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第1話 奇妙なノート
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◆◆◆◆◆
事の発端は、幼馴染の蓮が妙なノートを路上で拾ってきて、僕の部屋に持ってきた事だった。
妹のモモは蓮のファンの為、当然のように僕の部屋に入り込むと、蓮の横を陣取って幼馴染といちゃいちゃしている。
僕はそのことを不快に思いながら蓮に嫌味を言った。
「金持ちの五十嵐家の御曹司が、路上で知らないものを拾っちゃいけませんって教わらなかったのか?」
「いや、我が家の家訓は、何でも拾え。何でも奪え。欲しい物は強引にでも手に入れろだ」
「・・・なるほど、そうやってお前の家は金持ちになったんだな」
「蓮ちゃんのお嫁さんになるモモは、お金持ちの夫人になるのねぇ。智也お兄ちゃんが路頭に迷ったら、私専用の運転手に雇ってあげてもいいわよ、ねー、蓮ちゃん!」
「ペットの世話ががりで十分だろ、智也には」
「モモも蓮も、僕の部屋から出て行ってくれ」
僕の文句をあっさりとスルーした蓮が、例のノートを取り出してページを捲って僕に見せてきた。そこには汚い字でこう書かれていた。
『新たな世界に旅立つ勇気のあるものは、このノートに思い通りの物語を紡ぐがよい』
「はぁ・・・・、これ絶対小学生の悪戯だろ。字は汚いし。デスノートの真似事か?」
「まあそう言うな。小学生の悪戯かどうかは書き込んでみれば分る。」
「うん、うん。蓮ちゃん、何か書き込んで。」
蓮の言いなりのモモは俺の机から勝手にボールペンを持ち出すと、蓮に渡した。彼は、迷う風もなくさらさらと何行かノートに書き込むと、僕に見せてきた。
『僕たち三人は今から一分後に異世界に行く。草薙智也は女体化して、草薙モモは猫耳娘になり、五十嵐蓮は最強の魔法使いとなる。彼らの目的は、愛する人と出逢いセックスすること。それでこの物語は完了して、元の世界に戻ってくることができる。以上。』
「げっ!!何で僕が女体化なんだよ!!」
「きゃー、蓮ちゃんは最強の魔法使いなのね。カッコイイにゃぁ。」
「モモ、勝手に猫語尾つけてんじゃねーーー!!」
「落ち着け、草薙兄妹。とにかく、一分待つとしよう。」
◇◇◇◇
一分後。
僕たち三人は、奇妙な葉が生い茂る森の中にいた。
しかも、僕は女の姿になっていたし、妹の耳は猫型になっていたし、蓮は妙なマントを羽織っていた。
とにかく、皆変な格好をしている。
いや・・一番変なのは僕の格好だ。
「ぎゃぁあああーーーー、何で裸なんだよぉおおーーーーーー!!」
僕が叫ぶたびに盛り上がった胸が、上下にゆさゆさと揺れていた。
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事の発端は、幼馴染の蓮が妙なノートを路上で拾ってきて、僕の部屋に持ってきた事だった。
妹のモモは蓮のファンの為、当然のように僕の部屋に入り込むと、蓮の横を陣取って幼馴染といちゃいちゃしている。
僕はそのことを不快に思いながら蓮に嫌味を言った。
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「いや、我が家の家訓は、何でも拾え。何でも奪え。欲しい物は強引にでも手に入れろだ」
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「まあそう言うな。小学生の悪戯かどうかは書き込んでみれば分る。」
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蓮の言いなりのモモは俺の机から勝手にボールペンを持ち出すと、蓮に渡した。彼は、迷う風もなくさらさらと何行かノートに書き込むと、僕に見せてきた。
『僕たち三人は今から一分後に異世界に行く。草薙智也は女体化して、草薙モモは猫耳娘になり、五十嵐蓮は最強の魔法使いとなる。彼らの目的は、愛する人と出逢いセックスすること。それでこの物語は完了して、元の世界に戻ってくることができる。以上。』
「げっ!!何で僕が女体化なんだよ!!」
「きゃー、蓮ちゃんは最強の魔法使いなのね。カッコイイにゃぁ。」
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「落ち着け、草薙兄妹。とにかく、一分待つとしよう。」
◇◇◇◇
一分後。
僕たち三人は、奇妙な葉が生い茂る森の中にいた。
しかも、僕は女の姿になっていたし、妹の耳は猫型になっていたし、蓮は妙なマントを羽織っていた。
とにかく、皆変な格好をしている。
いや・・一番変なのは僕の格好だ。
「ぎゃぁあああーーーー、何で裸なんだよぉおおーーーーーー!!」
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