116 / 172
第115話
しおりを挟む
◆◆◆◆◆◆
カインは、私を見舞って部屋を訪れたまま私の部屋に泊まることになった。
そして、カインと私は自然と一つのベッドで抱きしめあいながら眠ることになった。といっても、セックスをしたわけではない。彼は、私を抱こうとはしなかった。
おそらくは、私が妊娠していることを考慮して彼はセックスを求めなかったのだろうけれど、ベッドの中男女がその温もりを互いに感じながらただ眠るというのはなんだかとても寂しく感じた。元男の私がこういうのもなんだけど、女の性というものなのかもしれない。子宮のあたりがむずむずして、私は熟睡することができなかった。どうやら、カインも同様だったようで朝起きた時には、まだ眠そうで私の前で大あくびをした。そんな彼の姿に、私は思わず笑ってしまった。カインも微笑みながら、私に軽くキスをすると悪戯っぽく口を開いた。
「妊婦を抱くと子に障ると我慢していたが・・・・欲望を我慢することは、男にとっては体の毒になるな。」
「あ・・私も、ちょっと寂しかったかも。」
私がそう答えると、カインは驚いたように目を見開きそれから優しい表情になって私を抱きしめ、すこし欲望を滲ませた声で私に囁いた。
「そんなに可愛いことをいわないでくれ。せっかく一晩欲望を我慢したというのに、こんな早朝から妻を抱きたくなってしまうじゃないか。」
「だって・・・奥さんが妊娠中に旦那が浮気するってよく聞く話だもの。カインが、他の女を抱くのはちょっとヤダしね。これって、嫉妬かな。」
「他の女を抱いたりしないさ。だが、子が安定期に入ったら・・・トモヤ、お前を抱かせてくれないか?」
「えっ・・・えええ!?」
「女医のギーナに妊婦との安全な体位をレクチャーしてもらっておくよ。」
「体位って!!や、ヤダもう!!やめてよ、人にセックスの事を聞くなんて恥ずかしいよ。」
私が慌ててそう言うと、カインは明るく笑ってもう一度私に優しく唇を重ねた。甘い雰囲気が部屋に漂う。優しい朝日が、私とカインとその間に育まれたおなかの子を優しく包み込んでいた。
だが、その甘やかな雰囲気を一変させる知らせが、カインの側近によって私たちに届けられた。
現王の死。
それは、同時にカインの王位継承を意味していた。
王の崩御を聞かされたカインは、動揺を見せることなくただ表情を引き締めて側近に様々な指示を行った。その後、自身は衣服を整えると、私の体調を気遣いながらもカインは私の部屋から出て行って自室へと向かった。部屋に取り残された私は、ただ不安な気持ちを胸に募らせていた。いてもたってもいられず、ベッドからでて寝着からドレスに着替えたが、何をしたらいいのかも判らずただうろうろと部屋を歩くことしかできなかった。そんな自分が情けなくて、思わず自分の親指の爪を噛んでいた。
「爪を噛むのは、ガキの証拠だぞ。王妃になる女はもっと堂々としていろよ、智也。」
不意に声をかけられた私は、その馴染みのある声を発した人物の方に視線を向けた。そこには蓮が立っていてた。魔法で、私の部屋にまた無断で瞬間移動してきたのだと思うと、ちょっと嫌そうな顔をしてしまったが、蓮の手に握られているグラスに気が付いた私は思考を停止してしまった。彼の手には、何故か泡だった白濁した液体の入ったグラスが握られていた。私はその姿に思わず後ずさってしまう。
「れ、蓮・・・それってまさか?」
私がおそるおそる彼に聞くと、蓮は私の質問にあっさりと答える。
「何があってもこれは飲むって約束しただろ?新鮮朝一の取れたて精液だ。美味い・・・かもよ?」
「あんたねぇえ!!私は、毒を盛られて寝込んでたうえに、今朝王様が死んじゃって王宮がばたばたしているっていうのに・・・精液なんて飲める気分じゃないっての!!」
私がそう言うと、蓮はちょっと目を細めて私を見た後ため息をついて肩を竦めた。
「あっそ。でも、この際お前の気分は無視するから。フェラはさすがに気分的に抵抗あるだろうとおもって、ペニスを搾って精液をグラスに溜めたんだからのんでもらわないと。」
