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第2章 回復薬(1)
#13 回復薬の新たな作り方を考える
しおりを挟むソーラスに指示されてひたすらスリスリを続けたハヤトであったが、これをひたすらに続けさせられたら体が持たない。なので何か効率的に作業を行う方法を考え出すか、ソーラスを越える回復薬をつくってみせなければいけない。
■■■
知識の浅いハヤトが自分で考えるよりも、まずは長年薬師として働いているコスタに聞くことにした。もちろんスリスリと作業は続けながらである。
「コスタさん、何か良い考えはないですか?」
「うーんそうだなぁ……自動でスリスリしてくれる装置とかあればいいんだけど」
「そんな機械をつくる知識はないから無理だよ。やっぱり効率的なものは難しいかもしれないな」
長年続けられてきたことには、何かしらの意味がある。たとえ機械を使ったとしても余計な熱を加えて悪影響が出るかもしれない。
「なら俺達はあのババアの指示に従ってずっとスリスリしなければいけないのかよ?」
「本当にコスタは怖いもの知らずだな……。でもやっぱりソーラスを越える回復薬を生み出す方向がいいんだろうな」
「それこそ難しくないか? ソーラスのランクはAで、ハヤトはBそして俺はDだからな」
「確かにスキルの差はあるけど、そこはアイデアで埋められるさ。このスリスリだってソーラスの拘りで効果を高める方法なんだろうから」
「いや、このスリスリは絶対あのババアの嫌がらせだって」
「まぁそうかもしれないけど、何かアイデアはないかな? 回復薬の不満とかでもいいんだけど」
「そうだな……やっぱり聖水を使ってるから値段が張るのと、かさばる事かな。あとは味だな」
「うーん、そうか。でも聖水を使うのは作製上仕方ないからな。安く手に入ったり出来ないのかな?」
「教会が作製と管理をしてるから無理だろうな」
「そうか……後はかさばることと味か」
「ああ水分が重たいのと、薬草の味は苦いから、回復薬も美味しくはないんだよ」
「味はともかく、重たさは丸薬にしてなんとかならないかな?」
「丸薬か……確かにそのサイズに押さえられると劇的な変化だけれども、聖水を使うからにはやっぱり難しいかな」
「そうか結局は聖水がネックになるんだな。何か代替できる方法を思い付けばあるいわ……」
その後も二人で何か良いアイデアがないか話ながら作業を続けたのだが、良い方法は思い付かなかった。
■■■
この日もひたすらスリスリさせられる二人だったが、コスタの方が日増しに数量が多くなっているのは気のせいだろうか……。
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