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最後の戦い

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「将はアベルさんです!だからセシル様!!!」



兵士はあたしとアベルの関係を知っての好意。




「あたしは行きません。あたしが抜けたらこの部隊のみんなはどうなりますか?あたしはアベルを信じます」



ハッキリと言いきったけど本心ではなかった。

だけど、あたしはリーダーだから。

だから、こんな大事な場面で、私情を挟んではいけない。



「セシル殿……軍司としての進言です」


アニエスに言われて振り向いた。


振り向いたらアニエス他、兵士はみんなあたしを心配する顔をしていた。



「私も向かいますから共にアベル殿の元へ行きましょう。」



アニエスの言葉が意外だった。


兵士たちも「自分たちは大丈夫だ」と口々に言って、アニエスが選んだあたしの部隊数名を護衛につけて行くとまで決めた。



「でも……」



あたしは戦に私情を挟みたくなかった。


万が一の事態も信じたくない。


そんな中、兵士の一人が言った。



「行かないで後悔と行って後悔……どちらがセシル様には辛いですか?」


この言葉に目が覚めた。



「お嬢様!アベルが!!!」



前を見たらゼシカがこちらに来ていた。

最前線にいてるはずの将なのに……


ゼシカもアベルが心配なんだ。



「私がアベルの居場所わかります!私の部隊はレイに任せました!ご一緒に!!」



ゼシカの言葉にあたしはもう一度兵士を見た。


あたしの立場を知りながらも進言してくれる人がいる。


だからあたしは決めた。




「ごめん……すぐに戻る!!!」



あたしはそう行ってアニエスとゼシカ、そして兵士数名と共に馬を走らせた。

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