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第39話

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◆◆◆◆◆◆

その事件が起こったのは、婚姻の儀が済んだ夜。カインとフレアが結婚初夜を迎えている時間。

私は、無関係とばかりにパーティーで疲れたこともあり、王宮の自室で眠っているところに誰かが扉をノックした。側室の間は結構広くて一番奥の私の寝室まではなかなかその音が届かなくて、別室で寝ていたモモが私を起こしに来てくれた。
「誰か扉をたたいていますろぉ、ともやおにーちゃま。モモはねむいろーーーーんん。」
私のベッドにそう言いながらモモはもぐりこんでくると、熟睡してしまった。
「ちょっと、モモぉ。えー、私一人で確認にいけってのぉ。怖いんだけどぉお??」
元男としては情けないが、召使の一人からこの王宮に幽霊が出るらしいなどと聞いてしまっているだけに、深夜の扉を叩く音を聞くとぞっとしてしまった。
おそるおそる扉を開いてみて、その音源の主を見て私は目が点になってしまった。

「フレア!!・・・とと、えーフレア様。どうしたんですか、こんな深夜に??」
というか、今日はカインとフレアの初夜のはず。二人で、ベッドを軋ませて楽しんでいる時刻のはずなのに、目の前には下着のドレスだけ身に付けたフレアがいる。
「トモヤさま・・・お願いです。私に、セックスの方法を教えてください!!」
フレアはそう言うと、私に抱きついてきた。薄い下着のドレスは、彼女の乳房や乳首や太ももが薄っすらと透けて見える仕様になっていて、思わずごくりと唾を飲み込んでしまった。あ、いや私にレズの趣味はないんだけどね。って、違うか。元男なんだから乳首を見て唾を飲み込んでもよいのだ!!
フレアは顔はイマイチだが、小柄なわりに胸は大きく綺麗な形をしていた。思わず、私は彼女の胸を自然と触って揉んでいた。ん、乳房は御椀型。乳首はピンク色で清楚。太ももは・・・ちょっと太い。でも、それはそれでいい。

「なんだ、フレアって結構いい体しているのにカインの奴何してんだか。初夜に花嫁が逃げ出すなんて・・・どんな、荒業を使ったんだ。まさか、四十八手のアクロバティックな技を披露したとか?」

「あのー私、まだカインさまとは・・その、寝ていません。怖くて・・私処女の上にブスだしカイン様に失望されると思うと怖くて逃げてきましたの。ああ、私ったらこんな格好ではしたないですわね。でも、侍女に聞いても『カイン様にお任せすれば大丈夫』というばかりで、ちっともセックスの方法を教えてくれないんだもの。」
フレアが深刻な顔でそんな事を言うものだから、私は笑ってしまった。彼女を部屋に招き入れると、彼女にハーブのお水を飲ませて気を落ち着かせると私は口を開いた。
「大丈夫よ。カインは、処女好きみたいだし・・まあ、ちょっと痛いし血は出るかもしれないけど別に死なないし、侍女の言うとおりカインに任せていれば」

「いあやぁあーー!!痛くて血が出るなんて聞いていませんわ。どうしましょう、そんな恐ろしいことできません。それにカイン様の前で裸になるなんてできません。私の二段腹をごらんになったら、きっと落胆されて、もうお相手してくださらないわ。だって、カイン様にはこんなに美しい側室がいらっしゃるのですもの!!」

フレアが、私の言葉で余計に興奮して涙まで流し始めた。私は、何とか泣きやませようと必死になる。
「フレア、落ち着いて。その痛みも血もカインが初めての男だっていう証なのよ。その証を示せば、カインは喜ぶはずよ。興奮して、こう胸とかにむしゃぶりついてきて、で一気に男根をぐっと最奥に押し込んで腰を動かして、あー気持ちいい、ありがとうフレア、お前はいい女だなって事でセックスは終わるから。ね、大丈夫そうでしょ?」
「ぜ、全然大丈夫でないです。だ、男根をぐっと入れられて私はどんな顔をしてどんな声をだせばいいんですか??」

・・・いやいやいや。私も、セックス一回だけの素人だし。元童貞だし、女の喘ぎ声なんてAVでしか聞いたことなし。
「トモヤさま、お願いです教えてください。」
「そ・・そう言われても。」
フレアが、潤んだ瞳でまっすぐに私を見てくる。人に逆らうことを許さないその気迫は、王家の血から来ているのか。とにかく、カインと正妃が仲良くしてくれないとこっちに害が及ぶ気もしてくる。カインの欲望を吐き出させないと、蓮との契約を破って私に迫ってくるとも限らない。

ということで・・・彼女に薄い知識で女の喘ぎ方を伝授することにした。

「分ったわ。じゃあ、フレア様。私は、そこのソファに横になりますから胸とかあそことか触っちゃって。喘いでみるから。ちゃんと勉強するのよ。」
「ありがとうございます、お姉さま!!」

お姉さまって呼ばれてもねえ・・・複雑だ。
ソファに横たわると、フレアは大胆にも私の就寝用ドレスをいきなりめくると素肌に触れてきた。太ももを這う彼女の手が、段々と奥の方に向かっていく。

「あっ・・ん。フレア、やぁ・・奥に触れちゃヤダぁ」
喘いでみる。嫌がってみる。
「んっ、ああっフレア・・そこは、まじ駄目よ。ちょ、下着ずらさないで・・ああ、そんな乱暴に触らないで。もっとソフトに・・そうよぉ・・ああそこよ、フレア、感じちゃう。だめぇ・・・」
「ここを触られると、気持ちいいんですか?カイン様も触るかなぁ??ピンクで襞襞して、なんか液体出てきましたけど、おねーさまぁ?」

ん??んん??
しまった、なんだ体が熱い。私は股に埋まったフレアの刺激に反応して、愛液を流し始めていた。部屋には花の香りが漂う。それに酔ったのか、フレアがふらふらとしながら股から顔を上げると今度は、私の胸の衣服のボタンを外し始めた。

「ちょ、ちょっと、フレア。ああ、や・・・舐めないで。ひぁあ・・んあっ」

フレアが私の乳房を揉みながら乳首を小さな口に含んで舐め始めた。その舌の刺激が、男と違って滑らかで優しくそれでいて、感じてしまう。

「ああんっ。駄目、やめて・・・そんな、あっ噛んじゃやだ。あん・・・ふぁあ、乳房を舐めないで。あーん、下が濡れちゃうぅう。やぁん。」
「花の香りがします、おねーさま。下を舐めてもいいですか?ああ、舐めたい。トモヤお姉さまの愛液を頂きたいわ」

フレアはそういいながら股にもぐりこむと、今度は膣口の敏感なところを舐め始めた。私はびくびく震えながら、彼女から与えられる刺激で喘ぎ声を上げていた。


「フレアを探すようにカインに頼まれたが、・・・・・お楽しみ中だったとはな。うーーん、カインにはなんと報告しようか。正妃と側室が仲良くしてましたでいいか?」

「げっ!!」

いつの間にか、蓮が壁にもたれて私がフレアに喘がされているのをニヤニヤしながら見ていた。
ひえぇえええーーー、最悪じゃあ!!



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