立花家へようこそ！

21.普通の家庭の定義

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高田さんたちは帰りまで教室に戻ってこなかった。

そして私は……今日も杉山先生に呼び出されたんだけど、、、



「先生は酒井と赤塚は呼んでないがなぜいるんだ？」


ひなちゃんとケイくんも、一緒。


「私も先生に話あるし！
清香たちの話なら私も当事者だしね！！」

「俺は別に用はないけど……」



チラリとケイくんがひなちゃんを見たから、、なんとなく、察した。



先生は嫌そうな顔をしているけど、ひなちゃんが自ら当事者だと言った以上、追い出すこともしなかった。



「分かった。本題に入る。


立花さんから連絡を受けたが……城山は本当に謝る気がないんだな？」


美香さん、どんな風に先生に言ったのかな？


「はい。私が謝る前に、私への謝罪を求めます」



昨日より強めに、言ってしまった。



「だったら今日、まだ連絡をしていない城山の母親に連絡を入れる。

城山のお母さんは海外で働いている有名な化粧品会社の社長だから忙しいはずだ。

そんな母親へ連絡をして、いいんだな？」


先生が何をお母さんに話すか分からない。

お母さんに迷惑をかけるのは必須。


でも、だからって折れないよ、私は。



「構いません。昨日も私はそう言ったはずです」



理不尽には、屈しない。







「てかさぁ、」


ジッと先生と向き合っていた時に、急に空気を変えたのはケイくんの声。



「先生がヤバくない？心サンの個人情報、俺らの前で話しすぎ。

お母さんが海外とか社長とか、知らなかったし。

そういうの、最近厳しいんじゃないの？」



……確かにそう。

ケイくんは、知らない人。



だけど先生は半笑いで言った。


「例えば城山が授業料も払えないような貧乏な家庭なら誰にも言わないが……


母親が社長でいい暮らしをしているんだ。

自慢できることなんだから、隠す必要がないだろ？」




先生は………馬鹿なのかな？


自慢できる？


そんな訳ないのにね。