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第34話

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◆◆◆◆◆◆


「あっ・・・はぁ、嫌っ・・無理。痛い・・ひぃぁあ!!」

膣口に圧しつけられていたカインのペニスが強引に膣に入ってきた。指しか知らないそこは、ペニスの質量に耐えかねて侵入を阻むように絞まっていく。カインが苦しそうな声で、私の髪を撫でながら口を開いた。

「もっと・・・緩めろ。入り口でいってしまいそうだ。」
「いってよ。無理、入らない」
「馬鹿言え。女のここは入るようにできているんだ・・・力を抜け。大丈夫だから」
「怖い。ひっっく・・・いや、いやぁあ!!」

私が逃げ出そうと腰を引くとカインのペニスが膣口から抜け出してしまった。怯えて震えシーツを握る私の姿を見たカインは、セックスを諦めてくれたのかベッドから降りた。私は恐怖のあまり、ベッドに顔を埋めていた。
アーサーや蓮は何時王の間から出てくるの?
早く助けて!!

「トモヤ、これを飲め」
「えっ・・?」

カインは私との性交を諦めてはいなかった。それどころか、その目はぎらぎらと光って私を見つめていた。彼の差し出した緑色のガラスの小瓶には、液体が入っていた。
「恐怖が和らぐ。これを飲め。」
「嫌よ。きっと、麻薬の類でしょ。私を薬漬けにするつもりなんだ。」
「疑り深い奴だな。薬草を煎じたものだ、体に害はない。気持ちを楽にして、体を弛緩させてくれる。今のお前には丁度いい。」
そう言うと、カインは瓶の蓋を取るとその液体を口に含んだ。そして私の顎をつかみ強引にキスしてきた。咥内に流れ込んできた苦い液体が、さらさらと咽に流れていってしまう。

「うっ・・げほっ・・。」
「魔法使いが魔法をかけながら丹念に作った薬液だ。俺は、眠れない夜に飲むことがある。すぐに効果が現れてくる・・・ほら、体が緩んでくるだろ?」
「何が薬草を・・・煎じたものよぉ。魔法使いが作ったなんて・・・聞いてないわよぉ・・はぁ・・あっ、はぁあ。」

恐怖の心が解けていくのが自分でも分った。肉体も緩まり、思考までぼんやりとしてくる。カインが再び私の足を押し開いてもあまり怖さを感じなかった。カインが私の耳元で呟く。
「大丈夫だ、怖くない。お前は、俺の側室なんだぞ?そう手荒には扱わない。」
飲まされた薬液が私の口を軽くする。

「嘘・・私を犯すくせに。私は、本当はアーサーと・・・したいのよ。元の世界に帰りたくないから・・彼とできないだけで。離れたくないから・・・蓮は、アーサーと早くしろって言ったけど。できないよぉ。アーサーから離れたくないよぉ。」
「アーサーはお前を愛しているわけじゃない。お前の中の『トモ』を懐かしんで愛おしく思っているだけだ。あの女が、アーサーの初めての相手だったからな。」

「嘘よ!!だって、アーサーが魔法使いと契約したのは12歳の時よぉ?12歳で・・・セックスなんて・・ひぃ・・ああ、やめ・・入らないで!!」

カインが膣の中に今度は強引にペニスを押し込んできた。薬液で弛緩した膣壁が彼の男根を飲み込み奥へと誘う。溢れ出る愛液が花の蜜のような香りをかもしながら太ももに流れ出す。腹部に突き込まれたペニスは、さらに奥へと進み処女膜にぶつかる。

