異世界転移、魔法使いは女体化した僕を溺愛する

第１３４話

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アーサーの母マリアに朝食に誘われて、蓮と一緒に出席したがその席にアーサーの妹メアリーの姿は無かった。その事を不審に思いながらも、わたしは朝食の席に着いた。
テーブルからは、焼き立てのパンの香ばしい香りが部屋中に立ち込めていてつわりの終わった私は、涎を垂らしながらパンにぱくついた。
アーサーの母は相変わらず病弱の様子で、その母をいつもは気遣っているはずのアーサーは心ここにあらずという感じでぼんやりとしながら食事を取っていた。その中で、陽気に話しているのはアーサーの妻のマリーと蓮だけだった。彼らは気が合ったらしく、まるで彼らが夫婦ででもあるように親しげに顔を寄せては楽しげに話していた。
その事に、私はなんとなくムカついてしまった。
いつもは、私のことを一番に気遣って入れる蓮が他の女と親しげにしている姿は、見ているだけで不愉快だった。
これは、嫉妬だろうか？
蓮が他の女と親しげにしているから不愉快に思っている？
ばからしい。私と蓮は幼馴染で男友達なのに・・・・嫉妬なんて感じるはずも無い。
それなのに、胸を締め付けるこの気持ちはなんだろう。その思いから逃げたくて、私はアーサーの方に視線を向けた。だが、彼もまた蓮と妻のマリーが親しげに話していることを不愉快に思ったのか青ざめた顔で彼らの会話に耳を傾けていた。
不意に、蓮が視線を私に向けた。私ははっとして、彼から視線を外した。蓮は魔法使いだ。私の嫉妬心を読んだのかもしれない。そのことが恥ずかしくて、チキンをナイフとフォークで弄りながら俯いた。蓮はそんな私からアーサーに視線を向けるのが気配でわかった。
アーサーは熱っぽく、それでいて憎らしげな感情を込めた視線を蓮を送っていた。蓮はその視線を正面から受けたものの数秒で、すぐに美貌のマリーに視線を移した。
私は所在無げに、チキンを平らげたところでアーサーの母のマリアに話しかけていた。

「マリアさま、あの・・メアリーが朝食の席にいないのはどうしてなのでしょうか？ぜひ、逢いたいのですが。」
「えっ・・メアリー？ああ・・あの子は。」

マリアは私の質問に困ったように視線を右往左往させて最後には、アーサーに助けを求めた。アーサーは、すこし迷った後に口を開いた。

「あいつなら、この城にはもういない。」
「いないって・・・どういうこと？あ、結婚しちゃったとか？」

あのちょっとエッチな笑みを浮かべるアーサーの妹のメアリーの姿を思い浮かべながら驚きを口にしていた。アーサーは、ナイフとフォークを置くとため息をついて口を開いた。

「結婚というよりも・・・あれは、駆け落ちだな。」
「駆け落ち！？」

私は行儀悪くも口に入ったチキンのひとかけらを、テーブルに落としてしまった。私は慌てて口を開く。

「駆け落ちってどういうことなの？？」
「駆け落ちと言っても、あいつが住んでいる場所はすぐ近くの村だ。その村人の木工細工の職人と恋に落ちて恋に落ちた。母や俺は身分の違いに結婚に反対したのだが・・・あいつの性格を忘れていた。城を出て駆け落ちしてしまったんだ。今は、その村で世帯を持っているんだ。」

ま、まさか・・・・木工細工の職人って？？
その村人って、メアリー特製ペニス棒を作らせていた職人なのだろうか？
その人と恋に落ちて、駆け落ちしたというの？あのメアリーが、本当の恋に落ちたというの？

「まさかメアリーが駆け落ちだなんて信じられない！！でもないかな？・・・彼女ならやりそうな気もする。とにかく、彼女に会いたいのだけどメアリーが住む村はすぐ近くにあるの？」

私がそう聞くと、アーサーは戸惑いながらも口を開いた。

「現王の側室が行く場所ではないよ。」
私の行動あっさりと否定したアーサーの言葉に、ちょっとむっとして、私はアーサーに向かって命令した。

「現王の側室トモヤの命令です。私を、アーサーの妹メアリーのところに連れていきなさい！！」

私の言葉にアーサーは観念したのか苦笑いを浮かべて、甲斐甲斐しく頭を下げた。


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