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ラブホテルに向かう。

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『これが一目惚れか‥‥。私は貴方に恋をしているらしい。』だって?

なにその耽美な台詞!普通のアルファは言わないよ。もしも、結婚したら毎日こんな言葉を掛けてもらえるのか。それ、素敵かも。

俺は耽美な小説が好きなんだよ!

「あの‥‥番って下さい‥‥栄一さん」

何を言っている、俺‥‥。うぉ、尻軽オメガと揶揄られても仕方ない状況だ。俺の言葉に目を見開いたアルファが、ふいに目をそらす。

やっぱり、早まったか。そう思ったけど結果は違った。山崎はサイゼリヤ店長に向かって、滅茶苦茶な命令を下した。

「早乙女店長、俺は彼と今から番う事にした。だから、店内への案内は不要だ。その代わりに、ここから一番近いホテルを案内して欲しい。この際、ラブホテルでも構わない。もし、案内を頼めるなら、弟の栄二が仕掛ける敵対的買収を阻止しよう。」

「えぇーーー???」

早乙女店長が震えだしていた。アルファの気に当てられたのだろう。俺もアルファの貪欲な性欲を感じてどくどくする❥❥❥

「私は創業者一族である山崎家の嫡男だ。山崎薬品工業㈱の株の相応分を握っている。敵対的買収に反対する勢力も把握している。私が反対票を投じれば、弟も計画を見直すだろう。さあ、決めろ。店長の行動しだいで、サイゼリヤは守られる。ラブホテルに案内しろ、サイゼリヤ店長!」

「ひぃ~~、承知しました。最寄りのラブホテルにご案内いたします!!」

早乙女店長が叫びながら店舗を後にする。その姿をぼんやりと見ていると、俺は山崎アルファに抱き上げられていた。

お姫さま抱っこ!?

「ホテルに行きますがよろしいですか?」
「はい、栄一さん」

β『ふざけるな!なぜそうなる!!思い直しして下さい、暁月さまーーーー!』

ネックチョーカーの三日月ベータが叫ぶ。だが、俺を抱きしめた山崎アルファはアドバイザーの声を無視した。そして、サイゼリヤ店長の後を追って店を出る。 

「あわわ!」
「舌を噛まないように気をつけて」
「はい!」

俺が口を閉じて山崎に抱きつくと、さらに速度をます。だが、その前に立ちはだかる者がいた。三日月アドバイザーだ!

「婚活デート初日にラブホテルなどありえない!暁月さまを解放しなさい!」




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