163 / 297
再会、そして、決着
10
しおりを挟む
「見事だな……私を出し抜き、この城を落とすとは…」
お父さんはなぜイザベラを切ったの?
聞きたくても、あたしも聞ける状態じゃなかった。
あたしは座ってもいられず横に倒れた。
「私は帝国3大将軍の1人…代々帝国に仕えてきた家の者だ。本来ならばこの城と運命を共にするべきなのだろう……解放団のリーダーを巻き添えにして…」
「あたしは……死なないよ…助けがくるって…信じてる…」
「その姿でよく言うな」
お父さんの言う通り、正直あたしは早く誰か来てくれなきゃもたないとわかっていた。
目の前にいる敵の将軍、そして熱気と煙、さらに精神的、体力的な問題であたしの身体はもう限界だ。
「死ぬなら……お父さんが…殺して………お父さん裏切ってから…ずっとあたしは…お父さんに殺されるって…思っていたから……」
そう言って目を閉じた。
あたしがいなくなったらみんなどうするかな?
お母さんの目指した世界、あたしも目指していたよ……。
意識が朦朧とする中、はっきりと聞こえた一言。
「しかし、私は“将軍”としてではなく“父”として娘を助けたいと……セシルを失いたくないと思う」
お父さんはなぜイザベラを切ったの?
聞きたくても、あたしも聞ける状態じゃなかった。
あたしは座ってもいられず横に倒れた。
「私は帝国3大将軍の1人…代々帝国に仕えてきた家の者だ。本来ならばこの城と運命を共にするべきなのだろう……解放団のリーダーを巻き添えにして…」
「あたしは……死なないよ…助けがくるって…信じてる…」
「その姿でよく言うな」
お父さんの言う通り、正直あたしは早く誰か来てくれなきゃもたないとわかっていた。
目の前にいる敵の将軍、そして熱気と煙、さらに精神的、体力的な問題であたしの身体はもう限界だ。
「死ぬなら……お父さんが…殺して………お父さん裏切ってから…ずっとあたしは…お父さんに殺されるって…思っていたから……」
そう言って目を閉じた。
あたしがいなくなったらみんなどうするかな?
お母さんの目指した世界、あたしも目指していたよ……。
意識が朦朧とする中、はっきりと聞こえた一言。
「しかし、私は“将軍”としてではなく“父”として娘を助けたいと……セシルを失いたくないと思う」
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた
黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。
その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。
曖昧なのには理由があった。
『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。
どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。
※小説家になろうにも随時転載中。
レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。
それでも皆はレンが勇者だと思っていた。
突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。
はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。
ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。
※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。
聖女の私にできること
藤ノ千里
恋愛
転生した先は江戸時代のような世界。
望まず与えられた力。残してしまった未練と後悔。
不完全な力に落ち込み、絶望しながらも「聖女」として生きていく。
これはそんな、弱くて強い私の物語。
異世界でお取り寄せ生活
マーチ・メイ
ファンタジー
異世界の魔力不足を補うため、年に数人が魔法を貰い渡り人として渡っていく、そんな世界である日、日本で普通に働いていた橋沼桜が選ばれた。
突然のことに驚く桜だったが、魔法を貰えると知りすぐさま快諾。
貰った魔法は、昔食べて美味しかったチョコレートをまた食べたいがためのお取り寄せ魔法。
意気揚々と異世界へ旅立ち、そして桜の異世界生活が始まる。
貰った魔法を満喫しつつ、異世界で知り合った人達と緩く、のんびりと異世界生活を楽しんでいたら、取り寄せ魔法でとんでもないことが起こり……!?
そんな感じの話です。
のんびり緩い話が好きな人向け、恋愛要素は皆無です。
※小説家になろう、カクヨムでも同時掲載しております。
普段は地味子。でも本当は凄腕の聖女さん〜地味だから、という理由で聖女ギルドを追い出されてしまいました。私がいなくても大丈夫でしょうか?〜
神伊 咲児
ファンタジー
主人公、イルエマ・ジミィーナは16歳。
聖女ギルド【女神の光輝】に属している聖女だった。
イルエマは眼鏡をかけており、黒髪の冴えない見た目。
いわゆる地味子だ。
彼女の能力も地味だった。
使える魔法といえば、聖女なら誰でも使えるものばかり。回復と素材進化と解呪魔法の3つだけ。
唯一のユニークスキルは、ペンが無くても文字を書ける光魔字。
そんな能力も地味な彼女は、ギルド内では裏方作業の雑務をしていた。
ある日、ギルドマスターのキアーラより、地味だからという理由で解雇される。
しかし、彼女は目立たない実力者だった。
素材進化の魔法は独自で改良してパワーアップしており、通常の3倍の威力。
司祭でも見落とすような小さな呪いも見つけてしまう鋭い感覚。
難しい相談でも難なくこなす知識と教養。
全てにおいてハイクオリティ。最強の聖女だったのだ。
彼女は新しいギルドに参加して順風満帆。
彼女をクビにした聖女ギルドは落ちぶれていく。
地味な聖女が大活躍! 痛快ファンタジーストーリー。
全部で5万字。
カクヨムにも投稿しておりますが、アルファポリス用にタイトルも含めて改稿いたしました。
HOTランキング女性向け1位。
日間ファンタジーランキング1位。
日間完結ランキング1位。
応援してくれた、みなさんのおかげです。
ありがとうございます。とても嬉しいです!
ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。
異世界に召喚されたけど、聖女じゃないから用はない? それじゃあ、好き勝手させてもらいます!
明衣令央
ファンタジー
糸井織絵は、ある日、オブルリヒト王国が行った聖女召喚の儀に巻き込まれ、異世界ルリアルークへと飛ばされてしまう。
一緒に召喚された、若く美しい女が聖女――織絵は召喚の儀に巻き込まれた年増の豚女として不遇な扱いを受けたが、元スマホケースのハリネズミのぬいぐるみであるサーチートと共に、オブルリヒト王女ユリアナに保護され、聖女の力を開花させる。
だが、オブルリヒト王国の王子ジュニアスは、追い出した織絵にも聖女の可能性があるとして、織絵を連れ戻しに来た。
そして、異世界転移状態から正式に異世界転生した織絵は、若く美しい姿へと生まれ変わる。
この物語は、聖女召喚の儀に巻き込まれ、異世界転移後、新たに転生した一人の元おばさんの聖女が、相棒の元スマホケースのハリネズミと楽しく無双していく、恋と冒険の物語。
2022.9.7 話が少し進みましたので、内容紹介を変更しました。その都度変更していきます。
後宮の棘
香月みまり
キャラ文芸
蔑ろにされ婚期をのがした25歳皇女がついに輿入り!相手は敵国の禁軍将軍。冷めた姫vs堅物男のチグハグな夫婦は帝国内の騒乱に巻き込まれていく。
☆完結しました☆
スピンオフ「孤児が皇后陛下と呼ばれるまで」の進捗と合わせて番外編を不定期に公開していきます。
第13回ファンタジー大賞特別賞受賞!
ありがとうございました!!
夜を越えて巡る朝
トウリン
ファンタジー
少年は生きる意味も目的も知らず、ただ糧を得る為だけに戦っていた。少女はその強大な力故に恐れられ、隔絶された檻の中で、ただ言われるがままに戦っていた。
傭兵省吾は志しもなく反乱軍に身を投じ、そこで「紅い目の魔女」と呼ばれる少女イチに出会う。その美しいが何も映さない眼差しに囚われ、省吾は初めて何かを欲した。そしてイチもまた、己に伸ばされた手に、怯えながらも惹かれていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる