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コウ
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しおりを挟む翌朝―――――
俺が起きると蓮と辰央はまだ寝ていた
まぁ昨日遅くまで話していたから仕方ないけど
「おはよう、トミさん」
一階に行けばトミさんしかまだ起きていなかった
一階にある和室に麗香たちが寝ているから、小声で挨拶
トミさんは俺の顔をじぃっと見てから嬉しそうな顔になった。
「久しぶりにコウちゃんがいい顔してるわね」
「ちょっと……それっていつも変な顔だって事?ひどいなぁ」
トミさんは俺の表情で全部察してくれた
年の功って言うのかな?
トミさんの言わないでも伝わるこの感じ、いつも感心する
「あ、トミさんには一応報告」
最初に言うのは、トミさんが良かったから。
「来週、母さんに会いに行くよ」
トミさんの表情が揺れた
きっと、色々考えを巡らせたんだと思う
俺がみんなに話そうとした理由とか
俺が母さんに真実を話すかどうかとか
それを、聞いていいのか、とか
「そう……」
ポツリと
それ以上はなにも言わなかった
「母さんに、真実を話そうかと思う
ユウジさんに話すのが先だけど……やっぱり俺は、ちゃんと謝りたいから」
「コウちゃんがそう決めたなら……何も言わないわ
ただね、私はコウちゃんの味方よ?
それだけは忘れないでね」
「ありがとう、トミさん
帰ってきて落ち込んでたら慰めてね?」
トミさんは気づいているかな?
俺は
トミさんにだけは
大事な事は全部、最初に伝えているんだよ
俺が一番大事な場所って
トミさんがいる場所だって
トミさん、分かっているのかな?
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