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第40話

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「誤解よぉ・・ひぁあ、ちょっとフレア中止して。だめ、襞をかむのは反則だって・・ひいい、ああ・・蓮、フレアが暴走中なのぉお。何とかしてぇえ・・ひん。ああっ、舌を中に入れないでぇえ・・あん、はぁ・・ああん。蓮、お願い・・やめて。」

私がそう言うと、蓮が眉を寄せて口を開いた。

「『蓮、お願い・・やめて』ってなんだよそれ。それじゃあ、俺が智也のこと犯しているみたいだろ。」
「いちいち言葉の端々に引っかかるなっての。ひゃん。あっ・・蓮は、心の狭い男だな。ひぃああ、だめぇえーーーフレアそこ、や、あああっ」
いつの間にか涙が滲み出ていて、私は恥ずかしくなって顔を両手で覆った。仕方ないと思ったのか、蓮が私たちに近づくとフレアの透けたドレスの襟元をむんずと掴むと、そのまま持ち上げて壁に彼女を放り投げた。
「げっ!!蓮、なんて乱暴な!!」
彼女の投げられた壁を見たが、その壁にもその壁の下の床にも彼女の姿は無い。私が部屋中に視線を走らせても彼女の姿はどこにもなかった。

「心配するな。フレアならカインの部屋のベッドに魔法で飛ばしたから。ついでにフレアの衣服を脱がして裸にしておいたから、いくらなんでもカインが彼女の処女を奪うだろう。」

うわぁ・・フレア、裸でカインのベッドに瞬間移動させられたんだ。かわいそう、頑張ってね。喘ぎよ、喘ぎで、カインをいかしちゃうのよ。いや、まてよ・・処女で喘ぎまくったら男はひいちゃうかも。うーーん。

「確かに、処女で思いっきり喘がれるより恥ずかしそうにしているほうがツボかもな。涙とか流して、ちょっと嫌がったりして。でも潤んだ目で震えながら女から抱きしめられたら、萌えるな。」
「蓮の意見はきいてねーよ。」

蓮のやつまた私の思考を読んでるな。まあ、もう慣れたけど。それにしても、そうか・・やっぱ、恥じらいが必要だったか。私は、ソファにぱふっと寝そべってあの日の事を思い出していた。

そういえば、カインに処女を奪われた時って・・・私どんなだったっけ?泣いてたのは、泣いてたな。怖くて抵抗して、膣がきゅってしまってしまってカインのペニスが先っぽしか入らなくて。そしたらカインに薬液を飲まされて体が弛緩して、彼のペニスがずるって入って処女膜を破って最奥に入ってきたんだっけ。痛くて泣いて、アーサーや蓮に助けてって叫んで・・でも。

「助けられなかった。智也・・・頼むから、もうカインとの事を思い出すのはやめてくれ。あいつを殺したくなる。」

蓮がいつの間にか、ソファに横たわった私に馬乗りになっていた。彼が、真面目な顔で私を見つめながら私の耳元で囁いた。

「なあ・・・お前、まだ体が熱いな。下半身からいい香りがする。」
「よせよ、蓮。」

蓮が私の頬を両手で包み込みながらキスをしてきた。そして片手を頬から離すと、私の太ももに手を這わせていった。私はびっくりして、太ももをいやらしく触る蓮の手の甲の皮膚を摘んだ。
「イタッ。」
蓮が私に手の甲をつねられて思わず声を出す。同時に私の唇から蓮の唇が離れた。私はその隙に蓮の胸の中から逃げ出そうとしたが、その私の片足を蓮が掴んで引き寄せる。片足だけ引っ張られて、自然と彼の前で両足が開く格好になってしまった。ドレスの裾が開いて、蓮に大事なところが丸見えになってしまった。

「いい加減にしてよ、蓮!!」
「うーーん。まじで、お前女になったんだなぁ。しかもかなり俺の好みに成長しちゃって・・・セックスしたくなる。」
「馬鹿か、蓮は。アーサーとの魔法使いの契約を忘れたの?私とセックスしたらそのマントの青い紋章の炎で焼かれるんでしょうが!!」

「焼かれても試す価値はあるぞ。なあ、・・・この世界に来る前から、俺はお前の事が好きだったかもしれないとか言ったら笑うか?例のノートにお前が『女体化』するように書いたのも、俺の潜在的願望が書かせた可能性って高くないか?」

こいつ何真面目な顔して何を的外れな自己分析してんだ?元の世界にいたときから私の事が好きだったって?それはないだろう。だって、蓮はホモじゃなかったし、女好きで有名だったものなぁ。説得力ないよその自己分析。
「ひょっとして・・・蓮、お酒でも飲んでる?」
蓮は困ったような表情を浮かべて、口を開いた。

「信じたくないって、拒否ってる?でも、お前がアーサーのことで泣いたり、カインがお前になれなれしく触れるたびに俺の胸が痛くなる。これって、やっぱ嫉妬だよな。だったら、俺はお前を愛しているって事になる。元の世界では表面化しなかった想いが、この世界に来てお前が女になることで想いが表に出てきたのかもしれない。」

「冗談はよせ、蓮。」

「聞けよ、智也。もしお前が、俺の『愛する人』になってるならセックスすれば、元の世界に戻れるはずだ。」
「もし蓮の話が本当でも・・・元の世界に帰る前にその身を炎で焼かれて死んじゃったらどうするのよ。あなたは元の世界に帰れなくて、モモと私はこの世界に取り残されるのよ。そんなの無謀なこと・・んぐっ!!」

私は、蓮から激しいキスを受けていた。唇がかさなり、私の唇を割って舌が入り込む。蓮の手が私の腰に回され抱き寄せる。長く甘いキスが、私の思考を痺れさせて抵抗を奪っていった。

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