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夢の花は真夜中に花開く。
10.【受け視点】※
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ぐっと体内にナニかが侵入して、フィオを支配しようとしてくる。苦しいまでの圧迫感に、フィオの喉がヒクリと引き攣った。
「…………………っ、」
ハクっと口は動くけれど、詰まったように声も息も出ない。でも、フィオはその視線をテネスから外さない。
こんなもにフィオを苛むのはテネスなのに、助けを齎すのも彼だと分かっているのだ。そんなフィオが可愛くて仕方ないと言うようにテネスは微笑むと、頬に当てていた掌を滑らせる。優しく髪を梳き顕になった額に宥めるように唇を落とした。
「っ、イイ子………。ほら、ゆっくり息をしてごらん」
「……ぅ、っぁ……、はぁ……」
ゆったりと促され詰めていた息を何とか吐き出す。その瞬間を待っていたように、容赦なくテネスは腰を押し進めた。
「っ、あ…………っ!」
「………っ、」
ぎゅうぎゅうと無意識に力が入る。
「ふ、搾り取られそ…………」
少し掠れた声でテネスが呟く。しかしフィオはその声に気付かない。ぽろぽろと生理的な涙を流すフィオを、テネスは幸福に満ちた眼差しで見つめた。
「フィオ、ほら………」
流れる涙を唇で掬い取りながら、ゆるりと腰を揺らす。
「全部、入った」
「……ぁ、」
密着する腰に、奥の奥まで圧迫してくるその存在に、フィオは小さく瞳を開く。そして、信じられない、とばかりにそっと自分の腹を擦った。
「入って、る………」
「………っぐ、」
その可愛い仕草に、テネスは思わず弾けそうになる自身の昂りを必死に抑えた。まだ抽挿を開始していもいないのに、愛しい番に煽られて吐き出してしまっては、オスの沽券に関わる。
そんなテネスの葛藤にも気付かずに、フィオはふ………と小さく笑みを零した。
「せんせぇ……が、いる……」
ふぅっと洩れ出る吐息は甘く、笑みと共に溢れてきた芳しい番の匂いに、折角抑えたはずのテネスのオスは、我慢ならずに弾けてしまった。
「ん、ぁあ……っ」
「………………………っ、」
まさかの失態に、テネスは『童貞かよっ!』と内心で自分を罵る。………が、熱い迸りを体内に受けたフィオが、幸せそうに瞳を緩めるのを見て、『まぁ、いいか』と思い直した。
早々に復活を果たしたテネスの分身は、どうせまだ満足はしていないのだ。
時間はたっぷりある。フィオに、快楽を与えてくるれる者の存在を刻み込むために、テネスはゆっくりと腰を揺らし始めるのだった。
★☆★☆★☆
「………ん、」
ゆらりと意識が揺蕩い、月明かりに誘われようにフィオはゆっくりと重い瞼を開けた。
窓から見える月を見上げて一度瞬く。淡い月光を眩しく思い、腕を持ち上げようとして、余りに重い腕の感覚に首を傾げた。
「?」
視線を動かすと、フィオを閉じ込めるかのように腕を回して眠るテネスの姿があった。ぼんやりと、まとまらない思考のままテネスを見つめる。余程、疲れているのか目を醒ます様子はない。
ーーーー何で一緒に寝てるんだろう………。
ベッドで共に寝るなんて……と考えて、急に思い出したアレコレに一気に眠気が吹き飛んだ。
「だ…、え?僕………え?」
意味を成さない言葉が口を衝く。真っ赤になりながら視線を彷徨わせて。そして、それに気付いた。
鼻腔を擽る、好ましくも胸に迫る匂い。スンっと鼻を鳴らして匂いを辿ると、それは直ぐ隣で眠るテネスから発せられていると知れた。
