クロス・ボーダー 京都侵略編

今だから言えることがある。
私は自意識が足りなかった。
あの時の私は、破山の名前を背負ってしまった責任とその力の影響を最低なほど知らなかった。
ここで起こるのは戦後最悪の災害。
そう、京都事変だ。
今はもう、世界の矛盾だって、異人全滅を目論む霧幻もいない。
でもこの事件だけは風化させるわけにはいかない。
それだけ、異人と霧幻にとってはすべてを揺るがす大事件だった。
京都事変での死亡者は四桁に上る。その多くは救出にやってきた警察官や自衛隊員だったが、それ以外にも戦って命を落とした人がいた。
大切な人や守りたいものを貫いた結果、命を奪われる。
大切なものを守ろうとした存在を葬っていいわけがない。だからと言ってこのような事例を無くすこともできない。
結局、力のない存在は無力感に押しつぶされるしかない。

そんな“戦場”だった。

森の喫茶店 人事部担当  破山結菜
24h.ポイント 0pt
0
小説 192,695 位 / 192,695件 SF 5,468 位 / 5,468件

あなたにおすすめの小説

それでも僕は空を舞う

みにみ
SF
この空を覆う 恐怖 悲しみ 畏怖 敬意 美しさ 大地を覆う 恐怖 幸せ  それを守るために空に舞う、1人の男と それを待つ1人の女の物語

蒼空のイーグレット

黒陽 光
SF
 ――――青年が出逢ったのは漆黒の翼と、紅蓮の乙女だった。  桐山翔一は雨の降る夜更け頃、異形の戦闘機を目撃する。漆黒のそれはYSF-2/A≪グレイ・ゴースト≫。操縦にESP能力を必要とする、真なる超能力者にしか操れない人類の切り札だった。  その戦闘機を駆る超能力者の少女、アリサ・メイヤードと出逢ったことで、彼の運命は急速に動き始める。人類が秘密裏に戦い続けていた異形の敵、地球へ侵攻を始めた謎の異星体『レギオン』。外宇宙からもたらされた重力制御装置『ディーンドライヴ』と、それを利用し大宇宙を駆ける銀翼・空間戦闘機。この世界は嘘だらけだった。嘘で塗り固めた虚構の中で、人々は生き続けて……いいや、生かされ続けてきたのだ。偽りの歴史の中で、何も知らぬままに。  運命に導かれるままに出逢いを果たし、そして世界の裏側と真実を知った翔一は、それでも飛びたいと願ったのだ。この蒼い空を、彼女となら何処までも飛べると感じた、この空を――――。  大いなる空と漆黒の宇宙、果てなき旅路に黒翼が舞い上がる。  SFフライト・アクション小説、全力出撃開始。 ※カクヨムでも連載中。

機械化童話

藤堂Máquina
SF
今の時代、きっと魔法を使えるのは作家だけだ。 彼らの作り出す世界は現実離れしたものだがそこには夢と希望があった。 残念ながら私が使える魔法というのはそう優れたものではない。 だから過去の遺物を少し先の未来の預言書として表すことにしよう。 残酷な機械による改変として。

地球防衛チームテレストリアルガードの都合!? 9章

のどか
SF
読んでいただけたら幸いです

航宙駆逐艦戦記 『雪嵐ハ沈マズ』……ユキカゼじゃないですユキアラシですよ!!

ペルスネージュ
SF
 このお話は、二千年ほど未来の架空世界において、いくつかの星系を領域とする『宙域国家』同士の争いを駆逐艦艦長とその周辺の人々から見たお話です.連載にするかもですね。 ※この小説は『小説家になろう』に掲載しています。

法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 『修羅の国』での死闘

橋本 直
SF
その文明は出会うべきではなかった その人との出会いは歓迎すべきものではなかった これは悲しい『出会い』の物語 『特殊な部隊』と出会うことで青年にはある『宿命』がせおわされることになる 法術装甲隊ダグフェロン 第三部  遼州人の青年『神前誠(しんぜんまこと)』は法術の新たな可能性を追求する司法局の要請により『05式広域制圧砲』と言う新兵器の実験に駆り出される。その兵器は法術の特性を生かして敵を殺傷せずにその意識を奪うと言う兵器で、対ゲリラ戦等の『特殊な部隊』と呼ばれる司法局実働部隊に適した兵器だった。 一方、遼州系第二惑星の大国『甲武』では、国家の意思決定最高機関『殿上会』が開かれようとしていた。それに出席するために殿上貴族である『特殊な部隊』の部隊長、嵯峨惟基は甲武へと向かった。 その間隙を縫ったかのように『修羅の国』と呼ばれる紛争の巣窟、ベルルカン大陸のバルキスタン共和国で行われる予定だった選挙合意を反政府勢力が破棄し機動兵器を使った大規模攻勢に打って出て停戦合意が破綻したとの報が『特殊な部隊』に届く。 この停戦合意の破棄を理由に甲武とアメリカは合同で介入を企てようとしていた。その阻止のため、神前誠以下『特殊な部隊』の面々は輸送機でバルキスタン共和国へ向かった。切り札は『05式広域鎮圧砲』とそれを操る誠。『特殊な部隊』の制式シュツルム・パンツァー05式の機動性の無さが作戦を難しいものに変える。 そんな時間との戦いの中、『特殊な部隊』を見守る影があった。 『廃帝ハド』、『ビッグブラザー』、そしてネオナチ。 誠は反政府勢力の攻勢を『05式広域鎮圧砲』を使用して止めることが出来るのか?それとも……。 SFお仕事ギャグロマン小説。

鋼の光

恋川竹道
SF
「この星に、未来はない」 核戦争で荒廃した地球に、一人の少女がいた。 少女は、両親を失い、妹を失い、少女たりうる心をも失っていた。 誰もが思った。放射能がきつい東京の路地で、この子は朽ちてゆくのか…と。 だが。 少女は孤児院に拾われ、暖かい食べ物を得、ぐっすりと眠れるベットを得、仲間を得、失っていた心を得… 「宇宙飛行士」になりたい…という夢を得た。 ───始動する人類地球外移民計画。 目的地は、地球の衛星たる月、地球に最も近い惑星たる火星。 少女は、全地形対応型人型駆動兵装 “ マーズ・ジャッカル ”に乗り、固い絆で結ばれた孤児院仲間、だいぶ変人な開拓局長、宇宙飛行士になりきれなかった青年、どこかつかみどころの無い戦車長……などと共に、火星開拓に奔走する。 脅威である火星危険生命体、核戦争が人間へ及ぼした傷、それぞれが背負うもの…。 これは、そんな人間達が交錯させるドラマと、後世に伝えられるべき火星開拓を、ストーリー仕立てで記した…… 運命の物語である。

夫が寵姫に夢中ですので、私は離宮で気ままに暮らします

希猫 ゆうみ
恋愛
王妃フランチェスカは見切りをつけた。 国王である夫ゴドウィンは踊り子上がりの寵姫マルベルに夢中で、先に男児を産ませて寵姫の子を王太子にするとまで嘯いている。 隣国王女であったフランチェスカの莫大な持参金と、結婚による同盟が国を支えてるというのに、恩知らずも甚だしい。 「勝手にやってください。私は離宮で気ままに暮らしますので」