236 / 263
コウ
8
しおりを挟む
来た道を戻る時も隣は辰央
「聞いてもいい?」
ちょっと前の四人と距離が空いた時に、辰央に真面目な声のトーンで言われた
「何が?」
「先週の日曜日、ありさと一緒に本屋に行ったんだけど、駅でコウを見た
一人でベンチでボーッとしてて……それから2時間くらい経っても同じ場所でボーッとしてた
何かあったの?」
辰央がじっと俺を見ていて
俺は、その目を見ることができなかった
2時間くらい一人でボーッとしてるとか、どう考えても不審者じゃん、俺
「疲れてて……休んでた」
「トミさんの家から駅までそんなに離れてないのに?」
「うん、そうだね……確かに」
「最近のコウ、ずっと変だよ
………俺が聞いた話が関係してる?
言いたくないのに言わせた、、とか」
辰央って、いい子だと思う
こうやって気にしてくれる子だからね
「言わせた、って訳じゃなくて、自発的に話しただけだよ」
「じゃあ、最近変な理由は?」
「それは、全員がそう思ってるの?
俺が変だって、
別に、何もないけどなぁ、、、」
困ったフリして答えたけど、辰央が立ち止まった
振り向くと、真面目な顔をして俺を見ていた
「全員、コウが変だって思ってる
ありさが『コウに出会った頃の自分を見てるみたいで心配』って言ってた
コウに出会った頃のありさがどんなありさかは知らないけど、コウならこの言葉の意味、分かるんじゃない?」
俺がありさに出会った頃
ありさは飛び降り自殺しようとしていた
俺が死にそうに見えてる?
「俺の時はコウやみんなに助けられた
一番辛いときにみんなが変わらずにいてくれたから、今がある
今度は俺が、コウを支えられないのかな?」
真剣に訴えてくる辰央
気持ちは、、有り難い
だけど、、、
「話して“みんなが変わったら”嫌だから言えないよ」
そう言って、辰央に背を向けた
「聞いてもいい?」
ちょっと前の四人と距離が空いた時に、辰央に真面目な声のトーンで言われた
「何が?」
「先週の日曜日、ありさと一緒に本屋に行ったんだけど、駅でコウを見た
一人でベンチでボーッとしてて……それから2時間くらい経っても同じ場所でボーッとしてた
何かあったの?」
辰央がじっと俺を見ていて
俺は、その目を見ることができなかった
2時間くらい一人でボーッとしてるとか、どう考えても不審者じゃん、俺
「疲れてて……休んでた」
「トミさんの家から駅までそんなに離れてないのに?」
「うん、そうだね……確かに」
「最近のコウ、ずっと変だよ
………俺が聞いた話が関係してる?
言いたくないのに言わせた、、とか」
辰央って、いい子だと思う
こうやって気にしてくれる子だからね
「言わせた、って訳じゃなくて、自発的に話しただけだよ」
「じゃあ、最近変な理由は?」
「それは、全員がそう思ってるの?
俺が変だって、
別に、何もないけどなぁ、、、」
困ったフリして答えたけど、辰央が立ち止まった
振り向くと、真面目な顔をして俺を見ていた
「全員、コウが変だって思ってる
ありさが『コウに出会った頃の自分を見てるみたいで心配』って言ってた
コウに出会った頃のありさがどんなありさかは知らないけど、コウならこの言葉の意味、分かるんじゃない?」
俺がありさに出会った頃
ありさは飛び降り自殺しようとしていた
俺が死にそうに見えてる?
「俺の時はコウやみんなに助けられた
一番辛いときにみんなが変わらずにいてくれたから、今がある
今度は俺が、コウを支えられないのかな?」
真剣に訴えてくる辰央
気持ちは、、有り難い
だけど、、、
「話して“みんなが変わったら”嫌だから言えないよ」
そう言って、辰央に背を向けた
0
お気に入りに追加
10
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
スケートリンクでバイトしてたら大惨事を目撃した件
フルーツパフェ
大衆娯楽
比較的気温の高い今年もようやく冬らしい気候になりました。
寒くなって本格的になるのがスケートリンク場。
プロもアマチュアも関係なしに氷上を滑る女の子達ですが、なぜかスカートを履いた女の子が多い?
そんな格好していたら転んだ時に大変・・・・・・ほら、言わんこっちゃない!
スケートリンクでアルバイトをする男性の些細な日常コメディです。
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
愚かな父にサヨナラと《完結》
アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」
父の言葉は最後の一線を越えてしまった。
その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・
悲劇の本当の始まりはもっと昔から。
言えることはただひとつ
私の幸せに貴方はいりません
✈他社にも同時公開
隣の人妻としているいけないこと
ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。
そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。
しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。
彼女の夫がしかけたものと思われ…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる