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CASE4 レジスタンス

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「違うって!眠れなくて二人で昔話してたら盛り上がって!それからただ寝落ちしただけだからっ!」


だいぶ嘘だけど。

もうそう言うしかないじゃん?


「うん、そんな感じ。俺たち幼馴染みだからね」

アゲハも私の嘘に話を合わせてくれたけど……ゼロさんは騙せないだろうなぁ。

今のアゲハは普通だけど、昨日の夜は普通じゃなかった。

それは、言わない方がいいと思う。



「マジでお前ら何もねーの?」

「何もないし!辛島くん、なんで怒ってるの?」

「怒ってねーよ!」


フイッてそっぽ向いちゃったけど、私が怒られる筋合いなくない?

別に、私が誰といたっていいじゃん。




私は一番最後に来たからまだ朝食を食べ始めたところだけど、食べ終わったアゲハはちょっと暇そう。


「ねぇ、ギルは何時に来る予定?」

「昼頃だって聞いているよ」


目の前にいるエドガーさんと話してる。


「そっかー……じゃあ空と都築さんと辛島と話したいけど部屋借りていい?」

え?

名前が出て思わず固まった。

話さなきゃって思っていたけど、また突然……。


「別に構わないが……あのさ、その呼び方、どうにかならないかな?」

「あぁ、、、この世界は名字の概念ないから、名字で呼んだらみんなには誰か分からなくなるか……。じゃあ、空と桃華さんと涼?……呼びにくいね」


アゲハが苦笑いしてるけど……そういえばアゲハって名前で呼びあう人って私以外いなかったよね。

だから、なんか変な感じ。


「確かに!」

「すっげー嫌なんだけど」


辛島くん……涼くんは嫌そうだったけど、郷に入れば郷に従えだっけ?

他の人に混乱を招くなら仕方ないよね。




**********





1時間後―――――



すっごい立派な応接室に三人で行ったらまだアゲハはいなかった。


「なんかさぁ、井黒く……アゲハくん、って、すっごい元気そうだけどなんでかな?昨日死にそうな感じだったのに、、、」

「あのゼロってヤツの仕業だろ?」

「せめておかげと言ったら?」


広すぎる応接室は落ち着かなくて飾ってある花とか見たけど、見たことがない花。

だけど、なんか不思議。

向こうの世界にあってもおかしくない雰囲気だから。




「遅れてごめんね」

しばらくして現れたアゲハはちょっと元気なかった。

手にはお盆。飲み物持参。



「顔色悪くない?」

「本調子じゃないからね」


そう言いながら手際よくお茶を用意してて。

なんか、アゲハが楽しそう。

すごく甘くていい香り。


「どーぞ」


差し出されたお茶は紅茶っぽい見た目と香り。


「わっ!美味しい!」


桃華は一口飲んでそう言って、それから残りを一気に飲んでおかわり要求してた。

アゲハはクスクス笑いながらちゃんと用意してて…なんか変な感じ。


「はじめてコレ飲んだときからお気に入りで。必ずアイリーンさんが俺専用に用意してくれるんだ」

「アゲハくん専用?」

「うん。みんな俺には気を使ってくれるんだよ。この世界で少しでも楽しい思いとかしてほしいって思ってるみたいでね。俺を甘やかすから反感も買うけどね」

「反感?」

「ランさんは俺が嫌いだよ」


噂のおじいちゃんか……。

顔に出てたのかアゲハも苦笑いしてた。


「悪い人じゃないし、真面目な人だよ。ただ、俺が嫌いなだけ。異界人で新人類だから信用されなくて当然だけど」


さらっと言うけど…表情が暗かったから……。

自分の言葉で自分を傷つけないでほしいな。





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