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ランス兄上は疲れきっており、僕のベッドに寝転がったまま眠ってしまった。

「攻略対象者の寝顔・・尊し!」

僕はニヤニヤしながら兄さんをベッドに引きずり込み、『☆神子☆ラブクラッシュ☆』の攻略対象者との朝チュン体験をすることにした。

「ふふふ、朝チュンとはなんたる古い表現か!だが、問題なし。僕の前世は、夫に浮気された中年女だからだぁ。ああ、攻略対象者が我がベッドにぃーー!」

勿論、ランス兄上を襲うような真似はしない。倫理面もさることながら、僕のぺニスは極小サイズだ。孕む男なので、やられ専なのである。なんて事を考えていると、僕も何時の間にか眠ってしまっていた。

そして、朝チュンを迎えた。ランス兄上と目覚めの甘い言葉を交わそうとしたが、僕の顔を見るなり、兄上はベッドから飛び出した。

「すまない、ミカエル!!」
「あにうえ?」

「兄弟とはいえ、ミカエルは孕み子なのに同じベッドで眠るとは・・俺の完全なる失態だ。殴ってくれ、ミカエル。やはり、俺はジークフリートの指摘どおり、ブラコンかもしれない」

ランス兄上が激しく落ち込んでいる。僕がランス兄上を、ベッドに引きずり込んだのに。うーん、申し訳ない。勿論、真相は秘密にするけどね。変態と思われたくないし。

「ジークフリートの言葉など、気にする事はありません。兄上は、ブラコンではありません。むしろ、僕がブラコンです。僕が頼りないから、何時も兄上に頼ってしまって・・申し訳なく思っているのです。僕のために代々の屋敷まで奪われてしまうし。僕は役立たずです」

「何を言う!ミカエル、大丈夫だ。お前を娼館送りになどさせない。必ず、三十歳になるまでには、ミカエルに相応しい婚姻相手を見つけてみせる!もしも、神子があくまでもお前の尻を追うなら・・神子の暗殺も視野に入れている」

「ランス兄上!?」

ランス兄上が物騒な言葉を口にした時、突然ジークフリートが僕の部屋に突入してきた。

「起きたか、ミカエル!今日は、人気の尻ツボマッサージ店に行くから、着替えてくれ。尻を露出しやすい格好で、あれ・・ランス」

「ジークフリート、歯を食いしばれ!」

ランス兄上が、ジークフリートを殴り飛ばしていた。まあ、そうなるわな。

しかし、尻つぼマッサージってなに!?足つぼマッサージ的あれか?尻につぼがあるのか?


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