そう言うと、蓮は手に持ったグラスの精液を一気に呷って咥内に含んだ。ぎょっとした私は窓際に後ずさったが、魔法使いの蓮は一気にその距離をちじめ私の目の前に瞬間移動していた。
そして、蓮はぐっと私を抱き寄せると唇を奪ってきた。強引な舌使いで私の唇を押し開くと、蓮は唾液の混じった自身の精液を無理やり私の咥内に流し込んできた。
◆◆◆◆◆◆
カインは、私を見舞って部屋を訪れたまま私の部屋に泊まることになった。
そして、カインと私は自然と一つのベッドで抱きしめあいながら眠ることになった。といっても、セックスをしたわけではない。彼は、私を抱こうとはしなかった。
おそらくは、私が妊娠していることを考慮して彼はセックスを求めなかったのだろうけれど、ベッドの中男女がその温もりを互いに感じながらただ眠るというのはなんだかとても寂しく感じた。元男の私がこういうのもなんだけど、女の性というものなのかもしれない。子宮のあたりがむずむずして、私は熟睡することができなかった。どうやら、カインも同様だったようで朝起きた時には、まだ眠そうで私の前で大あくびをした。そんな彼の姿に、私は思わず笑ってしまった。カインも微笑みながら、私に軽くキスをすると悪戯っぽく口を開いた。
「妊婦を抱くと子に障ると我慢していたが・・・・欲望を我慢することは、男にとっては体の毒になるな。」
「あ・・私も、ちょっと寂しかったかも。」
私がそう答えると、カインは驚いたように目を見開きそれから優しい表情になって私を抱きしめ、すこし欲望を滲ませた声で私に囁いた。
「そんなに可愛いことをいわないでくれ。せっかく一晩欲望を我慢したというのに、こんな早朝から妻を抱きたくなってしまうじゃないか。」
「だって・・・奥さんが妊娠中に旦那が浮気するってよく聞く話だもの。カインが、他の女を抱くのはちょっとヤダしね。これって、嫉妬かな。」
「他の女を抱いたりしないさ。だが、子が安定期に入ったら・・・トモヤ、お前を抱かせてくれないか?」
「えっ・・・えええ!?」
「女医のギーナに妊婦との安全な体位をレクチャーしてもらっておくよ。」
「体位って!!や、ヤダもう!!やめてよ、人にセックスの事を聞くなんて恥ずかしいよ。」
私が慌ててそう言うと、カインは明るく笑ってもう一度私に優しく唇を重ねた。甘い雰囲気が部屋に漂う。優しい朝日が、私とカインとその間に育まれたおなかの子を優しく包み込んでいた。
だが、その甘やかな雰囲気を一変させる知らせが、カインの側近によって私たちに届けられた。
現王の死。
それは、同時にカインの王位継承を意味していた。
王の崩御を聞かされたカインは、動揺を見せることなくただ表情を引き締めて側近に様々な指示を行った。その後、自身は衣服を整えると、私の体調を気遣いながらもカインは私の部屋から出て行って自室へと向かった。部屋に取り残された私は、ただ不安な気持ちを胸に募らせていた。いてもたってもいられず、ベッドからでて寝着からドレスに着替えたが、何をしたらいいのかも判らずただうろうろと部屋を歩くことしかできなかった。そんな自分が情けなくて、思わず自分の親指の爪を噛んでいた。
「爪を噛むのは、ガキの証拠だぞ。王妃になる女はもっと堂々としていろよ、智也。」
不意に声をかけられた私は、その馴染みのある声を発した人物の方に視線を向けた。そこには蓮が立っていてた。魔法で、私の部屋にまた無断で瞬間移動してきたのだと思うと、ちょっと嫌そうな顔をしてしまったが、蓮の手に握られているグラスに気が付いた私は思考を停止してしまった。彼の手には、何故か泡だった白濁した液体の入ったグラスが握られていた。私はその姿に思わず後ずさってしまう。
「れ、蓮・・・それってまさか?」
私がおそるおそる彼に聞くと、蓮は私の質問にあっさりと答える。
「何があってもこれは飲むって約束しただろ?新鮮朝一の取れたて精液だ。美味い・・・かもよ?」
「あんたねぇえ!!私は、毒を盛られて寝込んでたうえに、今朝王様が死んじゃって王宮がばたばたしているっていうのに・・・精液なんて飲める気分じゃないっての!!」
