立花家へようこそ！

21.普通の家庭の定義

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負けたくなくて、ジッと目を逸らさずに先生を見ていたけど

先生は私から視線を逸らしてから盛大なため息を吐いた。



「あのなぁ、城山。

高田たちが言っていたぞ？

『私たちは一度も城山さんの名前を呼んでいない』と。


城山は高田たちにからかわれたって言ったが、それは本当に城山に対してだったのか？

高田たちは城山と名指ししていたのか？」


それは……確かに名前を呼んでは言われていない。

でもあれは、私に対して言っていた。



「名前は、呼ばれていません。

でも……！」


私が続きを言おうとしたら

杉山先生はバンッ！と音をたてて机を叩いた。

その音にビックリして言葉を止めたら、先生が怖い顔をして私を見ていた。


「城山の被害妄想だろ？

全く……そんな事でコトを大きくするなんて。

これだから、複雑な家庭の子は……」



先生のこの言葉で、色々諦めた。


だって、先生は私の言う言葉を信じる気はないんだもん。


名前を呼ばなくても、あれは私に対してだった。

被害妄想なんかじゃない。


でも、、先生は信じてくれない。


最初から、それは予感していたけど。

だって、先生は高田さんたち寄りって感じがしたんだもん。



「城山が高田たちに謝れば済む話だ。

なっ？簡単だろ？」


先生は全て私のせいにして、高田さんたちに謝らせてこの件は終わりにしたい。

そんな感じがひしひしと伝わってきた。



私は

私は、自分が悪くない事までは




謝れない。



「……嫌です。私だけじゃなくて高田さんたちも謝るべきです」


だから、頑なに拒否をした。