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コウ
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みんなには、いつか話す時が来るかも知れないって
最近は薄々感じていた
花見に行った翌朝
トミさんと話したくて、みんなが来る時間よりずっと早くに起きた
「あら、珍しい
コウちゃん早起きねぇ、おはよう」
「トミさんおはよう
ちょっと朝からで悪いけど、真面目な話していいかな?」
俺の雰囲気から何かを悟ったみたいで
二人分のお茶を用意して、静かに座ったトミさん
俺用に出された湯のみを両手で掴むとじんわりと温かい
「俺がこの家に来て、もうすぐ6年になるね」
はじめて来たのは15歳の時
高校の入学と同時にトミさんの家で生活を始めた
「そうね、早いわねぇ」
トミさんはウンウン頷いてお茶を啜った
「トミさんも、最近の俺は変だと思う?」
俺の直球の質問に、一瞬止まったけど
「元気がないなぁと、感じているよ?」
遠まわしに変だって言われた
………ですよね
トミさんは、俺が自分の本心を話すタイプじゃないって分かっているから
俺に聞かないだけなんだよね
「俺がさ、、自分の話、を、みんなに話しても………いいと思う?」
トミさんの時間が止まったみたいに
俺を見て、固まった
「……………それは、、、夏に蓮くんと辰央くんに話した内容?」
「それと、その続き」
再び、トミさんが止まった
トミさんも色々思い出しているんだと思う
この家に来て6年になるけど
そのさらに1年前
俺が中3の時から、一緒にいると言っても過言ではない
それよりも昔を思い出しているんだろうね
「コウちゃんは、話したいの?」
俺?
俺は、、、
「分かんない、、、
ただ、みんなにこれ以上心配もかけたくない」
「そう………」
トミさんは口数少なくそう言ってまたしばらく黙った
「コウちゃんが話してもいいと思うなら……私は、反対はしないわ」
「ありがとう、トミさん
トミさんには本当に色々、感謝してる」
「改まってやぁねぇ
お礼を言われる事はしてないわよ」
「そうかな?
………これからもよろしくね?」
俺の言葉にトミさんは
少し嬉しそうな
それでいて、少し悲しそうな顔をして頷いた
最近は薄々感じていた
花見に行った翌朝
トミさんと話したくて、みんなが来る時間よりずっと早くに起きた
「あら、珍しい
コウちゃん早起きねぇ、おはよう」
「トミさんおはよう
ちょっと朝からで悪いけど、真面目な話していいかな?」
俺の雰囲気から何かを悟ったみたいで
二人分のお茶を用意して、静かに座ったトミさん
俺用に出された湯のみを両手で掴むとじんわりと温かい
「俺がこの家に来て、もうすぐ6年になるね」
はじめて来たのは15歳の時
高校の入学と同時にトミさんの家で生活を始めた
「そうね、早いわねぇ」
トミさんはウンウン頷いてお茶を啜った
「トミさんも、最近の俺は変だと思う?」
俺の直球の質問に、一瞬止まったけど
「元気がないなぁと、感じているよ?」
遠まわしに変だって言われた
………ですよね
トミさんは、俺が自分の本心を話すタイプじゃないって分かっているから
俺に聞かないだけなんだよね
「俺がさ、、自分の話、を、みんなに話しても………いいと思う?」
トミさんの時間が止まったみたいに
俺を見て、固まった
「……………それは、、、夏に蓮くんと辰央くんに話した内容?」
「それと、その続き」
再び、トミさんが止まった
トミさんも色々思い出しているんだと思う
この家に来て6年になるけど
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俺が中3の時から、一緒にいると言っても過言ではない
それよりも昔を思い出しているんだろうね
「コウちゃんは、話したいの?」
俺?
俺は、、、
「分かんない、、、
ただ、みんなにこれ以上心配もかけたくない」
「そう………」
トミさんは口数少なくそう言ってまたしばらく黙った
「コウちゃんが話してもいいと思うなら……私は、反対はしないわ」
「ありがとう、トミさん
トミさんには本当に色々、感謝してる」
「改まってやぁねぇ
お礼を言われる事はしてないわよ」
「そうかな?
………これからもよろしくね?」
俺の言葉にトミさんは
少し嬉しそうな
それでいて、少し悲しそうな顔をして頷いた
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