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王城

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アンデルス兄上を牢獄から解放したのち、僕は兄上の動向を監視する為にしばらく行動を共にすることにした。アンデルス兄上の王城出仕の日程が決まると、僕は馬車に同乗して王城に向かった。

「アンデルス兄上、王城が見えます!」
「・・・」

「黙りは止めてください、兄上。僕の事は仲良し兄弟として、第二王子には紹介してくださいね、アンデルス兄上?」

「俺を監視する必要はない。もう、クラウスは亡くなっている。今さらどうこうしようとは思っていない、ミリアム」

「人の感情は予想不可能ですから、少し我慢してください。それに、アンデルス兄上を監視するためだけの、王城出仕ではありませんから」

「そうなのか?」

「最近まで僕は両親から異端児扱いされて、領地の屋敷に軟禁状態にされていたでしょ?その状況から救ってくれたのが、アンデルス兄上でした。だから、兄上には感謝していて・・仲良くしたいしお手伝いもしたいのです」

「俺はお前と馴れ合うつもりはない」

アンデルス兄上の冷たい言葉に、胸に苦い想いが広がる。それでも、平気な顔をして言葉を紡いだ。

「そうですか。でも、侯爵家が一枚岩であることを示すためにも、仲が良いふりをしてください、アンデルス兄上」

「分かった、ミリアム」
「よろしくお願いします、兄上」

アンデルス兄上がちらりと僕を見たが、すぐに視線は逸れていく。でもいい。ゆっくりと、関係を改善していけばいいのだから。


◆◆◆◆◆


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