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第一部 ヤン=ビーゲル

第12話 正気に戻ったら

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◆◆◆◆◆

「んぁ、そこ‥‥感じるぅ、ん゙あ」

どうしよう。
早くシノに伝えないと。

媚薬の効果が切れて、もう痺れるような体の熱さはない。意識もはっきりしてきた。

「ひぁ、そご‥‥駄目だから、ヤバいっ、シノ‥‥はぁ、もう無理‥‥」

「安心しろ、ヤン。媚薬が抜けるまで付き合ってやるから。カライキでも恥ずかしくないから、もっと乱れろ‥‥はぁ、はぁ」

「んあっ、シノ‥‥もう媚薬は、ん゙あ、あ、あぅ゙‥‥もう、ひぁぁ」

シノが後孔の中の指を折り曲げて、敏感な所を何度も擦ってきた。何度も達して、達し尽くして‥‥陰茎はぐたりとして精液はもう出ない。

早く伝えないと。

これ以上シラフの状態でシノの指責めを受け入れてたら、友人関係が終わる。間違いなく終わる‥‥!

「ふぅ‥‥まずいな」
「‥‥シノ?」
「俺が勃起してきた」
「え!?」

「石鹸の媚薬の影響を俺も受けたらしい。やばい、襲いたい。いや、駄目だ。あ~、ヤン、媚薬は抜けて来たか?」

僕は慌てて返事をした。

「だ、大丈夫!今、抜けました!」
「本当か?」
「ホントだよ、シノ」
「じゃあ、指を抜くぞ」
「え、えっ‥‥んぁ、ぁ゙あっ」

じゅぷりと音をたてて指が体内から抜ける。抜けたそこがひくひく蠢き、ゆるい軟膏がとろりと流れる。

「指っ‥‥出たぁ‥‥。」

指の形をまだ中が覚えてる。下腹部を押さえながらそうつぶやいたら、何故かシノに抱き寄せられた。

「シノ?」

シノの股間が僕の太ももに当たる。ガチガチだ‥‥これは相当に辛そう。どうしよう。シノは僕の媚薬を抜くために指を酷使してくれた。

僕も‥‥お礼をすべきかな?

「シノ、辛い?」
「え?」

「その‥‥お礼に指か口で。あ、やっぱり口はなしで。僕はシノの友達でいたいから、指でシコシコする!」

「はい、バカ発見!」
「痛いっ!」

いきなりシノに小突かれて頭を押さえていると、男は僕を抱き上げてお姫様だっこした。そして、治療院の隅のベッドに向かうと僕をそこに寝かせる。

「‥‥シノ」

「ヤンはしばらくそこにいろ。布を体に巻き付けておけ。俺はちょっと‥‥アレだ。床の片付けのついでに一発抜くから、こっち見るな」

ぎこちなくシノはそう言うと、くるりと身を翻して僕に背を向けた。そして、湯の入った樽の横で衣服を全部脱ぐ。

「わわっ、」

均整の取れた肉体に視線を奪われたが、シノに睨まれてすぐに彼に背中を向ける。しばらくすると、シノの野太くも艶っぽい声が聞こえてきた。

「っ‥‥」

たまらずベッドの上の布を手に取ると、ガバリと頭から被る。シノの自慰する姿を思い浮かべてはすぐに打ち消して、淡いため息を漏らした。



◆◆◆◆◆
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