2 / 4
アキラくんサイド
しおりを挟む
◆◆◆◆◆
用紙を剥がしといて良かった!
隆史があんな下劣な内容の張り紙を見る必要はない。隆史は騙されやすいからな。部屋を出るためにアレをしたとして、扉が開く保証はない。
きっと犯人は変態だ。アレする様子を眺めて自慰するタイプだろう。動画撮影している可能性もある。いや、生配信の危険性もあるのに、アレができるかよ。デジタルタトゥーなんて最悪だからな。
「なあ、アキラ?」
「なんだ?」
「なんか、扉にセロテープついてる」
「っ!」
「‥‥アキラ?」
セロテープってごく僅かだろ。何故気がついた。しかし、ここは冷静に。
「確かにセロテープがついてるな。」
「‥‥ねえ、何か隠してない?」
「何を?」
「ここに‥‥紙が貼ってたでしょ?」
「何故知っている?」
「あ、引っかかった!」
「いや、待て!」
俺は馬鹿なのか。隆史の可愛い追求に思わず白状してしまった。しかし、どうする?このまま誤魔化せるか?
「ねえ、アキラ。秘密はやめてよ。俺達親友だろ?幼馴染みでもあるし‥‥隠されると辛いよ」
‥‥‥‥抱きしめたい。抱きしめたい。
「悪かった。確かに紙は貼ってあった。でも、ひどい内容だから‥‥お前は見ないほうがいいと思う」
「ひどい内容って?」
「それは言えない」
「‥‥‥‥。」
「‥‥‥‥‥。」
「アキラのこと嫌いかも」
「えっ?」
「こんな窮地に情報を独り占めするなんてひどいよ!わかった!俺が眠った瞬間を狙って自分だけこの部屋を逃げ出すつもりだろ!」
「何でそうなるんだよ!」
「隠す理由なんてそれしかないだろ。紙には脱出方法が書かれていたんだろ?ただし、一人しか出られないって条件付で。もういいよ。俺はベッドで寝るから、その間に紙の指示に従って勝手に出ていけよ!」
隆史がベッドに向かおうとする。俺は慌てて隆史の腕を掴んで引き寄せた。その瞳に涙はなかったが怯えた表情を浮かべている。俺は思わず隆史を抱き寄せていた。
「ごめん、隆史」
「何に対する『ごめん』なの?」
「色々と」
「そう‥‥‥」
隆史が黙り込み俯く。表情が見えず不安になる。
「紙を見せて欲しい」
「隆史」
「悩みを一人で抱え込まないで欲しい。俺を親友だと思っているなら」
「‥‥‥‥‥。」
「アキラ」
「分かったよ、隆史」
俺はジャケットの隠しから用紙を取り出す。そして、そっと隆史に渡した。
「え、なにこれ?」
隆史が震えだす。無理もない。俺も見た時は怒りで震えを覚えた。
「ディープキスしたら扉が開く!?」
隆史が震えながら紙を破り捨てた。
◆◆◆◆◆
用紙を剥がしといて良かった!
隆史があんな下劣な内容の張り紙を見る必要はない。隆史は騙されやすいからな。部屋を出るためにアレをしたとして、扉が開く保証はない。
きっと犯人は変態だ。アレする様子を眺めて自慰するタイプだろう。動画撮影している可能性もある。いや、生配信の危険性もあるのに、アレができるかよ。デジタルタトゥーなんて最悪だからな。
「なあ、アキラ?」
「なんだ?」
「なんか、扉にセロテープついてる」
「っ!」
「‥‥アキラ?」
セロテープってごく僅かだろ。何故気がついた。しかし、ここは冷静に。
「確かにセロテープがついてるな。」
「‥‥ねえ、何か隠してない?」
「何を?」
「ここに‥‥紙が貼ってたでしょ?」
「何故知っている?」
「あ、引っかかった!」
「いや、待て!」
俺は馬鹿なのか。隆史の可愛い追求に思わず白状してしまった。しかし、どうする?このまま誤魔化せるか?
