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CASE4 レジスタンス

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ところで……


「アゲハに、何があったの?本当に大丈夫なの?」

「あー、うーん……」


レオンは腕を組んで唸っていた。

私たちは静かに待っていたけど、レオンは何か納得したのか頷いてから顔をあげた。


「あれは2週間前で、俺とアゲハとあと三人……五人で雪将軍の奴隷解放を実行した時の話だ……―――――」


レオンの話によると、レオンたちは奴隷解放は成功したが、その帰路で破壊者の皇帝ロキが現れて襲われた。

二人殺されて、それからアゲハに標的を絞って猛攻を受けた。

その中で理由は分からないけど、アゲハが異界人の新人類って皇帝に知られた。

皇帝は自分の手足にするために、アゲハのお腹に手を刺して、そこから自分の闇の魔法を流し込んだ。

それを止めようとした一人が殺されて、だけどそのおかげで最後まで魔法を流し込まれる事はなかったけど、アゲハの身体の中は皇帝の魔法に侵食された状態。

侵食はどんどん進んで、核がかなり黒くなってきているの現状。


「その侵食が核まで到達して核が真っ黒になれば……アゲハはアゲハじゃあなくなる。この意味、分かるよな?」

「自我を失って……操られるって事?」

「そうだ。まぁ仲間に光の魔法使いがいるからそいつがいれば魔法でどーにかできるが、合流は4日後。傷も決して浅くはなくてしばらく目を覚まさなくてな。で、3日前に異界人の三人組が近くに現れたって情報が入った」


3日前に異界人三人組……?

それって私たちじゃない?


「シンクロを使えば侵食は進む。常にシンクロ状態のアイツにとっては最悪の攻撃を受けたワケ。そんな状態なくせにその異界人を探すとか言い出してな。ま、俺の隙をついてアゲハが逃げ出して……今に至る」


私が来たから、アゲハはもっと悪化したって事?

安静にしてなきゃいけないのに……。

状況が理解できた桃華も辛島くんも暗い顔になっちゃった。


私、大変な事をしちゃったんだ。

アゲハにとって迷惑な事ばっかりして……。


「ちょ!待て!泣くなっ!!泣かれるの苦手なんだよっ!!」

レオンに泣くなって言われたら余計に泣きそうなんだけど……。


「まぁ大丈夫だよ。ミレイが頑張ったから。ミレイも光の魔法使い。もっとも、光の魔法は難しい魔法だから進行を緩やかにする位しかできないらしいけど」


ルーラが話しながらレオンの隣に座った。


「まぁアゲハも馬鹿じゃないからミレイの指輪持っていったし、ギリギリまでシンクロ使わなかった」

「お前もアゲハに着いてくんじゃなくて止めろよ」

「私は万が一の時に殺すために着いて来てって頼まれたの。アゲハはまだ私が殺したいほど憎んでるって思ってるから……頭いいくせに馬鹿だよねぇ」


ルーラがそう言って笑ったのが意外だった。

ルーラはアゲハを許したの?

私たちが元の世界に戻っていた間、この世界では5ヶ月は過ぎてるから…色々あって当たり前なんだけど。

聞きたいことも、知りたいことも、どんどん増えてきてるよ。


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