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sideノア

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ズルりとアイツが抜けていく刺激すらも快感となって、背筋を駆け上る。

「………んっ…」

思わず吐息とも喘ぎともつかない声がもれた。
それをヤツは耳聰く聴きつけて、のしりと筋肉質な身体で伸し掛かってきた。

獣人だからか体格も筋力も、そして性欲も強いルーカス。やっぱ3回じゃ治まらないのか……。
次を強請るように、甘やかに唇を重ねてくる。

「なぁノア……」

甘ったるく名を呼んでくる。

どうしたんだ?

セフレならって事で始まった俺達の関係。
最初の頃はヤッて熱を発散させたら終わり……な関係だった。

最近は何かあったのか、やたらと事後に纏わり付く様になってたから、ちょっと気にはなってたけど。

今日は、ヤッてる最中から何かヘンって言うか、何時もより激しいっつーか……。

何か言いたい事があるのか………?

そこまで考えて、俺は先日聞いた話を思い出して溜め息をついた。

「ルーカス、悪いがどいてくれ」

「……ん、もう少し」

「ルー、悪いが明日からのクエストを受けてるんだ。準備がしたいから……」

「それさ、時間掛かるやつ?クエスト?」

のそりと顔を上げたルーカスは、不機嫌そうに顔を顰めた。

獣耳もピクピクと落ち着かなく動く。

「まぁ多少は掛かるだろうな」

荷物搬送のクエストを受けて、依頼達成後はそのまま隣国へ移動するつもりだ。もうこっちに戻るつもりもない。

多少どころの話じゃないが、敢えて黙っておく。

クエストの内容によっては守秘義務を負うものもあるから、ルーカスも詳しくは聞いてこない。

するりとベッドから抜け出て、散らばった服を手早く身に着ける。

その様子を恨めしげに眺めてくるルーカスだけど、すっぱり無視する。

「ノア、そのクエストが終わったらさ、少し時間が欲しいんだけど……」

「急ぎ?」

「じゃないけど……」

濁す様な言葉尻に、やっぱりか……と思いつつ出そうになった溜め息を飲み込んだ。

「ふぅん?まあクエストが無事に達成出来るように祈ってて。じゃ」

肩を竦める。片手をひらひら振り俺は部屋を後にした。

俺は嘘が嫌いだ。期待させる言葉も、嫌いだ。
だから態と明確な約束となる言葉は避けた。

「あーあ……」

部屋で飲み込んだ溜め息を、宿から出た瞬間に漏らした俺は、やっぱ少し女々しいのかもしれない。

ぷるり、と頭を振る。

此れからの事なんか考えずに、帰って寝てしまおう

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