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由奈(YUNA)

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28.大和くんの恋の行方

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それから、嵐くんの部屋を出たら

どこかの部屋から話し声が聞こえた。


声の主は唯斗くんで、返事とかは聞こえないから電話しているのかな?

何を話しているかまで分からないし聞きたくないけど……たぶん、彼女さんと話しているんだと思う。



明日、唯斗くんと大和くんはどんな顔をして会うのかな?

唯斗くんは普通に接するだろうけど、大和くんは??


もしも……もし、私が大和くんだったら………唯斗くんとは、普通に話せないよ。


そんな事を思いながら寝たせいか

朝はいつもより早くに起きて、少し部屋でボーッとしてから一階へ降りた。



「おはようございます」


挨拶をしながらリビングのドアを開けたら、珍しく唯斗くんが起きている。

朝早いのは珍しい……。



「おはよ。あー、ねむっ」


大きなあくびをしながらアイスコーヒーをがぶ飲み。

聞かなくても、大和くんを気にしての行動だって分かったよ。


嵐くんと明くんも起きていて、リビングにいないのは大和くんだけ。


「大和兄……寝込んでたりして」


「いや、さすがにそこまで女々しくはないって」


明くんと嵐くんも、大和くんを気にしていた。



いつもより遅く、嵐くんが家を出た頃にリビングにやってきた大和くん。

いつもは寝起きのままリビングに来るのに、今日は制服を着て髪もセットして……いつでも家を出れる状態。


「おはよ。
葵、弁当ありがとう。

行ってきます」


リビングに着てすぐ、お弁当を受け取って

唯斗くんを見ることもなく、リビングを出ていった大和くん。


あまりの早さに全員が呆気に取られる中、明くんが呟いた。



「……あれ?俺、置いていかれた、、、」

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