「ねえ、アキラ。秘密はやめてよ。俺達親友だろ?幼馴染みでもあるし‥‥隠されると辛いよ」
‥‥‥‥抱きしめたい。抱きしめたい。
「悪かった。確かに紙は貼ってあった。でも、ひどい内容だから‥‥お前は見ないほうがいいと思う」
「ひどい内容って?」
「それは言えない」
「‥‥‥‥。」
「‥‥‥‥‥。」
「アキラのこと嫌いかも」
「えっ?」
「こんな窮地に情報を独り占めするなんてひどいよ!わかった!俺が眠った瞬間を狙って自分だけこの部屋を逃げ出すつもりだろ!」
「何でそうなるんだよ!」
「隠す理由なんてそれしかないだろ。紙には脱出方法が書かれていたんだろ?ただし、一人しか出られないって条件付で。もういいよ。俺はベッドで寝るから、その間に紙の指示に従って勝手に出ていけよ!」
隆史がベッドに向かおうとする。俺は慌てて隆史の腕を掴んで引き寄せた。その瞳に涙はなかったが怯えた表情を浮かべている。俺は思わず隆史を抱き寄せていた。
「ごめん、隆史」
「何に対する『ごめん』なの?」
「色々と」
「そう‥‥‥」
隆史が黙り込み俯く。表情が見えず不安になる。
「紙を見せて欲しい」
「隆史」
「悩みを一人で抱え込まないで欲しい。俺を親友だと思っているなら」
「‥‥‥‥‥。」
「アキラ」
「分かったよ、隆史」
俺はジャケットの隠しから用紙を取り出す。そして、そっと隆史に渡した。
「え、なにこれ?」
隆史が震えだす。無理もない。俺も見た時は怒りで震えを覚えた。
「ディープキスしたら扉が開く!?」
隆史が震えながら紙を破り捨てた。
◆◆◆◆◆
1
お気に入りに追加
31
あなたにおすすめの小説
コンセプトルーム
くろねこや
BL
『クリ嫁』こと、『クリーチャーズマリッジ』というR18小説(陵辱もの)が大好きな親友・夏弥に頼まれて、ラブホのコンセプトルームへ行くことになった斗真。 ゴブリン(着ぐるみ)達に犯される親友の姿に興奮してしまい…。
【全4話 完結】
『逆らえない欲求』の主人公、結人が『右隣の男』と出会った世界線です。
こちらは、作中に名前のみ登場した結人の親友2人です。
スピンオフになりますが、こちら単体でお楽しみいただけます。
※『横書き』方向に設定してお読みください。
年上が敷かれるタイプの短編集
あかさたな!
BL
年下が責める系のお話が多めです。
予告なくr18な内容に入ってしまうので、取扱注意です!
全話独立したお話です!
【開放的なところでされるがままな先輩】【弟の寝込みを襲うが返り討ちにあう兄】【浮気を疑われ恋人にタジタジにされる先輩】【幼い主人に狩られるピュアな執事】【サービスが良すぎるエステティシャン】【部室で思い出づくり】【No.1の女王様を屈服させる】【吸血鬼を拾ったら】【人間とヴァンパイアの逆転主従関係】【幼馴染の力関係って決まっている】【拗ねている弟を甘やかす兄】【ドSな執着系執事】【やはり天才には勝てない秀才】
------------------
新しい短編集を出しました。
詳しくはプロフィールをご覧いただけると幸いです。
【BL】おしおき
久遠院 純
BL
ヤってるだけのお話です。
ストーリー性なしなのでストーリー重視される人は回れ右です。
社会人×高校生。
大昔に書いたお話なので色々とアレです(笑)
いつか気が向いたら大幅修正したい(希望)
他サイトでも公開しています。
隠れSな攻めの短編集
あかさたな!
BL
こちら全話独立、オトナな短編集です。
1話1話完結しています。
いきなりオトナな内容に入るのでご注意を。
今回はソフトからドがつくくらいのSまで、いろんなタイプの攻めがみられる短編集です!隠れSとか、メガネSとか、年下Sとか…⁉︎
【お仕置きで奥の処女をもらう参謀】【口の中をいじめる歯医者】
【独占欲で使用人をいじめる王様】
【無自覚Sがトイレを我慢させる】
【召喚された勇者は魔術師の性癖(ケモ耳)に巻き込まれる】
【勝手にイくことを許さない許嫁】
【胸の敏感なところだけでいかせたいいじめっ子】
【自称Sをしばく女装っ子の部下】
【魔王を公開処刑する勇者】
【酔うとエスになるカテキョ】
【虎視眈々と下剋上を狙うヴァンパイアの眷属】
【貴族坊ちゃんの弱みを握った庶民】
【主人を調教する奴隷】
2022/04/15を持って、こちらの短編集は完結とさせていただきます。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
前作に
・年下攻め
・いじわるな溺愛攻め
・下剋上っぽい関係
短編集も完結してるで、プロフィールからぜひ!
肌が白くて女の子みたいに綺麗な先輩。本当におしっこするのか気になり過ぎて…?
こじらせた処女
BL
槍本シュン(やりもとしゅん)の所属している部活、機器操作部は2つ上の先輩、白井瑞稀(しらいみずき)しか居ない。
自分より身長の高い大男のはずなのに、足の先まで綺麗な先輩。彼が近くに来ると、何故か落ち着かない槍本は、これが何なのか分からないでいた。
ある日の冬、大雪で帰れなくなった槍本は、一人暮らしをしている白井の家に泊まることになる。帰り道、おしっこしたいと呟く白井に、本当にトイレするのかと何故か疑問に思ってしまい…?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる