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sideノア

3.

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くちくちと、互いを貪る音が密やかに響く。

その音にすら煽られて、俺の昂りも痛いくらいに張り詰めてしまった。

「………はっ」

「ぁあ………」

飲み込みきれないお互いの唾液が俺の口腔から溢れ、顎を伝い首筋へと流れる。

そうして漸く離れ、互いに吐息の様に息をつく。

「俺の天幕で良い?」

ルーカスはそう掠れた声で提案するけど、行為を中断しようとはしない。

流れ落ちる唾液の後を追うように、舌を這わせて首筋に吸い付く。

「……んっ…!」

刺激に思わず声が漏れる。

服のボタンが外され、胸が晒される。ヒヤリとした夜風を受けて、思わずぶるりと身震いした。

尖りきった胸の先端にルーカスは舌を這わせてくる。チロチロと緩やかな刺激につい腰が揺れる。

ちらりと俺の目を見るヤツの瞳にも、隠しようのない欲情の光が見えた。

ゴリっとルーカスが、自分の昂りを俺のモノに擦り付けてくる。これからの行為を想像して、堪らない。

胸から顔を離し、再び唇を重ねてくる。
その間にも手は緩やかに身体の線を辿り、ズボンの中に潜り込んできた。

反り返ったモノに、ゴツゴツとした指を絡め扱く。先走りの液が指に滴り、ヌチヌチと卑猥な音を立ててくる。

「スゴイな。ぐっしょり」

「……っあ……!」

唇を僅かに離し、睦言を囁く様に呟く。
僅かな刺激も最早快感へと繋がってしまい、喘いでしまう。

「一回イッとくか…?」

強く扱かれ、呆気なく達する。

「くぅ………っん……っっ!!」

「あぁ、堪らないな。ヤラシい匂いだ……」

はぁぁと息をつく。手に吐き出した白濁の匂いをくんっと嗅ぎ、ぺろりと舐め取る。

「………………っ!!」

その行為に、ゾクゾクと快感が背筋を走る。
俺の身体に跨がりズボンを寛げると、自身の昂りを取り出す。

俺に見せつける様に、吐き出した俺の白濁を自分の昂りに擦り付け自慰を始める。

俺の目を見つめたまま、自分を慰める行為を続けるヤツから目が離せない。

1度は解放し落ち着きを見せていたモノが、再び鎌首を持ち上げる。

それに気付き、ルーカスは薄っすらと笑みを浮かべ、一際強く自身を扱き俺の腹に向けて昂りを解放した。

「ふ………っ」

息を吐く姿にも強い色気を感じる。美形は何をしてもカッコよくて羨ましいぜ……とか、つい思ってしまう。

「ふーん?もしかして余裕?」

意地が悪い感じて、にやりと笑う。狼特有のふっくりした尻尾が楽しげに揺れた。

「今の内に天幕に移動しとくか」

独り言の様に呟くと、ひょいと俺を抱えて自分の天幕へと移動する。

1人用の天幕にしては割と広く、敷布代わりの毛布が床に敷いてあった。
そこに俺を下ろすと、性急に身体を弄り始めた。

「……あっ!」

後孔をやわやわと擽る。くぷりと指が潜り込んできた。

最近女とばっかりだったから、ソコを使うのは久し振りだ。

「…はっ」

息を吐き、籠る力を逃がす。

その時を待っていた様に、ぐぐっと指を押入れ敏感な一点を集中して刺激してくる。

「…あ、ちょ…ちょっと待って……っ!」

過ぎる刺激に全身が粟立つ。ほんのり恐怖を感じて制止の声を上げてしまった。

「何で?あんたも気持ち良さそうだけど?」

つん、と俺の昂りを突く。

「……っっっ!」

思わず息を飲み込む。
クスクス余裕の笑みを浮かべながら、後孔の指を増やし絶えず刺激を与えてくる。

もう我慢する事ができず、喘ぎ声が留めなく漏れ出す。

「ひっ……あっああ………っや……!」

「凄く感度がイイな…。煽られるわ」

腰に響く掠れた声。

ああ………その昂りが、ほしい。

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