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CASE4 レジスタンス

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「やっぱ夜になると体調がイマイチだなぁ」

「今日はもう休みなさい」

「ほら、ゼロがもっと頑張らないとアゲハが可哀想だぞ!」

「……お前は俺を殺す気か?」


エドガーさんたち主要幹部の四人はとりあえず仲がいいんだなって感じなのがだいぶ意外。

年齢も性格もバラバラっぽいのに。

アゲハがとにかくダルそうだから気になるし……。



「ごちそうさま。アイリーンさんごめん、残しちゃった」

「あらぁ…気にしないでね。またアゲハくんの好きなお茶でも淹れてお部屋に用意しておくわ」


アゲハのいなくなった席にはほとんど手つけずの料理。

私たちが再会してからアゲハが調子悪くてご飯食べないって話は聞いていたけど、まだ良くなってないって証拠なんだろうね。





**********




夕食後、アゲハを除いた全員から私たちの世界について聞かれた。


ユートピアに再び来た私たちだからこそ分かった時間の流れの違いも話したし、シンクロが使えなかったって話も伝えた。


「聞けば聞くほど不思議だよな…言葉は同じ、物の名前も同じ、見た目だってあんま変わらない」


レオンの言う通り、私たちも不思議だよ。

どっちかの世界がどっちかを真似た?

環境汚染って話題も、私たちの世界と同じだもんね。


「しかしなぁ、ソラたちの世界でシンクロ使えないなら……アゲハがヤバイな」

「こっちの1ヶ月がそっちでは約1週間…もうアゲハはこっちに1年はいる計算……」

レオンとエドガーさんは困った様子だけど??

アゲハが私より1歳年上になったって事は元の世界に戻っても肉体年齢は+1歳……。


「あっ!」


気づいて、声をあげて、絶望的な気持ちになった。

今戻ったとしても肉体年齢が1歳上がったなら、アゲハの寿命、迫ってきてない?

仮にこの世界にさらに1年いたら?

元の世界に戻った瞬間、死んじゃう可能性だってあるんじゃ……?


シンクロ使えないなら核で身体の弱さをカバーしている今のようにはいられない。

そもそも核だって、それが元の世界でどんな影響があるかも分からない。


アゲハにとって、どの世界にいるのが幸せなの?


「アゲハは一度俺にだけ言ったからなぁ…『元の世界に帰りたい』って。何年かかってもいいから、アゲハにはどっちの選択もできるようにしてやりたいって思っていたが……」

レオンの視線はエドガーさんとゼロさん。

エドガーさんは頷いていたけど、ゼロさんは全く興味なさそう。


「え?え?…なんの話?」


桃華はあんまり分かってないみたいだけど、辛島くんは分かったみたいで黙ったまま。


「私たちの目的はあくまでも破壊者と救済者の壊滅。その過程でアゲハの事も模索していくしかないだろう」

「それが、俺たちに協力してくれたアゲハへの感謝の印だろうな」

エドガーさんとレオンはそう言ってお酒を一気に飲み干した。

二人は、アゲハの事、色々考えているんだね。




「……二人はいい事言ってるよーだけど、花将軍にアイツぶつけようとしてんだろ?」

ゼロさんの言葉に全員が驚いて、スーの手からグラスが落ちた。

この反応、みんな知ってるって事だよね?



「だってアゲハしか知らないんだ!花将軍の城内について!」


エドガーさんが慌てて弁解してるけど、これって次の作戦的な話?

私たちその話の場にいていいの?


「エドガー酷い。だからってアゲハ可哀想だよ」

ルーラは白い目でエドガーさんを見てるからエドガーさんも慌て出した。


「アゲくんに城内の絵でも書かせたらいーじゃん!エドくんはあの場を見てないから軽く思ってるかもしれないけど……女がトラウマになるんじゃない?ってくらい迫られてたんだよぉ?……ふふっ!」


スーはやっぱり笑いだしちゃって、これ以降は完全にネタにされはじめていた。

アゲハはここでは愛されていて、それだけは私にとったら救いだった。

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