もう一度、鼻を鳴らす。身体に入るその匂いは、奥深くに眠る歓喜を呼び起こし、フィオを陶然とさせた。同時に、テネスの瞳が閉じている事、その美しい薄紅の瞳を見られない事が、堪らなくフィオの心を掻き乱す。
「これって………」
当惑したように呟き、ふと思い当たる言葉を思い出してはっとなった。
「これ、番の匂い………?」
胸を焦がすのは、愛しいという想い。そして、これは自分のモノだという、激しい執着心だった。
「本当に、先生が番だった………」
本当に証明できてしまった事実に、フィオはビックリしてしまう。
「ーーーーほら。ちゃんと証明できたでしょう?」
不意に響いた声にビクンと身を竦ませる。その様子にテネスはクスっと笑うと、腕に力を籠めてフィオを抱き締めた。
「ちゃんと番えたから、貴方の人生を分けて貰えたみたいですね。貴方の魔力を私の中に感じます」
「何で僕、番の匂いが分かるの?まだ成人の儀を受けてもいないのに……」
「貴方は元々の魔力が多いから。それが正しく身体を巡るようになれば、番を感じ取ることは可能なんだと思います。流石に獣耳や尻尾は、儀式で魔力を活性化させないと無理なんでしょうけど……」
「僕、成人の儀を受けることができる………?」
「できるでしょうね。魔力は多いながらも安定しているようだし。もし魔力が活性化することで身体に負担を与えようとしても、もう私に分け与える事ができるのだから……」
うっとりと囁く声が途切れ、ちゅっとフィオの頭に唇が落とされた。
「貴方の可愛い耳や尻尾が見納めになるのは残念ですけど。この街には随分と貴方に固執する変態が多い事ですし、成人の儀式を受けてくださいね?」
ーーーー変態?
そんなに多いの?と疑問を浮かべながらも、幼馴染たちと一緒に成人できる喜びがじわじわと湧き上がり笑顔が溢れ出た。
「成人になるのも番を得るのも、僕には夢のまた夢、絶対に無理だと思ってた………!」
ぎゅうっとフィオはテネスに抱き着く。
「先生、ありがとうございます!!」
「フィオ、違いますよ?」
「え?」
「ーーーーテネス。教えたでしょう?ちゃんと名前を呼んで?でないと………」
ぐっと身体を近付けて、耳元で囁く。
「また身体に教え込みますよ?」
『先生』と呼ぶ度に受けた甘い責苦を思い出して、フィオは耳まで真っ赤に染まった。
「っっっ!!!」
「ふふ……、ほら呼んで?」
クスクスと笑いながらも、テネスの指はフィオの身体を這い始める。
「テ………っ、テネス………っ、テネス!!」
慌てて名を呼ぶと、ふわりと優しく微笑まれる。
「良くできました」
ちゅっと瞼に口付けられた。…………が。
「え…………?」
「ふふ……、可愛い貴方の姿に勃ってしまいました」
ゴリっと、ソレが押し付けられる。
「朝までまだまだたっぷり時間はありますから、付き合ってくださいね?」
その美しい微笑みと絶倫っぷりに、フィオはひくりと頬を引き攣らせるばかりだった。
★☆★☆★☆
「では、皆さん湖に入ってください」
神官の言葉に、今年成人の若者たちが一斉に湖に飛び込んでいく。中には薄い衣を纏う者も居たが、大抵は上半身裸を晒しズボンのみ履いた状態で次々と飛び込む。
「あああ……、もう毎年毎年…。飛び込む必要なんてないのに。若者なだけあって、皆、元気が良すぎます………」
ため息混じりに苦笑する神官に少し申し訳ない気持ちを抱えながら、それでもフィオはナスカや他の幼馴染と一緒に湖に飛び込む気満々だった。
流石に上半身裸はテネスからの激しい反対があり、薄いシャツを一枚羽織ってはいるけれど………。でも仲間たちと一緒に成人の儀を受けれることが、何よりも嬉しいと感じる。
つまりは、フィオは浮かれていた訳だ。
「フィオと一緒に儀式に参加できるなんて!!」
「ホンっと良かったよな!」
「魔力を落ち着かせるなんて、あの先生もなかなか凄いよね!」
口々に幼馴染たちが言う。ナスカだけは少し複雑そうな顔を見せていたけれど、いざ湖に飛び込む段階になるとフィオを見て嬉しそうな笑顔を見せてくれた。
「「「「「せーのっ!!!!」」」」」
手を繋ぎ、皆で一緒にドボン!と湖に飛び込む。まだまだ冷たい水が、高揚する身体を鎮めようとしているかのようだ。
でもそれすらも、仲間全員で成人を迎える事ができる喜びを抑えることなんて出来やしない。
自然と浮かぶ笑顔のまま、フィオたちは神官が唱える祝詞を聞いていた。
ふと、濡れて身体に張り付くシャツが煩わしく感じたフィオは、もう脱いでもいいかな?とシャツのボタンを外そうとした。
「どうした、フィオ?」
「ん、シャツが濡れて気持ち悪くて。脱ごっかなって」
「あーね。確かに衣着てた奴らも、もう殆ど脱いじゃってるもんな」
「でしょ?」
笑いながらプチプチとボタンを外し、肩を曝け出そうとしたその瞬間。幼馴染たちが、はっと顔色を変えて一斉にフィオの周りを取り囲んだ。ナスカに至っては、それに気付くや否やシャツの前身頃を摑んでぐいっと重ね合わせてしまう。
「え、え、え?ええええ??」
訳が分からず目を白黒させるフィオに、幼馴染たちは引き攣った笑顔を見せ、口を揃えて言った。
「「「「シャツ、着てた方が良いと思う」」」」
「は!?」
ーーーーフィオは知らない。そのフィオからは見えない首筋から背中にかけて、みっちりと付けられたキスマークの存在を。
絶対に裸体を晒させたくないテネスの執念を見た気がした幼馴染たちは、自分たちが番を得て国に戻ってきても、きっとすんなりフィオに会うことはできないんだろうな、と思った。
でも、ま、それもこれも。
番を得ることが出来たフィオの嬉しそうな笑顔に比べたら、ほんの瑣末事なのだ。
優しい幼馴染のこれからの人生に幸多からんことを、彼らは心から願うのだった。
「…………………っ、」
ハクっと口は動くけれど、詰まったように声も息も出ない。でも、フィオはその視線をテネスから外さない。
こんなもにフィオを苛むのはテネスなのに、助けを齎すのも彼だと分かっているのだ。そんなフィオが可愛くて仕方ないと言うようにテネスは微笑むと、頬に当てていた掌を滑らせる。優しく髪を梳き顕になった額に宥めるように唇を落とした。
「っ、イイ子………。ほら、ゆっくり息をしてごらん」
「……ぅ、っぁ……、はぁ……」
ゆったりと促され詰めていた息を何とか吐き出す。その瞬間を待っていたように、容赦なくテネスは腰を押し進めた。
「っ、あ…………っ!」
「………っ、」
ぎゅうぎゅうと無意識に力が入る。
「ふ、搾り取られそ…………」
少し掠れた声でテネスが呟く。しかしフィオはその声に気付かない。ぽろぽろと生理的な涙を流すフィオを、テネスは幸福に満ちた眼差しで見つめた。
「フィオ、ほら………」
流れる涙を唇で掬い取りながら、ゆるりと腰を揺らす。
「全部、入った」
「……ぁ、」
密着する腰に、奥の奥まで圧迫してくるその存在に、フィオは小さく瞳を開く。そして、信じられない、とばかりにそっと自分の腹を擦った。
「入って、る………」
「………っぐ、」
