立花家へようこそ!

由奈(YUNA)

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21.普通の家庭の定義

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夜、7時前


「ただいま帰りました~」


私が帰宅したら、唯斗くんと嵐くん以外はリビングにいてテレビを観ていた。

ご飯は、食べ終わったみたい。


「おかえりーっ!!
カレーまだあるけど食べるー??」


明くんが気を遣ってくれたけど、お腹いっぱい。

断りを入れたらすぐ、美香さんに呼ばれた。


「心ちゃん、ちょっといいかしら?」


美香さんに、充さん。

二人揃って2階を指差すからさすがに分かった。


先生は、本当に立花家に連絡を入れたんだなぁって。



「どうしたのー??」

明くんは心配そうな顔をして聞いてきたけど、さすがにこの場では私も話したくはなくて。


「なんでもないよ?
ちょっと話をしてくるね」


話をするのに席を外す。

それが“なんでもない”訳がないけど、私はそう言うしかなかった。



2階に上がって私の部屋に入って

充さんたちもすぐに部屋に入ってきた。


「いきなりごめんねぇ……にしても部屋数が足りない家よねぇ……パパ、リフォームしてよ」

立花家は十分広い家だと思う。

私が来たから手狭になったんじゃないかな?という程度。


美香さんと充さんはリフォームについて語っているけど、絶対に本題はそこじゃない。

わざと、私の緊張を解くために話している………そんな気がした。



「……そろそろ話を進めていいか?」


ついに充さんが話の流れを変えて、真剣な顔で私を見てきた。


なんとなく……真剣な顔をした充さんは圧が強い……気がします。


「なんで呼んだか、理由は分かるよね?」


「……学校からの連絡、ですよね?」


目を見て答えたら、充さんは頷いた。




「心ちゃんの話、聞かせてくれるかな?」

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