「ひぃ、痛い。いたい、やめて。それ以上、入れないで。痛いよ、ひっ・・ああぁあ!!」

ずぶっとペニスが処女膜を破り、膣の最奥に押し込まれた。カインは私の背中に腕を回しベッドから起き上がらせると、顔を近づけ唇を奪った。私は泣きながらその唇を受け、処女を失ったことを悟った。股から血の混じった愛液が流れ出す。カインが座位の姿勢で私を貫いたまま、私の耳元で呟いた。
「破瓜の血だ。お前が、誰にも抱かれていなかった証だ。」
「・・・でも、あなたに穢された。」
「穢したわけじゃない。愛し合っているだけだ。」
カインが座位のまま腰を動かしだす。痛みはあるものの、徐々に快感が痛みを駆逐していく。カインにペニスを押し込まれ体を揺すられるたびに、膣壁に圧しつけられるそれが初めて感じる快感を私に与えていた。私の膣は体内を犯すペニスをぎゅっと締めて襞が絡み付き、まるでカインを誘うように躍動する。

「すごい・・・絞まりだ。気持ちいい。」
「あんたなんか、好きじゃない。」
「だが・・俺の妻だ。体位を変えたい。すこし痛いかもしれないが我慢しろ。」
カインは、ゆっくりと私をベッドに押し倒すと、私の足を肩に乗せて腰を動かし始めた。最初は緩やかに、そして最後には激しく。膣のあらゆる部分をペニスで貫かれ、その度に背骨を上るような、快感と痛みがあった。でも、すぐに快感が大きく膨らみ、私の脳を蕩けさせた。私の体は、快感に貪欲だった。快感を感じるたびに膣がペニスを締め上げて、カインに快感のうめき声を上げさせた。私は涙を零したまま、カインの男根を貪欲に飲み込んでいた。

「くっ!!」
「ああっ・・・!!」

体内で吹き出る熱い飛沫がカインの精液であることは分っていた。すでに処女を奪われ、犯されているのにその精液を体内に受け入れた事実が酷く胸を痛ませた。カインがペニスを体内から抜き出すと、私はうつ伏せになって這うようにしてカインから逃げ出した。逃げ出す私をカインが追いかけ、震える私をその胸に抱きしめる。私の股からは精液と血液と愛液が混じって流れ出ていた。私は泣きながらそれを手で拭った。その手を掴んだのは、カインだった。

「拭うな。それは、俺とお前が愛し合った証だ。もう泣くな。これからは、どんな贅沢もさせてやる。綺麗な服も、宝石も望むものを取り寄せよう。お前なら何を着ても似合うだろう。お前を側室として大切にする。正妃よりも・・ずっと大切に扱う。」

カインの言葉が信じられなかった。アーサーの心を踏みにじる為だけに私を抱いたくせに、どうしてそんな心にも無い言葉を掛ける?どうせ側室なんて名ばかりで、セックスが終わった後は牢かなんかに入れて生き殺しにするつもりでしょう。
それとも、『トモ』のように私を殺すの?
私は、怒りを込めてカインに視線を向け、そしてはっとした。カインが、これまで見たことも無いような穏やかな表情で私を見つめていたから。でも、私の発した言葉が彼の表情を曇らせる。

「綺麗な服も宝石も要らない。私は・・アーサーのお城に帰りたい。また、皆と一緒に馬鹿騒ぎして、アーサーや蓮に時々抱きしめられてどきどきしたり・・・・薔薇のお風呂に入ったり。モモやメアリーの馬鹿騒ぎに付き合って楽しくて・・・アーサーの元に返りたい。」

「それはできない。お前は、私と側室の契約を交わした。魔法がかけられたその指輪は、夫から逃れることを許さない。許可なしに俺から逃げだせば、その罪でお前は指輪の呪いにかかり命を落とすだろう。俺が死なない限りは指輪の契約は消えない。お前は、アーサーが俺を殺すことを期待しているのかもしれないが、アーサーにそれはできないだろう。アーサーには抱えるものが多すぎるからな。母や妹を犠牲にしてまでお前を救う為に、俺を殺しに来るかな?」

そうだ・・・アーサーには、大切な家族がいる。私の為にそれを犠牲にして欲しいなんて言えない。
私は無力感に苛まれ、カインの胸に顔を押し付けて自ら目を瞑った時だった。


「カイン、俺の智也を返してもらおうか?」

誰も近づけないはずのカインの部屋のその奥の寝室に、何の前触れも無くその男が立っていた。


「蓮っ!!」




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