その可愛い仕草に、テネスは思わず弾けそうになる自身の昂りを必死に抑えた。まだ抽挿を開始していもいないのに、愛しい番に煽られて吐き出してしまっては、オスの沽券に関わる。
そんなテネスの葛藤にも気付かずに、フィオはふ………と小さく笑みを零した。
「せんせぇ……が、いる……」
ふぅっと洩れ出る吐息は甘く、笑みと共に溢れてきた芳しい番の匂いに、折角抑えたはずのテネスのオスは、我慢ならずに弾けてしまった。
「ん、ぁあ……っ」
「………………………っ、」
まさかの失態に、テネスは『童貞かよっ!』と内心で自分を罵る。………が、熱い迸りを体内に受けたフィオが、幸せそうに瞳を緩めるのを見て、『まぁ、いいか』と思い直した。
早々に復活を果たしたテネスの分身は、どうせまだ満足はしていないのだ。
時間はたっぷりある。フィオに、快楽を与えてくるれる者の存在を刻み込むために、テネスはゆっくりと腰を揺らし始めるのだった。
★☆★☆★☆
「………ん、」
ゆらりと意識が揺蕩い、月明かりに誘われようにフィオはゆっくりと重い瞼を開けた。
窓から見える月を見上げて一度瞬く。淡い月光を眩しく思い、腕を持ち上げようとして、余りに重い腕の感覚に首を傾げた。
「?」
視線を動かすと、フィオを閉じ込めるかのように腕を回して眠るテネスの姿があった。ぼんやりと、まとまらない思考のままテネスを見つめる。余程、疲れているのか目を醒ます様子はない。
ーーーー何で一緒に寝てるんだろう………。
ベッドで共に寝るなんて……と考えて、急に思い出したアレコレに一気に眠気が吹き飛んだ。
「だ…、え?僕………え?」
意味を成さない言葉が口を衝く。真っ赤になりながら視線を彷徨わせて。そして、それに気付いた。
鼻腔を擽る、好ましくも胸に迫る匂い。スンっと鼻を鳴らして匂いを辿ると、それは直ぐ隣で眠るテネスから発せられていると知れた。
もう一度、鼻を鳴らす。身体に入るその匂いは、奥深くに眠る歓喜を呼び起こし、フィオを陶然とさせた。同時に、テネスの瞳が閉じている事、その美しい薄紅の瞳を見られない事が、堪らなくフィオの心を掻き乱す。
「これって………」
当惑したように呟き、ふと思い当たる言葉を思い出してはっとなった。
「これ、番の匂い………?」
胸を焦がすのは、愛しいという想い。そして、これは自分のモノだという、激しい執着心だった。
「本当に、先生が番だった………」
本当に証明できてしまった事実に、フィオはビックリしてしまう。
「ーーーーほら。ちゃんと証明できたでしょう?」
不意に響いた声にビクンと身を竦ませる。その様子にテネスはクスっと笑うと、腕に力を籠めてフィオを抱き締めた。
「ちゃんと番えたから、貴方の人生を分けて貰えたみたいですね。貴方の魔力を私の中に感じます」
「何で僕、番の匂いが分かるの?まだ成人の儀を受けてもいないのに……」
「貴方は元々の魔力が多いから。それが正しく身体を巡るようになれば、番を感じ取ることは可能なんだと思います。流石に獣耳や尻尾は、儀式で魔力を活性化させないと無理なんでしょうけど……」
「僕、成人の儀を受けることができる………?」
「できるでしょうね。魔力は多いながらも安定しているようだし。もし魔力が活性化することで身体に負担を与えようとしても、もう私に分け与える事ができるのだから……」
うっとりと囁く声が途切れ、ちゅっとフィオの頭に唇が落とされた。
「貴方の可愛い耳や尻尾が見納めになるのは残念ですけど。この街には随分と貴方に固執する変態が多い事ですし、成人の儀式を受けてくださいね?」
ーーーー変態?
