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絡まる糸

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「いや~、でもアベルとセシルねぇ~」


クルーが茶化すように言う。



「いいじゃないですか。平和になれば結ばれますよ」


サンが微笑みながら言った。


「……セシル殿が必死に守ったイヤリングもアベル殿関係みたいだな」


クレイルの言葉に一瞬にしてみんなにばれた。



「守ったって……?」


アベルが不思議そうにしてるから周りの人がアベルがいない間を説明していた。



「セシル!手は大丈夫ですかっ!?耳もですけどあなた、怪我がないためしがないじゃないですか!?」



「擦りむいた程度だよ!てゆーかひどくない!?あたしそんな怪我ばっかしてないし!」



「い・い・え!ハーン様のお屋敷にいた頃は毎日のように剣の練習で擦り傷だらけだし、たまに私を真似て料理をしようとして手を切ったりしてました!」




あたしとアベルのやり取りに周りからは笑いがおこった。


「さすがセシルの付き人やってただけあって張り合えるな!」


クリックがそう言いながら笑っていた。



その場がみんな笑いに包まれてあたしも安心した。

みんな、アベルに対する疑念はないみたいだし。




「過去なんて話す必要なんかねぇさ。いちいち全員の過去を把握しなきゃいけない決まりはない。今までのお前を見てたら誰もが認めてるから気にすんな」


アベルの過去については、クルーがフォローしてくれて、クルーの言葉にみんな頷いていた。



「俺……アベルさんに憧れました!アベルさんみたいな戦士になります!」


フッキがいきなりアベルにそう宣言した。

その宣言にアベルも笑顔を見せてこの場のこの件は一段落した。




あとはベルの処分―――――



彼の行動をどう裁くか決めないといけない。

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