物の怪なんでも相談所

由奈(YUNA)

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●タヌキとキツネの化かし合い

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「は~い♡そうですっ!お客さん??」


未唯は物凄い変わり身の速さでタヌキたちを部屋に招いて

妙にでっかい壺を背負ったタヌキ親子が中に入ってきた。


壺、、何が入ってるんだろう?気になるな……。



「で?相談内容は~??」


未唯がニコニコしながら俺の代わりに聞いて

母タヌキはモジモジとしながら話し始めた。



「私ら田舎から都会に出てきたタヌキです。
都会に来てすぐ、キツネに騙され身ぐるみ剥がされてしまい……露頭に迷ってしまいました」


母タヌキの説明の隣で、グスグスと泣き出す子タヌキ。


「あらぁ~…それは可哀想。
ほら、お菓子あげるから泣き止んで?」


未唯はたまにある小さい子への優しさスイッチが入ったみたいで

子タヌキにチョコレートを渡してるけど………思いっきりトビの名前書いてあるヤツな、それ。


子タヌキも子タヌキでバリバリ食べ始めちゃったから………トビ、すまんな。


とりあえず、心の中で手を合わせて謝っておいた。



「荷物を取り戻す…が、依頼内容として、報酬は払えるのか?
一応こちらも商売なんでね」


「もっ!もちろんです!!
荷物には財布もありますし……とは言えまずは手付けとして、この壺を差し上げます!」


母タヌキが差し出したのはずっと気になっていた壺。


蓋を開けると酸っぱい臭い。



「わぁお!梅干し?」


未唯は目を輝かせて喜んでいたけど


未唯は食べないだろうが………。
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