私がそう言うと、蓮はちょっと目を細めて私を見た後ため息をついて肩を竦めた。
「あっそ。でも、この際お前の気分は無視するから。フェラはさすがに気分的に抵抗あるだろうとおもって、ペニスを搾って精液をグラスに溜めたんだからのんでもらわないと。」
そう言うと、蓮は手に持ったグラスの精液を一気に呷って咥内に含んだ。ぎょっとした私は窓際に後ずさったが、魔法使いの蓮は一気にその距離をちじめ私の目の前に瞬間移動していた。
そして、蓮はぐっと私を抱き寄せると唇を奪ってきた。強引な舌使いで私の唇を押し開くと、蓮は唾液の混じった自身の精液を無理やり私の咥内に流し込んできた。
◆◆◆◆◆◆
0
お気に入りに追加
292
あなたにおすすめの小説
こども病院の日常
moa
キャラ文芸
ここの病院は、こども病院です。
18歳以下の子供が通う病院、
診療科はたくさんあります。
内科、外科、耳鼻科、歯科、皮膚科etc…
ただただ医者目線で色々な病気を治療していくだけの小説です。
恋愛要素などは一切ありません。
密着病院24時!的な感じです。
人物像などは表記していない為、読者様のご想像にお任せします。
※泣く表現、痛い表現など嫌いな方は読むのをお控えください。
歯科以外の医療知識はそこまで詳しくないのですみませんがご了承ください。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
双葉病院小児病棟
moa
キャラ文芸
ここは双葉病院小児病棟。
病気と闘う子供たち、その病気を治すお医者さんたちの物語。
この双葉病院小児病棟には重い病気から身近な病気、たくさんの幅広い病気の子供たちが入院してきます。
すぐに治って退院していく子もいればそうでない子もいる。
メンタル面のケアも大事になってくる。
当病院は親の付き添いありでの入院は禁止とされています。
親がいると子供たちは甘えてしまうため、あえて離して治療するという方針。
【集中して治療をして早く治す】
それがこの病院のモットーです。
※この物語はフィクションです。
実際の病院、治療とは異なることもあると思いますが暖かい目で見ていただけると幸いです。
天日ノ艦隊 〜こちら大和型戦艦、異世界にて出陣ス!〜
八風ゆず
ファンタジー
時は1950年。
第一次世界大戦にあった「もう一つの可能性」が実現した世界線。1950年4月7日、合同演習をする為航行中、大和型戦艦三隻が同時に左舷に転覆した。
大和型三隻は沈没した……、と思われた。
だが、目覚めた先には我々が居た世界とは違った。
大海原が広がり、見たことのない数多の国が支配者する世界だった。
祖国へ帰るため、大海原が広がる異世界を旅する大和型三隻と別世界の艦船達との異世界戦記。
※異世界転移が何番煎じか分からないですが、書きたいのでかいています!
面白いと思ったらブックマーク、感想、評価お願いします!!※
※戦艦など知らない人も楽しめるため、解説などを出し努力しております。是非是非「知識がなく、楽しんで読めるかな……」っと思ってる方も読んでみてください!※
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
身体検査
RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、
選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。
ドマゾネスの掟 ~ドMな褐色少女は僕に責められたがっている~
桂
ファンタジー
探検家の主人公は伝説の部族ドマゾネスを探すために密林の奥へ進むが道に迷ってしまう。
そんな彼をドマゾネスの少女カリナが発見してドマゾネスの村に連れていく。
そして、目覚めた彼はドマゾネスたちから歓迎され、子種を求められるのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる