、私も体勢を変えて向かい合った。
なんか、変な感じ。
恋人か?って感じだし。
「あのさ、今日も夜、二人で話せるかな?」
「もちろんいいよ」
「一昨日とか昨日の事、ちゃんと話そうかな…とね。重い話になるけど……聞いてほしいなって思って、ね、、、」
歯切れが悪く言うから、言いにくいのか、気まずいのか。
そんな話をしてくれるのは、信頼している証なのかな?
「アゲハが話せるなら話してほしいから。ちゃんと聞くよ」
「……よかったぁ。すでに2日も醜態晒したから引かれてるかと思った」
そう言った顔はホッとしたような表情で、だから安心した。
「引かないし。聞くしかできないけど、、、」
「聞く以外もしてくれてるよ。空がいてくれると、安心できるもん」
そう言って、目を閉じた。
「おやすみ、空……」
すぐに寝息が聞こえてきた。
私も目を閉じて、またすぐに眠りに落ちた。
私も、、、アゲハの傍が、一番安心する場所だよ。
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