そんなに多いの?と疑問を浮かべながらも、幼馴染たちと一緒に成人できる喜びがじわじわと湧き上がり笑顔が溢れ出た。
「成人になるのも番を得るのも、僕には夢のまた夢、絶対に無理だと思ってた………!」
ぎゅうっとフィオはテネスに抱き着く。
「先生、ありがとうございます!!」
「フィオ、違いますよ?」
「え?」
「ーーーーテネス。教えたでしょう?ちゃんと名前を呼んで?でないと………」
ぐっと身体を近付けて、耳元で囁く。
「また身体に教え込みますよ?」
『先生』と呼ぶ度に受けた甘い責苦を思い出して、フィオは耳まで真っ赤に染まった。
「っっっ!!!」
「ふふ……、ほら呼んで?」
クスクスと笑いながらも、テネスの指はフィオの身体を這い始める。
「テ………っ、テネス………っ、テネス!!」
慌てて名を呼ぶと、ふわりと優しく微笑まれる。
「良くできました」
ちゅっと瞼に口付けられた。…………が。
「え…………?」
「ふふ……、可愛い貴方の姿に勃ってしまいました」
ゴリっと、ソレが押し付けられる。
「朝までまだまだたっぷり時間はありますから、付き合ってくださいね?」
その美しい微笑みと絶倫っぷりに、フィオはひくりと頬を引き攣らせるばかりだった。
★☆★☆★☆
「では、皆さん湖に入ってください」
神官の言葉に、今年成人の若者たちが一斉に湖に飛び込んでいく。中には薄い衣を纏う者も居たが、大抵は上半身裸を晒しズボンのみ履いた状態で次々と飛び込む。
「あああ……、もう毎年毎年…。飛び込む必要なんてないのに。若者なだけあって、皆、元気が良すぎます………」
ため息混じりに苦笑する神官に少し申し訳ない気持ちを抱えながら、それでもフィオはナスカや他の幼馴染と一緒に湖に飛び込む気満々だった。
流石に上半身裸はテネスからの激しい反対があり、薄いシャツを一枚羽織ってはいるけれど………。でも仲間たちと一緒に成人の儀を受けれることが、何よりも嬉しいと感じる。
つまりは、フィオは浮かれていた訳だ。
「フィオと一緒に儀式に参加できるなんて!!」
「ホンっと良かったよな!」
「魔力を落ち着かせるなんて、あの先生もなかなか凄いよね!」
口々に幼馴染たちが言う。ナスカだけは少し複雑そうな顔を見せていたけれど、いざ湖に飛び込む段階になるとフィオを見て嬉しそうな笑顔を見せてくれた。
「「「「「せーのっ!!!!」」」」」
手を繋ぎ、皆で一緒にドボン!と湖に飛び込む。まだまだ冷たい水が、高揚する身体を鎮めようとしているかのようだ。
でもそれすらも、仲間全員で成人を迎える事ができる喜びを抑えることなんて出来やしない。
自然と浮かぶ笑顔のまま、フィオたちは神官が唱える祝詞を聞いていた。
ふと、濡れて身体に張り付くシャツが煩わしく感じたフィオは、もう脱いでもいいかな?とシャツのボタンを外そうとした。
「どうした、フィオ?」
「ん、シャツが濡れて気持ち悪くて。脱ごっかなって」
「あーね。確かに衣着てた奴らも、もう殆ど脱いじゃってるもんな」
「でしょ?」
笑いながらプチプチとボタンを外し、肩を曝け出そうとしたその瞬間。幼馴染たちが、はっと顔色を変えて一斉にフィオの周りを取り囲んだ。ナスカに至っては、それに気付くや否やシャツの前身頃を摑んでぐいっと重ね合わせてしまう。
「え、え、え?ええええ??」
訳が分からず目を白黒させるフィオに、幼馴染たちは引き攣った笑顔を見せ、口を揃えて言った。
「「「「シャツ、着てた方が良いと思う」」」」
「は!?」
ーーーーフィオは知らない。そのフィオからは見えない首筋から背中にかけて、みっちりと付けられたキスマークの存在を。
絶対に裸体を晒させたくないテネスの執念を見た気がした幼馴染たちは、自分たちが番を得て国に戻ってきても、きっとすんなりフィオに会うことはできないんだろうな、と思った。
でも、ま、それもこれも。
番を得ることが出来たフィオの嬉しそうな笑顔に比べたら、ほんの瑣末事なのだ。
優しい幼馴染のこれからの人生に幸多からんことを、彼らは心から願うのだった。
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