物の怪なんでも相談所

■雪が解けて、春

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この村は、結界石によって守れていた。


故に結界石を操れる村長がいるのは必須。


村長がいないのはつまり、村の全てが死に絶えると同義語だったから………。





そんな村だから、なのかもしれないが

村長としての最重要任務は“時期村長を作ること”で

つまりは子作りに励めって事だった。



村長の血筋から必ず次の村長が生まれる訳ではないにも関わらず


可能性が高いからという理由だけで元老は毎日、俺のもとへ女を通わせていた。


通わせる女に自分の意志などなく、若い女や子を産んだ事がある女で

中には結婚していたり、想う相手がいる女もいた。



長としての務めは理解している。


が、嫌がる相手とは関係を持ちたくなくて、、、何もなく終わらせる日の方が多かった。



もちろん、双方元老には言わずこのまま時が流れ

子を望む女がいずれ子を授かれば、この問題は解決すると……安易に考えていた。





村長になり2年ほどが経っても子を授かる者は現れず、元老たちが苛立ちはじめた頃


雪乃に、変化が現れた。



その変化が意味する事は、間違いなくいずれ俺との子を産ませる事。

そんな事は、、恐ろしくて考えたくもなかった。


だから、母さんも俺も悩んだ末に、雪乃を村から逃がす事にした。


今まで夜の相手をしなかった女やその家族は、俺の想いを汲んでくれて協力をしてくれた。


村の者は皆、知っていたんだ。


俺たち家族の絆を


どれだけ、お互いがお互いを想いやっているのかを、、、